巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2016-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ケファレー(かしら、"head")をめぐるジェンダー論争―福音主義フェミニズムに対する応答②:Mickelsen氏の論に対する反証〔英文〕

Wayne Grudem, "The Meaning of Kephale (“Head”, κεφαλη): A Response to Recent Studies", in Recovering Biblical Manhood and Womanhood, A Response to Evangelical Feminism, Appendix 1 目次 A. “The Septuagint Argument”: 16 instances B. Other Me…

アンチノミアニズム(無律法主義)②-知られざるその脅威

Finny Kuruvilla, King Jesus Claims His Church, Anchor-Cross Publishing, Massachusetts, 2013, p107-108より一部引用 執筆者:F・クルヴィラ師 現在、キリスト教界の中で猛威をふるっている恐ろしい異端の存在に、ほとんどの人は気づいていません。この…

アンチノミアニズム(無律法主義)①-6つの類型

Antinomianism (Japanese) | Grace Valley Christian Centerより一部引用 執筆者:P・G・マシュー師 「Concise Theology」(『聖書教理がわかる94章』篠原明訳)という本の中で J. I.パッカーは、アンチノミアニズム異端をいくつかのタイプに分類している。…

終末論(Eschatology)に関する有益な文献・資料紹介――1)歴史的前千年王国説 2)無千年王国説

目次 はじめにーー千年王国諸説に関する私の基本的姿勢について 1.歴史的前千年王国説(Historic Premillennialism) a. 著作 b. ウェブサイトおよびPDF文書〔英・日〕 2.無千年王国説(Amillennialism) a. 著作 b. ウェブサイトおよびPDF文書〔英文〕 …

進むべき道が分からなくなり、行き迷う巡礼者のせつなる祈りー詩篇25篇の黙想と祈りと歌

「主よ。私のたましいは、あなたを仰いでいます。 あなたの道を私に知らせ、あなたの小道を私に教えてください。あなたの真理のうちに私を導き、私を教えてください。 私に御顔を向け、私をあわれんでください。私はただひとりで、悩んでいます。私の心の苦…

宗教改革者たちの叫び(3)ーヤン・フス(15世紀、ボヘミヤ)

(処刑前に) ああ、わが貧しき肉塊を死に引きずってゆけ。 私は、全能の神とわが主イエス・キリストに信頼す。 この方は、私を贖い、 召してくださった。 ーそう、この息が絶える最後の瞬間まで 主の福音を宣べ伝えるべく。 ヤン・フス(1372-1415…

人間性の悲劇(三谷隆正)

史家フライタークは、ルターの生涯を評して言う。「ルターの生涯もまた之を大観する時、すべての偉人のそれと同じように、全体として深刻なる悲劇的感銘を与える」と。 フライタークによれば、歴史的偉人にしてほぼその使命をつくすに近いだけの寿命を全うし…

教会内での分裂を避けるためにも、ジェンダー問題には「あまり目くじらを立てない。」-そういう方向でいった方が良いのではないかと思うのですが、どうでしょうか。

John Piper and Wayne Grudem, 50 Crucial Questions About Manhood and Womanhood | Desiring God, 2016 (前の記事からのつづきです。) Q. 、、それと同様、現在、教会内での男性・女性の役割をめぐって、キリスト教界に甚大な意見の不一致があります。で…

宗教改革者たちの叫び(2)-マルティン・ルター

私は聖書からの証明、あるいは明瞭かつ明白な理由や議論によって、確信させられない限り、何も取り消すことはできないし、取り消そうとも思わない。 なぜなら、良心に背いて為すことは、安全でなく賢明でもないからだ。我、ここに立つ。私はこうするより他な…

現在、教会でホットな議論をかもしだしているジェンダー関連の聖句などはなるだけ「そっとしておく。」-それが目下、賢明な策だと思うのですが、どうでしょうか。

John Piper and Wayne Grudem, 50 Crucial Questions About Manhood and Womanhood | Desiring God, 2016 Q. ある一群の聖句が、かなりホットな議論をかもしだしているのなら、そういった聖句が「聖書的男性像・女性像」に対する自分たちの見方にあまり深刻…

ケファレー(かしら, head)をめぐるジェンダー論争ー福音主義フェミニズムに対する応答①:1985年以降に出された諸論文〔英文〕

今日、単に「アカデミックな推論に過ぎない」とみなされているものが、明日には、諸国の軍隊を動かし、帝国を投げ倒すようになるのである。 ージョン・G・メイチェン(1881-1937) Wayne Grudem, "The Meaning of Kephale (“Head”, κεφαλη): A Resp…

エペソ5:23「夫は妻のかしらである」という箇所の「かしら」という語は、「源 "source"」という意味だと聞きましたが、それは本当ですか?

John Piper and Wayne Grudem, 50 Crucial Questions About Manhood and Womanhood | Desiring God, 2016 Q. エペソ5:23「夫は妻のかしらである」という箇所の「かしら」という語は、「源(“source”)」という意味だと言っている学者たちがいます。もし…

娘が旅をつづけていると、

娘が旅をつづけていると 人づてに、「旧友の J が M 村に越してきたから そこを訪れるように」と知らせが入った。 そこで娘は足取りかるく、きびすを返し、 M村へつづく路をてくてく歩いて行った。 でも、行けども行けども、村は見えてこない。

なぜ1コリント11章の「被り物(Head covering)」は、ユダヤ人の慣習ではなかったのか。

執筆者:ジェレミー・ガーディナー師(カナダ) 1コリント11章で、使徒パウロは、女性たちが祈りや預言をする際に、被り物(祈りのベール)をかぶるよう命じています。しかしこう言ったときに、まず来る反論というのが、「いいえ、パウロはあくまでその当…

「女性」と「ミニストリ―」と「神のことば」と「私」ー包み隠しのない真実の告白

制御され ととのえられた力には 心を落ち着かせるなにかがある 海岸線に打ちよせる波 暖炉のなかで パチパチと燃える薪 これが 柔和さというものだろうか、、 制御され ととのえられたところに存在する力。 自制。御霊の中にある慎み。 この美しさを 私はい…

ちいさな鹿ちゃん

ちいさな鹿ちゃん、あなたはそんなところに ひとりたたずんでいるけど、 自分の場所をちゃんと知ってる。 お父さまの定めた領域とこころを ちゃんと知ってる。 だから、喜びいっぱい、 全地をかけめぐることができる。 でも私は、自分の場所がわからない。 …

聖書の無誤性についてのシカゴ声明(The Chicago Statement on Biblical Inerrancy, 1978)

目次 聖書の無誤性についてのシカゴ声明 序文 聖書の無誤性に関するシカゴ声明 主張と否定の諸条項 【補足資料】無誤性と聖書信仰――(鞭木由行師『聖書信仰とその諸問題』より抜粋) 無誤性は決して新しい教理ではない (1)神論と無誤性 (2)キリスト論…

このブログを開くに至ったいきさつ(証し)

みなさん、こんにちは。まず、このブログを開くに至ったいきさつについてお話させてください。私は福音信仰に立つプロテスタント教会に通う30代の女性で、2014年より「地の果てまで福音を」というブログを書いています。 内容としては信仰詩や祈りの翻…

古い十字架と新しい十字架(A・W・トーザー)

A.W. Tozer, The Old Cross and the New 古い十字架と新しい十字架(A・W・トーザー)抄訳 まったく予告もなく、しかも至ってひそやかに、「新しい十字架」が導入されるようになった。そう、今人気のある福音主義教会内にである。これは従来の古い十字架と似…

損失の、われらに臨む時。(内村鑑三)

だから、兄弟たちよ。主の来臨の時まで耐え忍びなさい。見よ、農夫は、地の尊い実りを、前の雨と後の雨とがあるまで、耐え忍んで待っている。あなたがたも、主の来臨が近づいているから、耐え忍びなさい。心を強くしていなさい。(ヤコブ書5:7-8) 一友…

スコットランド詩篇歌71篇14-19節を歌い、黙想する。

(下をクリックすると歌を聴くことができます。) Ps 71 v 14-19 Stracathro by Niallags | Niall Maclennan | Free Listening on SoundCloud The Scottish Metrical Psalter (1650) Psalm 71:14-19 14 But I with expectation will hope continually; And ye…

マルティン・ルターと詩篇

静寂な調べに合わせ、人間の心にやさしさと力強さをもって流れ込んでくる詩篇歌(Psalmody)は、天の都をめざす巡礼者の「旅の歌」としてまことにふさわしいものだと思います。 マルティン・ルターは、1528年に、「詩篇への序言」を記していますが、それ…

人間のささやかな哲理は、汝から洩れてくる木漏れ日にすぎません。(アルフレッド・テニソンの信仰詩)

Our little systems have their day; They have their day and cease to be: They are but broken lights of thee, And thou, O Lord, art more than they. 私たちのささやかな哲理が、時としてもて囃(はや)されます。 確かに、もて囃されはしますが、たち…

疑問あり、煩悶ある時。(内村鑑三)

主をほめたたえよ。わが魂よ。主をほめたたえよ。わたしは生けるかぎりは主をほめたたえ、ながらえる間は、わが神をほめうたおう。もろもろの君に信頼してはならない。人の子に信頼してはならない。彼らには助けがない。その息が出ていけば彼は土に帰る。そ…

1650年版 詩篇歌へのピューリタン序文(Puritan Preface to the 1650 Psalter)〔英文〕

Psalms of David in Metre Puritan Preface to the 1650 Psalter The following appeared as a preface to an edition of the Scottish Psalter (“The Psalms of David in meeter”) printed by Thomas Parkhurst in London in 1673 (also in 1688 and 1700, …

宗教改革者たちの叫び(1)ージャン・カルヴァン

忠犬は、主人が何者かに攻撃されたら、吠える。 もし、神の真理が攻撃にさらされているのを見ながら、 尚も自分が沈黙を保ち続けているのだとするなら、 私は臆病者である。 ―ジャン・カルヴァン(1509-1564)

人生に於いて一番貴い事(三谷隆正)

人生に於いて一番貴い事は、正直である事、誠実真摯、真理を追うて倦まないこと、自己一個に屈託しない事である。 道の為めの勇猛心、それにも勝って立派な力強い堂々たる偉観があらうか。 「もはや我活けるに非ず。キリスト我に在りて活けるなり。」さう謂…

「自然(nature, physis)」という用語の問題性

苫小牧福音教会 水草牧師の論稿「『自然』という用語の問題性」より 数年前から考えている「自然」ということばの問題性について。 「神・人・自然」というふうに、神と世界を把握する表現がある。神は人をご自分の似姿として作り、自然を治めさせることにな…

【特別寄稿】戦後 70 年、荒野で叫ぶ者の声(宣教師訓練センター 石野 博師)

8 月 15 日は私たちの国にとって非常に意義深い日であることは誰もが否定しない。先の大戦が終わってすでに 70 年が経つ。 思えばイスラエルの民のバビロン捕囚の期間も 70 年だった。 来る終戦記念 日で 71 回目を数えるが、この日、この国の霊的捕囚のよう…

その時代を生きる預言者というのは、神によって完全に受け入れられる一方、人からは全く拒絶される存在である。(レオナルド・ラーベンヒル)

その時代を生きる預言者というのは、 神によって完全に受け入れられる一方、 人からは全く拒絶される存在である。 彼らは、危機的な時代に 神によって備えられし緊急人(emergency men)である。そして、そういった預言者の払うべき代価― それは、彼が孤独の…