巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

キリスト教会の大惨事―この世への迎合精神について

『共通祈禱(Common Prayer)』それとも筋書き通りの政治?(by カール・R・トゥルーマン、ウェストミンスター神学校歴史神学)【米国聖公会とジェンダー包括語問題】

「現時点ですでに人々は、『人間』に関するジェンダー用語を勝手に書き変える大胆不敵さを持っているのですから、今後は『神』に関するジェンダー用語さえも書き変えていくーーそういう大胆不敵さをも近い将来、発揮していくことになるのではないでしょうか…

聖公会の混乱(聖公会首座主教会議より)【ジェンダー・フェミニズム問題】

2018年4月19日(出典) 「正説がオプショナルなものになる処では、正説は遅かれ早かれ人々の間から追放・排斥されていくようになるだろう。"Where orthodoxy is optional, orthodoxy will sooner or later be proscribed."」by 故リチャード・ジョン…

福音主義が直面している三重の脅威(by ロバート・アラカキ、東方正教会)

出典 執筆者:Robert K. Arakaki, ハワイ生まれ。ゴードン・コーンウェル神学大(M.Div.)、バークレーGraduate Theological Union(Ph.D.)。教役者として所属教団United Church of Christの急速なリベラル化傾斜に必死に抗す。激しい苦悶の末、新教内部で…

教会政治とジェンダー論ーー女性教職を認めるべきか?(ウェイン・グルーデム著『組織神学』第47章)後篇【さまざまな反論に対する応答】

困ったなぁ~。どうしよう。 目次 はじめに 反論の実例 ①「ジェンダーではなく賜物によってミニストリーは決定されるべきです。」 ②「神様が女性である私を真実に牧師に召してくださいました。」 ③「新約聖書はしもべとしてのリーダーシップを重んじています…

教会政治とジェンダー論ーー女性教職を認めるべきか?(ウェイン・グルーデム著『組織神学』第47章)前篇

ウェイン・グルーデム(1948~)過去20年間に渡り、イリノイ州にあるトリニティー神学校で教鞭を取った後、現フェニックス神学校教授。ハーバード大(B.A.)、ウェストミンスター神学校(M.Div.)、ケンブリッジ大(Ph.D.)1998-1999年にかけ、Evangel…

かしらの聖域

アトス山、シモノペトラ修道院、13世紀創設(出典) 目次 アトス山修道院群 ウラノポリにて 男のかしらはキリスト、女のかしらは男、そしてキリストのかしらは神 天的/地上的かしらの聖域 おわりにーー全てはつながっている

21世紀におけるキリスト教の形態(by ジェームズ・K・A・スミス)【ポスト近代と福音宣教その③】

教会で祈る若者(出典) James K.A. Smith, Beyond Atheism: Postmodernity and the Future of God(2010年10月カナダ、オタワ大学での特別講義。音声書き起こし。) 真正なるポストモダン的信仰表現は、今後、非常に個別的かつ具体的なものになってい…

「高教会的」カルヴィニズムは可能か?ーーフィリップ・シャフ、ジョン・ネヴィンのマーサーズバーグ神学の試みに対する東方正教会の批評

ジャン・カルヴァン(出典) 目次 マーサーズバーグ神学に対する新たなる関心と復興 オランダ改革派とドイツ改革派の性格の違い マーサーズバーグ神学の特徴 聖餐における実在の教義の回復 低教会プロテスタンティズムに対する矯正 ネヴィンの当惑 行き過ぎ…

置き換えられた「サクラメント」ーー元賛美リーダーによる過去30年の振り返りと自省の記録

出典 目次 置き換えられた「サクラメント」(by レス・ラムキン) ユーカリスト的に機能するプレイズ&ワーシップ?? 教会の中に生じた「好み文化」 ワーシップ・ソングとロックンロールーー感情の ‟質” は違うのだろうか? もしも過去に戻ることができるの…

Liturgicalな空間が映し出す美しい男女の役割ーー世俗ジェンダー文化への〈対抗文化造形〉としてのキリスト教礼拝

こういった光景は、教会の子どもたちの目にどのように映っているのだろう?(出典) 目次 子どもたちを「造形」する世俗ジェンダー教育と現代教会の迎合 一つの時代の幕切れ

人生のどん底にいるクリスチャンは何を歌えるのか?(by カール・トゥルーマン)

Carl R. Truman,‘What Can Miserable Christians Sing?’ in The Wages of Spin: Critical Writings on Historical and Contemporary Evangelicalism (Christian Focus: 2004) pp. 158-160(抄訳) 過去においても現代においてもキリスト教礼拝の中で欠けてき…

なぜ若者たちは伝統的 Liturgy を求めているのか?(by グレーシー・オームステッド)

Liturgy(典礼、礼拝、聖体礼儀) 目次 伝統諸教会に向かう若者たちーーポストモダン時代の根幹 バート・ギングリッジの場合 ジェッセ・コーンの場合 ジェイソン・スティールマンの場合 困難を伴う決断 プロテスタント諸教会の対応 サクラメント的なものに対…

世俗の時代とは何だろう?そして私たちクリスチャンはどのように生きていけばいいのだろう?(by ジェームス・K・A・スミス)

主よ、なにをどのように信じていったらいいのか教えてください。(出典) 目次 はじめにーー世俗の時代とは? 講義の内容

福音主義者たちによる福音主義者たちのためのシカゴ・コール(1977)ーー歴史的ルーツと連続性への呼びかけ

失ってきた遺産を再訪する旅に出かけよう。(写真) 1977年5月、45人の福音主義指導者たちが米国シカゴに集まり、自分たちの過去の歩みを冷静に振り返った上で、「シカゴ・コール」と言われる声明を発表し、福音主義教会の、歴史的キリスト教への回帰…

根無し草

上は、ロシア正教会の奉神礼/典礼のビデオなのですが、これを観ていただくと、信徒たちで構成された聖歌隊が歌っています。エヴァンジェリカル教会の賛美チームの配置(通常、ステージ前方)とは違い、ロシア正教会の信徒聖歌隊は、会堂二階の後方におり、…

この道の行きつくところーー三人の女性の物語【フェミニズムとキリスト教世界観】

(出典) 目次 はじめに メアリー・デイリーの物語(カトリック出身) 女性の革命 父なる神を「超えて」 ローズマリー・R・リューサーの物語(リベラル左派) 影の薄い父親 最初の葛藤 メキシコ系アメリカ人女性との出会い 政治的アクティビストへの道 女神…

二つの深淵ーー「放縦主義」と「ユダヤ主義」の狭間を歩むキリスト者のけわしい道

振り子は右から左、あるいは左から右へと振り切れやすいものです。私は元来、白黒はっきりさせたいタイプの人間であるため、他の人以上に「振り切れ」の潜在的危険性を持っています。そして忍耐深く憐れみに富んだ主は、さまざまな形で私のそういった弱点を…

CCMロック問題のルーツ:福音主義の腐敗化に重大な役割を果たしたピーター・ドラッカーの経営学理論とメガチャーチ(by アラン・ローバック)

↑サドルバック・ワーシップ・チャンネル 「ワーシップは、歌のスタイルや音量やスピード云々をまったく問題にしていません。神様はあらゆる種類の音楽を愛しておられます。なぜなら、神様がそれらすべてをお造りになられたからです。早いテンポの賛美、遅い…

ある中東圏改宗者の苦悩の告白「私がキリスト教会を去ることにした理由」ーーCCMロック礼拝が中東宣教にもたらしている破壊的影響について

出典 少し前に実際に起こった出来事です。ある場所で中東ミッションを行なっている保守的な福音主義宣教団体で主任ディレクターの入れ替えがありました。 そしてこのディレクターの就任と共に、主日礼拝の中にCCMロックが初めて導入されました。そしてそ…

クリスチャン・エンターテイメント――福音主義教会の問題(by A・W・トーザー)

Ⅱテモテ3:4b-5 「神よりも快楽を愛する者、信心深い様子をしながらその実を捨てる者となるであろう。こうした人々を避けなさい。」 クリスチャン・エンターテイメントは、完膚なきまで教会を汚染し尽くしているため、何百万という人はもはやそれが異端…

マルクス主義/フェミニズムとキリスト教世界観(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

1920年7月、第2回コミンテルン大会(ペトログラードにて) 目次 マルクス主義とフェミニズム 贖罪プログラムに関し、彼らが提示しているもの 偽造化(Counterfeiting) マルクス主義者およびフェミニストの聖書批評 非人格主義的世界観(Impersonalisti…

多元主義と相対主義(by R・C・スプロール)

目次 高い仕切り壁 「多数から一つへ」から「多数から多数へ」 進化思想の興隆ーー19世紀 「進化」から「相対性」へーー20世紀 教会の中の多元主義 多元主義:キリスト教のアンチテーゼ 相対主義と中絶問題 誰が中絶する権利を与えているのでしょうか? …

ロックンローラーたちにハイジャックされたキリスト教会【音楽の領域における惑わし】

はじめに 考察テーマ① ロック礼拝と偽教理 考察テーマ② ロック賛美と肉体の動き――Beat Anticipationのもたらす効果―― 考察テーマ③ ロックと脳内ベータ波――脳神経学的観点から―― ロックの根本哲学――Do What Thou Wilt(何であれあなたが欲するように為せ) ロ…

「求道者にやさしい(Seeker-sensitive)」礼拝とプラグマティズム(by R・C・スプロール)

目次 プラグマティズム 関連記事および資料 プラグマティズムとマーケティング(ピーター・ドラッカーの経営学原理とSeeker sensitive教会) 補足:プラグマティズム前期の歴史 www.ligonier.org プラグマティズム アメリカ文化を形成してきた大半の諸哲学は…

さいわいなる不適応者たち――聖書的分離と敬拝(by A・W・トーザー)

目次 さいわいなる不適応者たち! 十字架抜きのキリスト教 驚嘆に満ちた崇敬 聖徒は孤独な道を歩まなければならない さいわいなる不適応者たち! A.W. Tozer, Blessed Maladjustment!(全訳) 今日の悲劇は、福音教会が、数的なものによって混乱させられ、ま…

なぜキリスト教会の要塞に破れがあるのか?――福音主義フェミニズム前進を支える二大同盟者たち(by ウェイン・グルーデム)

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chap.14 ① 同盟者その1――世俗文化 ② 同盟者その2――臆病な牧師たち ① 同盟者その1――世俗文化 対等主義(egalitarianism)は、キリスト教諸機関に影響力を及ぼそうとしていますが、その際、対等主…

聖書の権威を放棄する秘かなる10の道すじについて(by D・A・カーソン)

D.A. Carson’s “Subtle Ways to Abandon the Authority of Scripture” (here) 訳者はしがき この記事は、2016年5月に、オハイオ州クリ―ヴランドでなされたD・A・カーソンの講義録です。要約筆記者は、ライアン・ウェルシュ氏です。 D.A.Carson この講義…

健全な教理の重要性(by A・W・トーザー)

A.W. Tozer, The Importance of Sound Doctrine(全訳) キリスト者生活の中において、どれほど健全な教えが重要かということについては、これを強調してもしすぎることはないと思う。もし私たちが「正しい生き方」を志すなら、あらゆる霊的な事柄に関する「…

イマージング運動――昔風のリベラリズム(by ボブ・デウェイ)【後篇】

〔前篇〕からの続きです。 目次 オーソ・パラドクシー:逆説と矛盾の受容 結語 Ideas Have Consequences: A Partial Paraphrase and Review of Modern Fascism by Gene Edward Veith Back to Nature Martin Heidegger the Fascist The Rejection of the Valu…

「イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。」(by ジョン・マッカーサー&フィル・ジョンソン)【その2】

【その1】からのつづきです。 Seeker Sensitive Churches(「求道者にやさしい」教会) フィル・ジョンソン:教会史をみても、こういった「文化を聖別しよう」という発想は、各世代に存在していたように思われます。 つまり、教会の中の一角に、「この世の…