巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

教会の都市名の「語源」と教会の「状態」を連結させる誤謬ーー黙示録2-3章の「7つの教会」釈義について(by ニゲル・トムス)

出典 目次 7つの教会とウィットネス・リーの解釈 ラオデキヤーー「悪魔的に」堕落した教会内の民主主義?

黙示録2章のニコライ派に関し一般に信じられている〈神話〉についてーー「語根にかかわる誤謬(root fallacy)」の事例

ニコライ派ーーキリスト教内における権力とコントロール(ヘブル的ルーツ運動に関与するMidrash Monthlyのサイトより)Nicolaitan | Midrash Monthly 目次 はじめに 初代教会の証言 現代の実例 結語 〔一次資料〕ニコライ派に関する古代および中世文献 〔補…

言語学者たちの語彙的誤謬について(by ダニエル・B・ウォーレス、ダラス神学校 新約学)

ソシュールは,言語変化を研究する「通時的な(diachrony)」言語学と,ある時点における言語の状態を研究する「共時的な(synchrony)」言語学を峻別することを主張した.ソシュールによれば,この2つの観点はまったく相容れず,完全に対立するものである.…

聖書理解における地平の融合ーー「疎隔」について(D・A・カーソン、トリニティー神学校)

地平(出典) D.A. Carson, Exegetical Fallacies, Introduction, p.20-22.(拙訳) 聖書の批評的研究に常につきまとう危険は、解釈学者たちが呼ぶところのいわゆる「疎隔(distanciation)」にあります。疎隔というのは、批評的働きにおける必要要素です。…

離れても、いつかきっと再会する。

山や空をぱっと見ると、それは完結した一枚の静止画のようにみえます。しかししばらく見つめていると、そこに〈動き〉があることに気づきます。雲は形や表情を変えつつ、ふくらんだり、薄くなったり、丸くなったりしながら、たえず動き、山の木々も風に揺れ…

言語における慣習性(conventionality)ーー「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」という教説の問題点について(by アンソニー・ティーセルトン)

トーレイフ・ボーマン著『ヘブライ人とギリシヤ人の思惟』(新教出版社)(原題:Hebrew Thought Compared with Greek) ヘブライ語の歴史ーー「抽象」と「具体」(ジェフ・A・べンナー氏の教説) Anthony Thiselton, 'Semantics and New Testament Interpre…

懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし②ーーなぜ懐疑主義は人間本性にフィットし得ないのかについて(by エスター・ミーク)

出典 目次 「懐疑」から「確かさ」へ、そして再び「懐疑」【サイクルその2】 「懐疑」から、、、そして次は何?【サイクルその3がスタート】 なぜ懐疑主義はフィットし得ないのかについて そして今、どうなっているの?

懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし①ーー「知る」ことについて(by エスター・ミーク)

エスター・L・ミーク。ペンシルベニア州ジュネーブ大学哲学科教授。ヴァン・ティル学派の前提主義、ジョン・フレームの多元遠近法(multiperspectivalism)及び、マイケル・ポランニーの暗黙知(tacit knowledge)をベースに、契約主義キリスト教認識論を構…

「混沌」から「より明瞭」な方向へ羊を導いてくれる聖書教師

目次 はじめに 1.立場や前提やリソース元をごまかさず、率直に明かしてくれる教師 2.解釈の「なぜ」に共に取り組んでくれる教師

日の下に新しいものは一つもない。ーー宗教プロパガンダと暴走する「神聖」列車

敬虔なるクリスチャンたちを乗せた列車が疾走している。 脇目もふらず、一心不乱に。 プロパガンダの旗がなびき、〈御用神学〉と〈宗教的熱心〉と〈盲目なる善意〉が一つに溶け合う。 おお愛する友よ!汝らもまた、古の街道をひた進むのか? 目次 一揆を起こ…

「私は、昔の日々、遠い昔の年々を思い返した。」詩篇77篇を歌い祈る。/回顧と眺望(ピューリタンの祈り)

出典 目に見える世界、目に見えない世界を治めておられる 至高なる統治者、 わが心は汝に引き寄せられます。 驚くべき汝の恵みとへりくだりゆえに。

清い「オジサン」たちと共生する楽しい世界

「このブログを開くに至ったいきさつ」(証し)の中で告白しましたように、私は聖書的女性像を追い求め、探求する過程で、「聖書の教えに関する内容は(女性である自分が書くのではなく)男性教師・神学者の方々の論文を翻訳する」という方向転換をしました…

「神学者レベル」の牧師と、「大衆レベル」の牧師?

出典 キリスト教界には、「神学者レベル」の牧師と、「大衆レベル」の牧師という二種類(二層)のパスターが存在するのでしょうか。聞くところによると、後者のカテゴリーに属するパスターたちの方が、より一層、誤教理・誤解釈・誤体系にのめり込みやすく、…

ピューリタンの祈り〔総集編〕

目次 まぼろしの谷("The Valley of Vision") 祈りの中で("In Prayer") 汝のみこころのままに私をお用いください("God's cause") おお主よ、私は塵だらけの殻です("Man a Nothing") 無限と有限("The Infinite and the Finite") パラドックス("Para…

2テサロニケ2:3は、「教会の携挙」のことを言及しているのでしょうか?ーー「アポスタシア」の意味解釈について(by ゲイリー・ショーグレン、ウィリアム・W・カムズ)

〔某教会HP 終末論-携挙編-より一部抜粋〕 背教?!それとも・・・。聖書における翻訳的な根拠 更に、『背教』と訳された原語「へ(ή)・アポスタシア(άποστασία)」をどう訳すかというのも大きな問題です。Ⅱテサロニケ2:3には、『 だれにも、どのようにも…

私のディスペンセーション主義にいかにして変化が生じていったのかーーデイビット・L・ホワイト師の証し

出典 目次 証し 大学および神学校時代 論理的誤謬 釈義的諸問題ーー「キリストの裁きの御座(ベーマ)」 釈義的諸問題ーー2テサロニケ2:1-12 最終決定打 〔補足1〕「大きな白い御座の裁き」と「キリストの裁きの御座(ベーマ)」の釈義について(ジ…

「そもそも聖書の解釈の仕方など学ぶ必要あるの?」(D・A・カーソン、トリニティー神学校)

目次 はじめに できる限り良心的に、聖書のバランスを計り、歴史的/神学的「あれかこれか」的分裂への屈服を避ける。 聖書のある部分におけるアンチテーゼ的性質(特にイエスの説教のある部分)はレトリックなものであり、絶対的でものではないことを認識す…

ヘブル的ルーツ運動の神学的「ルーツ」に関する考察(クラーレンス・B・バス)

Clarence B. Bass, Backgrounds to Dispensationalism: Its Historical Genesis and Ecclesiastical Implications:C・B・バス著『ディスペンセーション主義の背景』 目次 はじめに 各章の主題 2005 年版への序(S・R・スペンサー) 結びの言葉(C・B・バス)

この道の行きつくところーー三人の女性の物語【フェミニズムとキリスト教世界観】

(出典) 目次 はじめに メアリー・デイリーの物語(カトリック出身) 女性の革命 父なる神を「超えて」 ローズマリー・R・リューサーの物語(リベラル左派) 影の薄い父親 最初の葛藤 メキシコ系アメリカ人女性との出会い 政治的アクティビストへの道 女神…

神の永遠の御住まい(ゲルハルダス・ヴォス、R・B・カイパー)

神の栄光が都を照らし(黙21:23) 目次 幕屋(ゲルハルダス・ヴォス) 幕屋 キリストーー対型的幕屋(anti-typical tabernacle) 幕屋はまた教会の予型でもある 神の家ーー永遠の住まい(R・B・カイパー)

ヘブル的ルーツ運動を検証する③ーー「マタイ25章の『愚かな娘たち』は日曜教会のことを指している。」エルシャダイ・ミニストリーズの教えについて

「置換神学の起源」---マーク・ビルツ師の教え(エルシャダイ・ミニストリーズ) 「マーク・ビルツ師の教えを聞けたことは本当に素晴らしいことでした。私たちは常に聖書は非常にユダヤ人的であり、イエスもユダヤ人であったことを覚えておく必要があります…

「アラム語優位性(Aramaic Primacy)とは何ですか?新約聖書は元々アラム語で書かれたのですか?」

ラムサ聖書 質問:「アラム語優位性とは何ですか?新約聖書は元々アラム語で書かれたのでしょうか?」

「註」から見えてくるもの

出典 「註が一個も付いていない論文がないわけではない。ただし、その場合、その論文に含まれている事実関係のデータはすべて自分で調査したものであり、議論の前提となる命題も、論証過程も結論もすべて自前のものでなければならない。 しかし、多くの場合…

組織神学の中における釈義の役割(D・A・カーソン、トリニティー神学校)【英文】

目次 序 問題の所在 釈義と解釈 釈義と歴史神学 釈義と聖書神学 釈義、組織神学、そして霊的経験 釈義、組織神学、そして説教 結論

暗闇の中での導き(by ジョン・マクダフ)

目次 暗闇の中での導き(ジョン・マクダフ) 詩篇27篇7-10節を歌い祈る

キリストの再臨に先立ち、イスラエルはリバイバルもしくは回復を経験するのでしょうか?(by D・A・カーソン、トリニティー神学校)

D.A. Carson, Will Israel experience a revival or restoration prior to Jesus' return?(拙訳) 「キリスト再臨の前に何らかの形でイスラエルはリバイバルもしくは神への回復を経験するのでしょうか?」という問いに関してですが、これは主としてローマ人…

「ヘブル的ルーツ運動(HRM)」を自称しないけれどもその影響下にある個人や諸団体をどのように識別することができるのでしょうか?

「ヘブル的ルーツ運動(HRM)」にはいろいろな〈顔〉があります。またいろいろな〈出入り口〉があります。それは敬虔さや優しさの裏にひっそり横たわっている場合もあれば、攻撃的で分派主義的一匹オオカミの牙となっている場合もあります。

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために③ーー「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」という教えの落とし穴(マーティン・コースラン)

「ヘブライ的イェシュア vs ギリシャ的イエス」ーーネヘミヤ・ゴードンは、「本当のイェシュアは、ギリシャ語新約聖書に描写されているような『イエス』ではなく、実際にはユダヤ教原始カライ派的人物であり、彼は、人々が(パリサイ人たちによる口伝的人間…

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために②ーー神学と哲学との関係についての諸類型(ミラード・エリクソン『キリスト教神学』)

「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」(トーラー遵守を強調する「ヘブル的ルーツ運動」団体The Way Biblical Fellowshipの教え) 目次 神学と哲学との関係についての諸類型(ミラード・エリクソン) 神学と哲学の間には全く関係がないとする立場 哲学は神学…

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために①ーー「ヘブライ的思考」「ギリシャ的思考」に関する考察(ミラード・エリクソン『キリスト教神学』)

「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」ーー代表的な「ヘブル的ルーツ運動」の団体119Ministriesの教えより Millard J. Erickson, Christian Theology, Part 5. Humanity, sec. 23. The Constitutional Nature of the Humanより(抄訳) 非常に重要かつ影響力…