巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2020-10-01から1ヶ月間の記事一覧

聖書神学は正教理解に有益!(by セラフィム・ハミルトン)【福音主義と東方正教の架け橋】

燃える柴(出エジプト記3章)。シナイ山のモーセとオディギートリアの三連祭壇画イコン。エジプトシナイ山、聖カテリーナ修道院蔵。出典 Seraphim Hamilton, Why Orthodoxy?, 2. The Scriptures come to life here. (拙訳) 聖書の無誤性に関し質問を受け…

おおすべてを超越しておられる汝よ!(ナジアンゾスの聖グレゴリオス『教理詩』)

出典 おおすべてを超越しておられる汝よ、他のいかなる名でお呼びできるというのでしょう。いかなる讃歌でもって汝のことを謳うことができるというのでしょう。

カッパドキア教父たちと三位一体論

カッパドキア三教父 4世紀のキリスト教世界を混乱させたアリウス派論争の収拾に大きな役割を果たし、ニカイア信仰の確立に尽くしたギリシア教父たち。大バシレイオス、その弟ニッサのグレゴリオス、両者の友人ナジアンゾスのグレゴリオスの3人で、すべて小…

共有された歴史の追憶と分裂の痛み、そして未来への希望――「宗教改革記念日」を前に

出典 目次 思索メモ1 思索メモ2 思索メモ3 思索メモ4 思索メモ5 思索メモ6

「大いなるしるし」(黙12:1)――乙女マリア、身体のよみがえり、グノーシス主義、男女のセクシュアリティー(by マシュー・ベーカー神父)

出典 Fr. Matthew Baker(♰2015), "A Great Sign" (Rev. 12:1): A Homily on the Dormition of the Theotokos, Aug.15, 2014(抄訳)生神女就寝祭の日に また、大いなるしるしが天に現れた。ひとりの女が太陽を着て、足の下に月を踏み、その頭に十二の星の冠…

穏やかな海を跳ねるイルカのごとく(by バトスのヘシュキオス)

さまざまな空想の妄から解き放たれた心は、それ自身の内に聖く神秘的な思念を生み出すようになるだろう。それはあたかも、穏やかなる海で、魚が跳ね上り、イルカたちがはね回るのを見るかのごとくある。 バトスのヘシュキオス*1 *1:シナイ・バトス修道院長の…

ロマニデス神学を再考する。〔その2〕(by セラフィム・ハミルトン)

質問者のコメント ハミルトン師の応答 アンチペルソナ主義(antipersonalism)――危険な教義 聖グレゴリオス・パラマスと、ロマニデスの描き出す〈パラマス像〉のギャップに驚く 東西の教父たちとギリシャ哲学 「聖書」と「教父文書」の間の区別を実質上、破…

正教に関し何を読んだらいいだろう。(by マシュー・ベーカー神父)

Fr. Matthew Baker (♰2015) on Reading Orthodox Material (拙訳) 現代神学者の中で一番無難なのはやはり、ゲオルギイ・フロロフスキイ(1893-1979)でしょう。正教界内に存在するあらゆるスペクトルにあって今日に至るまで、彼はどの陣営からも一…

私がヴェールを始めた理由(キャサリーンさんの証)+素敵なヴェール・ショップのご紹介

キャサリーン・タララスさんの証(聖キャサリーン教会 教区民) おすすめのヴェール・ショップ(海外篇) 礼拝中にヴェールがずれ落ちてこないようにするにはどうすればいい? 解決策その① ピンでとめる。/ あご下でゆるく結ぶ。 解決策その② ヴェール着用者…

ロマニデス神学を再考する(by セラフィム・ハミルトン)

Seraphim Hamilton, Rethinking Romanides, Apologia Pro Ortho Doxa(拙訳) 私は、イオアンネス・ロマニデスは正教神学に非常にネガティブな影響を及ぼしていると考えています。(少なくとも一般信徒レベルにおいて)。善意の人々がこれらの諸思想を吸収し…

時――永遠をあらわすイコン(by セラフィム・ハミルトン)

Seraphim Hamilton, Why Orthodoxy? 4. Orthodox theology is beautiful and useful.(拙訳) 〔アンチ・カトリックではないにも拘らず〕依然としてなぜ私がローマ・カトリックでないのか、をここで説明できるように思います。聖書、教会史および哲学的神学…

彼がなにかを叫んでいる。

彼がなにかを叫んでいる。一生懸命なにかを訴えかけている。 彼は伝統を尊守しようとしている。ある人は彼のことを現代のアタナシオスと呼び、別のある人は、彼のことを分離主義者、ファンダメンタリストと呼ぶ。なぜ彼はその〈場所〉にいるのだろう。何が彼…

キリスト論的無誤性(by セラフィム・ハミルトン)

目次 聖書論とキリスト論 神的エネルゲイアーー「ロゴイ(logoi )」 シネルギア(協働;synergy)に関する正教理解 神のエネルゲイアと終末(eschaton) 聖書の霊感 聖書の歴史的信憑性 第一番目の欠陥――神の包括的摂理に関する理解不足 第二番目の欠陥――万…

聖書のアレゴリカル(寓意的)な解釈?(by ジョン・ホワイトフォード神父)

Fr. John Whiteford, Allegorical Interepretations of Scripture?, Orthodox Christianity, 2015(拙訳) 最近、当該サイトにおいて、私たちはジョン・A・ペック神父「聖書における四通りの意味(The Four Senses of Scripture)」という記事を掲載しまし…

魂〔花嫁〕の憧憬(by ニュッサの聖グレゴリオス、『雅歌注解』)

1 わたしは夜、床の上で、わが魂の愛する者をたずねた。わたしは彼をたずねたが、見つからなかった。わたしは彼を呼んだが、答がなかった。 2 「わたしは今起きて、町をまわり歩き、街路や広場で、わが魂の愛する者をたずねよう」と、彼をたずねたが、見つか…

キリスト教界の弁証家たちよ、お互いフェアプレー精神で行こう!(by マイケル・ロフトン)

Micahel Lofton, A Call to Use Equal Weights, Reason and Theology, 2019.(拙訳) 「偽りの天秤を主は厭い、十全なおもり石を喜ばれる。」箴言11章1節聖書はしばし、商いにおいて私たちが均等なおもりや測定器を使用する必要性について語っています。…

ユーカリストの犠牲的性質、プロテスタント諸反論、現代カトリック祭司制危機(by ローレンス・ファインゴールド、ケンリック・グレンノン神学校)

目次 ミサの犠牲に対するルター及びカルヴァンの諸反論 ルターのミサ理解 ①サクラメント定義からの議論 ②「ミサにおける犠牲というのは、毎回のミサの中で繰り返しキリストが殺されるということを意味している」という反論について ③「ユーカリストは犠牲と…

ユダヤ的慣習の継承――正統マリア教義の「ヘブル的ルーツ」について(by テーラー・マーシャル師)

未信者⇒プロテスタント・カリスマ派⇒長老派神学校⇒保守聖公会司祭⇒ローマ・カトリックへと霊的旅路をたどったテーラー・マーシャル師の証からの抜粋です。(引用元)

私の祈りを御前に立ち昇る香りとし(♪Да исправится mолитва моя)【LXX 詩篇140篇、教会スラブ語】

出典 祈り始めたその瞬間から、あなたは心を天の方に向け、 あなたの目を下に向けなさい。あなたの心の最芯奥において 汝自身を集中せしめ、天におられるあなたの御父に秘めやかに祈りなさい。 ペルシャの賢者アフラハト(Aphrahat the Persian、4世紀)

アレルヤ、喜び歌おう(♪Alleluia; Venite exultemus)【詩篇94篇、古ローマ詠唱】

イタリア、ローマ www.youtube.com "Alleluia; venite exultemus Domino iubilemus Deo salutari nostro. Praeoccupemus faciem eius in confessione et in psalmis iubilemus ei."(ラテン語ウルガタ訳) アレルヤ。さあ、われらは主にむかって歌い、われら…

「ヘブル的視点」と東方正教の架け橋

祭壇(出典) 架け橋づくり 「ヘブル的視点」の世界分断 必須条件1)背教ナラティブ 必須条件2)‟不可視的なもの”としてのプロテスタント教会論 必須条件3)「五つのソラ」+「ディスペンセーション主義」 さらなる考察のために 「ヘブル的視点」とディス…

新旧約の啓示の連続性/非連続性・漸進性・有機的一体性に関する「改革派神学」「ディスペンセーション主義神学」「正教神学」の比較対照〔J・トレンハム長司祭に質問してみました!〕

2018年7月25日付記事の再掲載 赤組と白組のリレー競走(出典) 目次 赤組と白組の論争 モルモン教陣営内の場合 福音主義陣営内の場合 でも両方とも間違っているとしたら、、その場合はどうなる? レフリーを探すぞぉ~! ジョサイア・トレンハム神父 …

ディスペンセーション主義者を理解する (by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大学、新約学)

Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists, Westminster Theological Seminary, PA, 1986(インターネットにて公開) 著者紹介 はじめに 用語定義・聖書の歴史的形態・ジョン・N・ダービーについて スコフィールドのディスペンセーション…

思索と内省と

「聖ユスティン・ポポヴィッチは言う。――神学理論というものは、その理論の〈体験〉をまず第一に必要としている。それ無しの単なる理論は、偽装した無知蒙昧に他ならない。」 ある隠遁士がこう言った。その瞬間、わが心に光が射し、私は自分の愚かさの真実を…