巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

これは主が設けられた日である。この日を楽しみ喜ぼう。ーー古ローマ詠唱詩篇LXX117篇(Haec dies quam fecit Dominus)再訪

Basilica di Sant’Apollinare Nuovo、イタリア、ラヴェンナ(AD6世紀)出典 Αὕτη ἡ ἡμέρα ἣν ἐποίησεν ὁ κύριος ἀγαλλιασώμεθα καὶ εὐφρανθῶμεν ἐν αὐτῇ. これは、主が設けられた日である。この日を楽しみ喜ぼう.(詩篇LXX117:24)

受肉された慈悲深き主、光の光。ーー古ローマ詠唱(Incarnatum quoque, pie Domine;AD6世紀)再訪

ローマにあるビザンティン・モザイク画(Basilica of Santa Prassede in Rome)出典 光よりの光、まことの神よりのまことの神。 Φως εκ Φωτός, Θεόν αληθινόν εκ Θεού αληθινού. Lumen de Lumine, Deum verum de Deo vero. ニケア・コンスタンチノープル信条…

このような時に私たちが尻込みし、ただ黙って事態を傍観しているのなら。。(by マーク・ゴーリング神父)

Fr. Mark Goring, CC, If We Just Stand Back And Watch (拙訳) 米国の教会史において今ほど最悪の時期は存在しなかったのではないかと思います。今、忠実なるカトリック教徒たちの目に、3つの事柄が明らかになっていると思います。

ルターと自然法(by ティモシー・ゴードン)

Dr. Timothy Gordon, Ph.L., J.D., M.A. 目次 はじめにーー主意主義をめぐるカトリシズムとプロテスタンティズムの世界観の違い ルターは人間自由の擁護者なのだろうか? そもそも「プロテスタント自然法」というものは存在するのか否か ルター、唯名論、主…

〈寛容〉と〈非寛容〉について(by フルトン・シーン)

〈寛容〉は個々の人々に対してのみ適用され、決して真理に対し適用されてはならない。〈非寛容〉は真理に対してのみ適用され、決して個々の人々に対し適用されてはならない。〈寛容〉は誤りを犯している人々に対し適用され、〈非寛容〉は誤りに対し適用され…

Kyrie Eleison(主よ、あわれみたまえ)ーーゴシック詠唱の霊性から流れ出る魂の祈り

レンブラント・ファン・レイン作『放蕩息子の帰還*』1666-68年 エルミタージュ美術館 Kyrie Eleison(主よ、あわれみたまえ。) 0:00 ~ 1:55 Χριστέ Eλέησον (Hriste Eleison;キリストよ、あわれみたまえ。) 1:56 ~ 3:41 Kyrie Eleison (主よ、あわれみ…

信じることの苦しみ、そして希望

三人の忠実なカトリック弁証家が、「自分がもはや教皇フランシスコを擁護しなくなった理由」について率直に語り合っています。

喜べ、喜べ! インマヌエルがあなたのために生まれ給うた、イスラエルよ。(♪ Gaude! Gaude! Emmanuel, Nascetur pro te, Israel!)

出典 text: 9世紀のラテン語聖歌tune: 13世紀のフランス民謡、Zoltán Kodály (1882-1967) による編曲

ヱホバは稜威(みいづ)をきたまへり。ーー古ローマ詠唱詩篇LXX92篇(Dominus regnavit)再訪

Trompe l’oeil ceiling fresco by Andrea Pozzo.(出典) ヱホバは統治(すべおさめ)たまふ 。ヱホバは稜威(みいづ)をきたまへり。 ヱホバは能力(ちから)をころもとなし帶(おび)となしたまへり。 さればまた世界もかたくたちて動かさるることなし。詩…

「周縁化」される神と、人間の「義」による恐怖政治ーーファシスト霊性の現代復興

恐怖政治(la Terreur;18世紀フランス)出典 正教会ワールドで現在、「ベール駆逐論*1」を説いているキャサリーン・ケライディス女史は、同じ情熱を持って「専業主婦無用論」をも説いています。 *1:

教会の生ける聖像(icon)ーークリスチャン・ヴェールの神学的重要性について

出典 The Theological Significance of the Christian Veil(カトリックサイトVeils by Lilyより拙訳)

Addressing Assumptions About Headcovering: A Response to Katherine Kelaidis (by Jessica Roldan)

(The veil pictured above is from Robin Nest Lane) 目次 Prologue (はじめに) IS HEADCOVERING ABOUT MODESTY?(被り物というのは「慎み深さ」に関するもの?) IS HEADCOVERING RELATED TO A STRUGGLE FOR WOMEN’S RIGHTS?(被り物というのは「女性のた…

正教会ワールドで現在進行中の「ベール論争」についてーー個人的所感

出典 目次 ケライディス女史、口火を切る 新歴史主義的フェミニズム ギリシャ人正教徒が感じる白人改宗者たちへの違和感 「抑圧の象徴」としてのベール 例外その1ーーレザー・シャー・パフラヴィーのベール禁止令(1936年) 例外その2ーー反政府(武装…

トマス・アクィナスとトリエント公会議(by ブライアン・クロス、マウント・マースィー大学)

トリエント公会議(Concilium Tridentinum)は教皇パウルス3世 によって1545年3月15日にトリエント(現在のイタリア領トレント )で召集され、1563年12月4日にピウス4世のもとで第25総会を最後に終了したカトリック教会の公会議。(出典) …

兵士は何に対し闘うのか?(by ディートリッヒ・フォン・ヒルデブラント)

「キリストの兵士は罪および誤謬に対し闘わねばならない責務を負っている。反キリストに対する彼の戦いは、キリストに対する彼の愛、そして魂の救いに対する情熱により突き動かされている。 彼は道を踏み外してしまっている人々の救いのためにこの戦いを闘う…

正統性(正説)がオプショナルなものとなる時(by フランシス・J. ベックウィズ、ベイラー大学)

フランシス・J・ベックウィズ(元福音主義神学会会長、現ベイラー大学宗教学教授)testimony Francis J. Beckwith, Neuhaus’ Law and Beckwith’s Law(拙訳) キリスト教誌 First Things の創刊者である故リチャード・ノイハウスが次のような金言を遺してい…

振り返り

コマドリの巣(出典) 「福音が私たちになにかを教えるのだとしたら、まさに(あなたが被っている)その災難ーーそこにおいて恵みが起っている、ということではないかと思う。」 Jason Stellman, Misfit Faith: Confessions of a Drunk Ex-Pastor

兵士は何ゆえに闘うのか?(by G・K・チェスタトン)

激流(出典) 「あらゆる保守主義は、『物事をそのまま安置しておくならば、それは手つかずの状態でそこにとどまる』という思想を基盤にしている。しかし、実際にはそうではない。

天上的生との接触ーーグレゴリオ聖歌詩篇 LXX21篇(Deus, Deus meus)の中に現前される受難のキリスト

出典 「純粋に客観的な歴史というものを、われわれは理解することができない。われわれは歴史的対象との内的な、深い、神秘的な結合を必要とする。客体が歴史的であることだけが必要なのではない。主体も歴史的であることが必要である。

キリストの栄光あるからだとしての教会と宇宙(by オリヴィエ・クレマン、パリ聖セルギイ正教神学院)

終末論的な舟を象徴する聖堂の中央(中堂)は、ドームでおおわれている。このドームは、新たな創造、キリストによって創造主と結び付いた宇宙をあらわしている。(出典) 目次 著者について キリストの栄光あるからだーー真の再創造 正教会の宇宙論 神のエネ…

宇宙的典礼と人生の意味ーー東方教父聖マクシモスが遺した霊的遺産(7世紀)

「聖書のもつ謎やシンボルの意味は、神のことば(Λόγος)が受肉したという神秘のうちに全て含まれている。そればかりではない。知覚しうる限りの、可視的/不可視的被造物に隠されている意味も、この受肉という神秘のうちに含まれている。十字架や墓の神秘を…

「今日、我々が通らされている教会の危機は、主として、リトルジーの崩壊にその端を発していると私は確信している。」(by ヨーゼフ・ラッツィンガー)

リトルジーの崩壊(出典) 目次 ポピュラー音楽からの挑戦 礼拝ダンス Joseph Ratzinger, The Spirit of the Liturgy, 2000.(抄訳)

礼拝の沈黙(ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡「東方の光」より)

出典 ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡「東方の光」より抜粋(引用元) 礼拝の沈黙 それにもかかわらずこの神秘は、人が神の代わりに偶像を作るのを回避するために、絶えず覆い隠され静寂に覆われています。

天における讃歌ーービザンティン詠唱の霊性と神秘(詩篇LXX147篇)

出典 ああ再び、天的な舌の幻が、 色あせることのない栄光と共に燃え上がり、 火のごとく力強い御使いの合唱が、澄み渡った上天より鳴り響く。

創造主への讃歌ーー詩篇LXX103篇を歌う。

出典 「火には焔があり、神を讃えている。 風はその焔を燃え上がらせ、神を讃えている。

合法性と非合法性を判断する基準はどこに?ーープロテスタントの苦悶と叫び

合法的であること。非合法であること。(出典) 目次 リビング・ルームでの即興聖餐式 母教会の立場から見て、このシスマは正当化され得るのだろうか? 「ローマからの分離」の合法性/非合法性の問題に行き着く 教会法(canon law) ある超教派のミッション…

神の審判とキリストの御復活ーー古ローマ詠唱詩篇LXX75篇 (Terra tremuit et quievit)再訪

「なんぢ天より宣告をのりたまへり、、地はおそれて黙(もだ)したり。」LXX詩篇75篇(文語訳)出典

二つの伝統、一つの光

アグペヤの祈りを捧げるコプト教徒 「太陽の光線を、光の本体から分離することはできません。なぜなら、その一致と統一性は、光の流れが遮断されることを許さないからです。木から枝をへし折ってみなさい。折られた枝からはもはや芽が出てこれなくなります。…

剥がされた神秘ーーなぜカトリック女性のベール不着用により「パンドラの箱」が開かれてしまうのかについて

「キリストの現存ーー。それゆえに私たちはベールを被ります。」カトリック・サイトVeils by Lilyより 目次 はじめに シンボル観 祈りのベールを実践し始め、自分の内に起された変化 対等主義から相補主義への移行 バプテスマやユーカリストにおける「シンボ…

典礼の中に現前される永遠なるキリストーー古ローマ詠唱詩篇 LXX109篇(Dixit Dominus Domino meo)再訪

出典 汝に向かい、海原は荘厳な栄光をささげ、汝の御前にあって、深淵は黙し動かない。 V.N.ウトレネフ神父