巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2018-06-01から1ヶ月間の記事一覧

キリストの内にある民族間の真の和解ーーユダヤ人に主の愛を伝える元イラン革命防衛隊員ハンス兄の近況

出典 先週、元イラン革命防衛隊員ハンス兄の証しを掲載しましたが(ココ)、その後、彼から私たちに連絡があり、昨晩、電話でお話をうかがいました。

「個」という自由、そして「個」という監獄ーープロテスタンティズムと聖書解釈

「最終的に大切なのは、どの宗派/教派の教会が正しいのかではなく、各個人が神の前にいかにあるかということである。」 私はこれまで上記のような教会論に希望を託してきました。そして現在でもこういった意見は妥当なのではないかと思っています。しかし最…

転向すべきか留まるべきか?ーー私が東方正教会に接近しながらも結局「越境」には至らなかった理由【あるプロテスタント教会牧師の葛藤と内的相剋の記録】

「〈堅実〉という名の頑迷/錯誤があり、そうかと思えば〈柔軟〉という名の迎合/狡猾もある。この世界で信仰者として生きるっていろいろむずかしいね。」 「うん。そうだね。ボクたちどうしたらいいんだろね。」 目次 ある著書との出会い 正教の信仰に関心…

レフリーはどこに?ーープロテスタンティズムと権威の所在

目次 プロテスタンティズムと権威の所在 「誰が」その結論に権威を付与しているのだろう?

教会政治とジェンダー論ーー女性教職を認めるべきか?(ウェイン・グルーデム著『組織神学』第47章)後篇【さまざまな反論に対する応答】

困ったなぁ~。どうしよう。 目次 はじめに 反論の実例 ①「ジェンダーではなく賜物によってミニストリーは決定されるべきです。」 ②「神様が女性である私を真実に牧師に召してくださいました。」 ③「新約聖書はしもべとしてのリーダーシップを重んじています…

教会政治とジェンダー論ーー女性教職を認めるべきか?(ウェイン・グルーデム著『組織神学』第47章)前篇

ウェイン・グルーデム(1948~)過去20年間に渡り、イリノイ州にあるトリニティー神学校で教鞭を取った後、現フェニックス神学校教授。ハーバード大(B.A.)、ウェストミンスター神学校(M.Div.)、ケンブリッジ大(Ph.D.)1998-1999年にかけ、Evangel…

イスラーム伝道、女性、ジェンダー論ーー新世代の中東女性たちへの愛の働きかけとキリスト教弁証

出典 目次 楽しい語らい 存在論から三位一体論へ おわりにーー寄り添い、一緒に歩いていく

どんなに世が変わり、諸教会の教えが変わっても。ーー居場所を失いつつあるわが兄弟たちに捧げる詞

出典 どんなに世が変わり、 諸教会の教えが変わっても、 私は、わが兄弟たちと共に 古(いにしえ)のかしら像を見上げ そこにとどまり続けたいと思う。

「宗教は嫌いだけど、イエスは好き。」ーー〈宗教〉vs〈イエス〉という二分法と現代マルキオン主義グノーシス思想についての考察

目次 大ヒットのビデオ「なぜ宗教は嫌いだけどイエスは好きなのか」 Religionという言葉はいつ頃からキリスト教会の中で敵対視されるようになったのか? バロン司教の分析 現代マルキオン主義グノーシス思想のエヴァンジェリカル界台頭

あなたはあなたの体以上の大切な存在。ーー若い女性のみなさんへ(by アンナ・S)【こころと体と服】

出典 Anna S, My Modest Clothes-My Armour by Beautiful Womanhood.org(全訳) これは私の個人的な証しです。私はシングル・マザーの家庭に生まれました。父親は一度も姿を現したことがなく、もちろん経済的に助けてもくれなかったので、母は残業して家計…

私たちプロテスタントの歴史観には欠陥があるのだろうか?ーー宣教学者ラルフ・D・ウィンター氏のBOBO理論に関する考察

歴史の見方をどうするか。(出典) フラー神学校の教授であり著名な宣教学者であった故ラルフ・D・ウィンター氏(1924-2009、長老派)は、多くの福音主義クリスチャンが、「使徒時代直後に〔真理の光が〕またたく間に消え(“Blinked-Out”)、その後…

神はご自身の民、ユダヤ人を拒まれたのだろうか?(by カリストス・ウェア府主教)

モーセと十戒(レンブラント作、1659)出典 目次 説教(カリストス・ウェア府主教) ユダヤ人との和解ーー元イラン革命防衛隊員ハンス兄の証し

パウロにおけるイエス・キリストのピスティスの意義ーーロマ 3 : 22、26 ; ガラ 2 : 16 ; 3 : 22 ; フィリ 3 : 9 の釈義的考察(原口尚彰氏論文)【「イエス・キリストの信実」/主格的属格説】

目次 はじめに I. 語学的考察 1. πίστις の語義 2. πίστις に係る属格表現 2.1 事物を表す名詞の属格 2.2 人格的存在を表す名詞の属格 2.2.1 神的存在を表す名詞の属格 2.2.2 人間を表す名詞の属格 2.2.3 イエス・キリストを表す名詞の属格 II. 釈義的考察 1…

“Faith” と “Faithfulness” (D・A・カーソン師)【「イエス・キリストへの信仰」/目的格的属格説】

D・A・カーソン(トリニティー神学校、新約学) 「信仰と従順は相反していません。両者はまさに互いに属し合っています。実際、多くの場合において、‘faith’という語自体、‘faithfulness’と適切に訳すことが可能であり、この点を主張しているわけです。」 …

新約聖書ガラテヤ書 2:16 およびローマ書 3:22 における "πίστις Ἰησοῦ Χριστοῦ"の日本語翻訳検証(関智征氏論文)【「イエス・キリストの信」/主格的属格説】

出典 目次 はじめに 1.語義、文法、および解釈史の考察 1.1. 語義的考察 a) 古典ギリシャ世界での語義 b) 旧約聖書(七十人訳聖書)の語義 c) 初期ユダヤ教文献における語義 1.2 文法的考察 1.3. 解釈史 a) 伝統的な解釈 b) 主語的解釈の主張 c) faith in …

パウロ書簡における"πίστις Ἰησοῦ Χριστοῦ"(ピスティス イエスー クリストゥー)の諸解釈ーー主語的属格にとるか、目的語的属格にとるかを巡って【パウロの信仰義認論の解釈】

目次 はじめに あぁ困った!一体どちらが ‟伝統的” 解釈でどちらが ‟新” 解釈なのか分からなくなった。

安定しない魂、揺らぐ世界、そして堅固なる岩

出典 人は誰しも自分の住む世界や関係性に安定を求めているのではないかと思います。 しかし悲しいかな、人生にはしばしそれとは逆のことが起こります。安定せずガタガタいう椅子、心もとなく空を漂う浮き雲。きしみ、揺れる大地ーー。万全を期し、事前対策…

苦しみの中にある喜び(by ジョン・マクダフ)

苦しみや失望という濃い夜露があなたの周り一面に広がっているのかもしれません。あるいは嵐のような悲しみにひどく打ち付けられ、逆境という荒風があなたに容赦なく吹きすさんでいるかもしれません。

「あなたの道を主にまかせ、思いわずらいを主にゆだねてごらんなさい。」ーー苦難の人パウル・ゲルハルトの信仰詩

出典 苦難と喪失つづきの生涯を送った17世紀ドイツの信仰者パウル・ゲルハルト。苦しみの最中にあって彼が書き残した数々の信仰詩には、生ける神の子イエス・キリストに対する揺るぎない信頼と祈りが込められています。 あなたの道を主にゆだねよ。主に信…

条件性という風鈴

風鈴(出典) 頑丈だと思っていた要塞やダムがーー神学的ダムがーー過去のある時点で崩れはじめた。内部崩壊。あっけないほど悲しいほど簡単にいろいろなものが流されていく。かつて何を基にあれほどの自信と「確信」を持てていたのだろう。 ああ、無知より…

賛美フラ、宣教と文脈化、現代語訳、キリストと文化ーー東方正教会教師との対話を通して学んだこと

主よ。あなたの耳を傾けて私に答えてください。私は悩み、そして貧しいのです。詩篇86:1 目次 揺らぐ確信と悩み ゴスペルフラに対する正教の視点 宣教と文脈化(contextualization)ーー二つの極端を避ける 教区生活における文脈化 国家と‟国教”と国語 …

子どもの目から見たヘブル的ルーツ運動(HRM):脱会者家庭の子、ジェッセ君の証し

出典 目次 はじめに 証し

なぜホームスクーリングの親や教育関係者たちがヘブル的ルーツ運動(HRM)に巻き込まれているのか?ーーHRMの説伏プロセスを解析する。

教育と子ども(出典) 目次 訳者はしがき ホームスクーリングーーヘブル的ルーツ運動の恰好のターゲット?! ほんのわずかのパン種が、粉のかたまり全体をふくらませる ホームスクーリング支援団体「ハート・オブ・ウィズダム」の教えについて ニーズを確立 …

最も偉大なる事は、人に勝つ事にあらず。(内村鑑三)

まことに彼はわれわれの病を負い、われわれの悲しみをになった。しかるに、われわれは思った。彼は打たれ、神にたたかれ、苦しめられたのだと。しかし彼はわれわれのとがのために傷つけられ、われわれの不義のために砕かれたのだ。彼はみずから懲らしめをう…

人生の目的は神を知るにある。(内村鑑三)

イエスは彼に言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。もしあなたがたがわたしを知っていたならば、わたしの父をも知ったであろう。しかし、今は父を知っており、またすでに父…

しかし物事には両面がある。ーー私がヘブル的ルーツ運動(HRM)には反対しつつも、そこで出されている問題提起(の一部)には共感/同情している理由

出典 ヘブル的ルーツ運動(HRM)には多くの深刻な教理的問題がありますが、その中にいる人々の文章を読んでいてしばし感じるのが、「ピュアなもの、汚されていないもの、オリジナルなもの」に対する彼らの切実なる求めの心です。そしてこういった求め自体は…

ユスティノスのストア哲学批判(水落健治氏、明治学院大学)【初代教会とギリシア哲学】

ストア哲学の流れ(出典) 目次 はじめに ユスティノスとは誰か? 『ユダヤ人トリュフォンとの対話』1.4 批判の対象ーー三種類の区分 ①セネカの主張 ②ストア派の主張 ③中期プラトン派の主張 ユスティノスの批判 古ストア派、中期ストア派、新ストア派

「捕われの獄」から「恵みの小道」に移されてーーヘブル的ルーツ運動(HRM)脱会者の証し

私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである。というのは、律法はモーセによって与えられ、恵みとまことはイエス・キリストによって実現したからである。ヨハネ1:16、17(出典) 目次 ヘブル的ルーツ運動…

イスラム教徒に「伝道」する南欧のピースフルな犬やネコたち

アクロポリスの麓でお昼寝するネコ(アテネ、出典) ある時期に、中東の某国から政治亡命をしてきたO弁護士夫妻に出会いました。奥さまは幼い時から預言者イッサーが好きだったそうで、福音に対しすでに心が開かれていました。

いかにして惑わされ、いかにしてそこから救い出されたのかーー「ヘブル的ルーツ運動(HRM)」:ある脱会者の証言

私はいつも一生懸命だった、、、そしてそれが真理だって信じていた。。(出典) 目次 証し はじめに 「後の雨運動」に関わり始める ある夫婦との接点 本格的にヘブル的ルーツ運動の世界に入っていく 騙しの過程は少しずつ段階的に進行していく 教義に疑問を…