巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

首位性(primacy)、教皇制、公会議主義

教理的シフトゆえに牧師廃業に追い込まれた ‟落伍者” に注がれている主の憐れみーージェイソン・スティールマンの霊的旅路

出典 2018年8月26日記事の再掲載です。教義や教派問題で葛藤し、あるいはなんらかの事情で教会に躓いてしまい、現在、どこにも信仰共同体や共感し合える仲間を見出すことができずにいる方々にとってこの記事が励ましとなりますように。苦しみの只中に…

清い魂

出典 スワン・サンナ兄の証ビデオを観ました。スワンは、インド北西部(ミャンマーとの国境沿い)の山岳地方に生まれます。(マニプール地方に住むゾミ族)。バプテスト教会牧師であった父親が米国カンザス州にある神学校で学ぶことになったのを機に、スワン…

中世~近現代における正教徒のトマス・アクィナス受容/批判について(マークス・プレステッド教授へのインタビュー)

2015年にオックスフォード大学出版局から出版されたマークス・プレステッド著『Orthodox Readings of Aquinas(アクィナスに関する正教徒たちの読解)』の内容に関し、ロフトン師(東方典礼カトリック)が、ウィスコンシン州マーケット大学プレステッド…

告白者聖マクシモス、フィリオクゥエ、そして教皇制――Proof Textから橋渡し役へ(by エドワード・シィチェンスキー教授)

Daniel Haynes ed., Andrew Louth, FBA., A Saint for East and West: Maximus the Confessor’s Contribution to Eastern and Western Christian Theology, 2019. Chapter 2. Edward Siecienski, Saint Maximus the Confessor, the Filioque, and the Papacy…

東西の伝統派信者たちが取り組む必要のある諸課題(その2)

出典 目次 東方での課題 西方での課題 両者が共に闘わなければならない最大の敵

教派問題でノイローゼ気味になっている方への気分転換用ショート・コメディ

下のコメディー・ショートclipで演じているロフトン師は、硬派ディスペンセーション主義の信奉者(The International Christian Embassy Jerusalem; ICEJ)だった両親の元で生まれ、2歳の時、家族でイスラエルに移住します。4歳で両親が離婚、ロフトンは母…

ペテロの首位性――誰が東方正教会を代表して語ることができるのだろう?(by パンデレイモン・マヌサキス神父)

fr. John Panteleimon Manoussakis, For the Unity of All: Contributions to the Theological Dialogue between East and West (Eugene, Oregon: Cascade, 2015), 27-32. January 31, 2018(抄訳) churchlifejournal.nd.edu 目次 一つのパラドックス 司教…

荒野にて

荒野にて 「国民教会(national church)」というものについて(by 聖ジョン・ヘンリー・ニューマン) 〈ローマ〉について(G・K・チェスタトン) ロシアと普遍教会ーーロシア民衆の「真の正教」及び、アンチ・カトリック神学者たちによる「疑似正教」につ…

「教皇制」に関するイバラ師(カトリック)とパトリック神父(東方正教)の公開ディベートVTR

ローマ教皇聖クレメンス1世(出典) 下は、パトリック神父(東方正教)とエリック・イバラ師(ローマ・カトリック)のディベートVTRです。テーマは「教皇制」。司会者はマット・フラッド氏(東方典礼カトリック)です。

どの教会会議が全地公会議(Ecumenical Councils)であるのか、私たちはどのようにして知ることができるのだろう?

第七回全地公会議 目次 「どの教会会議が全地公会議であるのかを私たちはどのようにして知ることができるのか?」 指摘例1 指摘例2 指摘例3 指摘例4 所感

いつの日か

ある強烈な人生の出来事が、その人の神学やものの見方、世界観に「変異」をもたらし、その内的震動が己のうちにそれまでとは抜本的に違うなにかを創成しつつある――。皆さんはそんな経験をお持ちですか。 私にとっての精神の危機および転換点は、「カトリシズ…

「ローマの首位性」に関して――カトリック教徒と正教徒の友好的話し合い

Peter Gilbert, De unione ecclesiarum(コメント欄抄訳) ヴェリタス(カトリック):カトリック教徒としてあなたにお訊きしたいことがあります。それは、ローマの首位性に関することです。 教皇ヨハネ・パウロ二世『回勅 キリスト者の一致(Ut Unum Sint)…

真摯なカトリック信徒の問い

出典 マイケル・ロフトン(ローマ・カトリック):視聴者の皆さんに投票アンケートをお願いしたく思っています。あなたは「東方正教」を巡るテーマに関したビデオにより関心がありますか。それとも、「伝統派カトリック内の諸テーマ」を取り扱ったビデオによ…

東方と西方の伝統派信者たちが共に直面している諸課題

www.youtube.com 東方正教会であれ、西方カトリック教会であれ、聖書および聖伝を遵守し、主イエス・キリストに忠実であろうとしている人々は、現在例外なく以下の諸問題に直面していると思います。

共有された歴史の追憶と分裂の痛み、そして未来への希望――「宗教改革記念日」を前に

出典 目次 思索メモ1 思索メモ2 思索メモ3 思索メモ4 思索メモ5 思索メモ6

ユーカリストの犠牲的性質、プロテスタント諸反論、現代カトリック祭司制危機(by ローレンス・ファインゴールド、ケンリック・グレンノン神学校)

目次 ミサの犠牲に対するルター及びカルヴァンの諸反論 ルターのミサ理解 ①サクラメント定義からの議論 ②「ミサにおける犠牲というのは、毎回のミサの中で繰り返しキリストが殺されるということを意味している」という反論について ③「ユーカリストは犠牲と…

教皇制及びペテロの首位性に関するカトリック・正教双方の文献リスト

エリック・イバラ師が、教皇制及びペテロの首位性に関する文献リストを挙げておられます。各著者は、カトリック教会の方である場合もあれば、正教会それから、聖公会の方である場合もあります。

元教皇座空位論者(ex-Sedevacantist)の探求と人生を駈けた問い【教会の非変節性についての考察】

教会の非変節性(indefectibility of the Church)の教義と現在の厳しいリアリティーをどのように調和させることができるだろうか。「承認し抵抗する Recognize & Resist」という立場と第一バチカン公会議の間に矛盾はあるのか。(写真) 目次 元セデヴァカ…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ③ 教導権について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) 教導権(Magisterium)について 東方正教徒:私やオリエンタル正教の友は、あなた…

ある求道者とローマ・カトリック信者の会話【教皇制に関するディスカッション】

Erick Ybarra vs. Jay Dyer: The Papacy Debate, Aug, 2019.(抄訳) ブラッドリー・ペリー:私はかなりの期間、ジェイ・ダイアーの講義を聞き、且つ、現在、東方正教について調べています。正教よりはローマ・カトリシズムについてより知識があるのですが、…

カトリック改宗か正教改宗かの最終判断はやはり一筋縄ではいかない。

二択を余儀なくされる分裂した世界に生きていることがつらい。(出典) 先日、プロテスタンティズムからローマ・カトリック経由で東方正教会に改宗した方と、ローマ・カトリックからプロテスタントに行き、後に保守聖公会経由でカトリックに帰還した方の間の…

東西の教権の過度集中化についてーーアダム・J・ドヴィル教授へのインタビュー

アダム・J・ドヴィル(Adam J. DeVille)。聖フランチェスコ大学神学部准教授。主著:『Orthodoxy and the Roman Papacy: Ut Unum Sint and the Prospects of East-West Unity』(2016年)、『Everything Hidden Shall Be Revealed: Ridding the Church of A…

宗教改革者たちとトマス・アクィナスーーカール・トゥルーマン教授へのインタビュー【改革派内での新しい動き】

出典 目次 トゥルーマン教授の微妙な位置 ルターの信仰義認論、「パウロ研究による新しい視点」 聖書の正典問題 「教皇制のプラグマティズム」 宗教改革者たちとトマス・アクィナス

家父長制は善いもの。(by ドワイト・ロングネッカー神父)

レンブラント作『放蕩息子の帰還』 Fr. Dwight Longenecker, In Praise of Patriarchy, 2010(拙訳) 私が聖公会司祭を務めていた時分、〔アングリカン・コミュニオン内で〕フェミニストたちが女性司祭叙階のための闘争をしていました。

福音主義者と権威の危機(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

Bryan Cross, Evangelicals and the Crisis of Authority, 2009(拙訳) ジム・トンコヴィチが「福音主義者と権威の危機*1」と題する優れた論考を書いています。この記事は、ホモセクシュアリティーおよび学問の自由を巡って現在、カルヴィン・カレッジが通…

教皇が異端者になった場合、歴代のクリスチャンたちはどのようにそれに対処してきたのだろう?

出典 ある日、一人のカトリック教徒が、年老いた聖者であり賢人に助言をもらうべく修道院を訪れました。教会の不穏な状況に不安を覚えていたのです。

私の辿ってきた道ーーダグラス・M・ボウモント師の信仰行程【その4】東方正教会に通い始める

【その1】【その2】【その3】からの続きです。 ロシア正教会(出典) 目次 東方正教会の門をくぐる 外的、内的な文化的分断状況に直面して ああ、もう選択肢がない! テヴェレ川につま先で触れてみる

私の辿ってきた道ーーアンドリュー・プレスラー師の信仰行程【その4】

【その1】【その2】【その3】からの続きです。 ペテロとパウロ、そして一つの教会。(出典) 目次 目の前に立ちはだかるカトリック教会と正教会。さあ、どうするか。 ローマ典礼の新しい形態に失望、落胆。そして挫折。 私の発見した「カトリック教会」は…

ルターと自然法(by ティモシー・ゴードン)

Dr. Timothy Gordon, Ph.L., J.D., M.A. 目次 はじめにーー主意主義をめぐるカトリシズムとプロテスタンティズムの世界観の違い ルターは人間自由の擁護者なのだろうか? そもそも「プロテスタント自然法」というものは存在するのか否か ルター、唯名論、主…

私の辿ってきた道ーージョセフ・ジョンソン師の信仰行程

目次 バプテスト信者の家庭に生まれる カリスマ派の教会へ移る 深みに漕ぎ出すーーユダヤ的キリスト教との出会い 魂の暗夜ーーブルトマン、ティリッヒ、バルトへ 再び深みへ漕ぎ出すーー宗教改革そして改革派信仰へ キリスト教学校の教師として 長老教会の牧…