巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

神観・人間観・世界観・歴史観

穏やかな海を跳ねるイルカのごとく(by バトスのヘシュキオス)

さまざまな空想の妄から解き放たれた心は、それ自身の内に聖く神秘的な思念を生み出すようになるだろう。それはあたかも、穏やかなる海で、魚が跳ね上り、イルカたちがはね回るのを見るかのごとくある。 バトスのヘシュキオス*1 *1:シナイ・バトス修道院長の…

時――永遠をあらわすイコン(by セラフィム・ハミルトン)

Seraphim Hamilton, Why Orthodoxy? 4. Orthodox theology is beautiful and useful.(拙訳) 〔アンチ・カトリックではないにも拘らず〕依然としてなぜ私がローマ・カトリックでないのか、をここで説明できるように思います。聖書、教会史および哲学的神学…

キリスト論的無誤性(by セラフィム・ハミルトン)

目次 聖書論とキリスト論 神的エネルゲイアーー「ロゴイ(logoi )」 シネルギア(協働;synergy)に関する正教理解 神のエネルゲイアと終末(eschaton) 聖書の霊感 聖書の歴史的信憑性 第一番目の欠陥――神の包括的摂理に関する理解不足 第二番目の欠陥――万…

「ヘブル的視点」と東方正教の架け橋

祭壇(出典) 架け橋づくり 「ヘブル的視点」の世界分断 必須条件1)背教ナラティブ 必須条件2)‟不可視的なもの”としてのプロテスタント教会論 必須条件3)「五つのソラ」+「ディスペンセーション主義」 さらなる考察のために 「ヘブル的視点」とディス…

ディスペンセーション主義者を理解する (by ヴェルン・ポイスレス/ウェストミンスター神学大学、新約学)

Vern Sheridan Poythress, Understanding Dispensationalists, Westminster Theological Seminary, PA, 1986(インターネットにて公開) 著者紹介 はじめに 用語定義・聖書の歴史的形態・ジョン・N・ダービーについて スコフィールドのディスペンセーション…

神への暴力と対等主義的ユートピア【ソビエト集団主義化する進歩的キリスト教】

「進歩の理論はあらゆる人間的世代、あらゆる人間的人格、あらゆる歴史的時期を、終極の目標に対する一個の手段、一個の道具に変えてしまう。。進歩の宗教は死の宗教であって、復活の宗教でない。永遠の生のために生きとし生けるものを復活させる宗教でない…

三位一体神のことを「御母」と呼ぶことが不可能な12の理由(by ドワイト・ロングネッカー神父)

出典 Fr. Dwight Longenecker, Twelve Reasons Why You Can’t Call God “Mother”(全訳) 目次 はじめに 1.イエスは神のことを「御父」と呼ぶよう私たちに言っておられます。 2.旧約聖書は神のことを御父と言及しています。 3.典礼は神のことを「御父…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ④ 倫理性について】(by マイケル・ロフトン)

【シリーズ① 永遠の刑罰について】【シリーズ② 聖書正典について】【シリーズ③ 教導権について】からの続きです。 出典 Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) ルーテル派信者:確かに私たちは教義上の諸問題を抱…

元教皇座空位論者(ex-Sedevacantist)の探求と人生を駈けた問い【不可謬性についての考察】(シリーズ2)

〔シリーズ1〕からの続きです。 部屋に象がいるのに気づいてないフリするの、もうやめようよ!(セデヴァカンティズムのサイトNovus Ordo Watchより) 目次 元セデヴァカンティスト、ジョン・C・ポントレーロ氏の回想記(その2) 問題に正面から向き合いた…

列車の中の神学——マルチ信仰談義【シリーズ① 永遠の刑罰について】(by マイケル・ロフトン)

Michael Lofton, Theology on a Train: A Multi-Faith Dialogue, Jan, 2019(拙訳) キャストと設定 永遠の刑罰について

アマゾン・シノドス異教儀式の背後に見え隠れするもの——女神神学(thealogy)及びエコ・フェミニズムに関する考察

パチャママ像 (出典) 目次 アマゾン・シノドス異教儀式の背景にはいかなる思想的・神学的流れがあったのか 二種類の宗教フェミニスト 女神神学(thealogy)とは?

至福者の苦しみ(ライサ・マリタンの回想録より)

「イエス・キリストに仕えることを表明しつつ、内心では自分自身を崇めている者達よ、震え慄きなさい。神はお前達をその敵に委ねようとされているからです。諸々の聖なる場所は腐敗の内にあり、多くの修道院は最早神の家ではなく、悪魔の王とその仲間達の牧…

私たちに語りかけてくる伝統とは何か?

目次 「ガダマーの解釈学についてーーディルタイとの連続性と相違性ーー 」を読んで ディルタイ 「解釈学的循環」 「客観的精神」 歴史的な存在としての人間 先行判断 私たちに語りかけてくる伝統 地平の融合 開かれた態度で過去のテクストとの思索的対話を…

神の主権と伝統諸教会の「暴力・戦争」の歴史をめぐってーー保守メノナイト派ディーン・テーラー師とのディスカッション

出典 保守メノナイト/フッタライトのディーン・テーラー師一家が昨日、アテネに来られ、良い交わりとディスカッションの時を持つことができました。

ポール・L・ガヴリリュク著「ハルナックの『ヘレニズム化されたキリスト教』か、それともフロロフスキーの『聖なるヘレニズム』か?」レビュー

目次 著者ポール・L・ガヴリリュク氏について 二つの対極的見解 ハルナックの「ヘレニズム化/堕落」説に対する批評 フロロフスキーの「キリスト教ヘレニズム」に対する批評 おわりに

トマス・アクィナスの解釈学とプラトン主義的伝統(by ピーター・クリーフト 、ボストン大学)

出典 目次 「聖書」と「自然」ーー二つの書 「聖書および自然は、signで溢れている」 脱構築主義との対照 アナロギア(類比) 創造(Creation)

「アンダーソン型」病理の分析と治癒

「アンダーソン型」病理を対岸の火事視していいのだろうか? 独立バプテスト教会のスティーブン・アンダーソン牧師の教説をマイケル・ロフトン師が分析しています。

革命ーー社会主義『ドストエフスキーの世界観』(by ニコライ・ベルジャーエフ)

出典 ベルジャーエフ著作集第二巻『ドストエフスキーの世界観』(斎藤栄治訳)白水社より一部抜粋 ドストエフスキーは、天才的な透視的眼光をもって、きたるべきロシア革命の、おそらくはまた世界革命の理念的基礎と性格とを悟った。彼は、言葉の最も真実の…

ディスカッションはできればonlineではなく、相手の人間と直に触れ合い交流する中で行ないたい。

先日、遠出し、ある方と数時間にわたりじっくり話し合う時を持ちました。そして帰り道につくづく思ったのです。「一人の人と話をするために往復何時間もかけ、一日が終わった。しかしそれはなんという濃密な時間だったことだろう」と。

「字義通りの解釈」という思想と、人間観(anthropology)の考察

実験室(出典) 19世紀に英国で興ったディスペンセーショナリズムというプロテスタントの一潮流があります。 ディスペンセーショナリズムは、当時猛威を振るっていたキリスト教リベラリズムに対抗する敬虔運動としての肯定的側面を持っている一方、その聖…

中世キリスト教世界観とその変遷(by ロッド・ドレアー)

目次 中世キリスト教の世界観 形而上学的実在論(metaphysical realism) オッカムと唯名論(nominalism) 漸進的変化

現代宗教建築にみる反サクラメンタリズムーー世俗性の空虚なる直解主義(literalism)

神の聖所だろうか、それともレクチャー・ホールだろうか?ーーエホバの証人、王国会館(出典) 目次 反サクラメンタリズム(by ステファン・フリーマン神父) 写真でみる現代宗教建築 教会建築と美(by ブライアン・ホールズウォース)

測り知れない神の智慧(by ジョン・マクダフ)

出典 John MacDuff, The Wisdom of God(全訳) 「その英知は測りがたい。」詩篇147:5 神の御経綸は時になんと困惑をもよおすものでしょう!その不可解さを解こうとすればするほど、私たちは、自分にとって最も理に適う地上的解決の内にとにかく落ち着…

ローマ・カトリック、プロテスタント、正教それぞれの、自己像・他者像・相関像について

モザイク画(出典) 昨日、東方典礼カトリック教会に通っている60代の女性から思いがけずお茶に誘っていただき、中心街のカフェで共に時間を過ごすことができました。彼女は私が教会から姿を消したことを心配しわざわざ電話をくださったのです。

時間と創造(by ニコライ・ベルジャーエフ)

出典 ベルジャーエフ(氷上英廣訳)『孤独と愛と社会』(白水社)p.179-194一部抜粋 時間の問題は、人間実存の根本問題である。人間実存の運命は、時間の中に具体化し、時間の刻印を帯びる。時間が実存の諸変化を包括し決定する枠だとみる素朴実在論の時間理…

なぜ伝統諸教会では主イエスの磔像がついた十字架(crucifix)が用いられているのだろう?ーー私の探求

キリスト受難の像、キリストの磔像のついている十字架(crucifix)出典 伝統的なカトリック教会、聖公会、東方正教会、そして一部の伝統的ルーテル教会の聖堂に入ると、正面の中央に主イエスの磔像がついた十字架(crucifix)が架けてあるのに私たちは気がつ…

良き師の思い出

出典 以前の記事の中で少し触れましたが、私はこれまで正式な神学教育をほとんど受けてきていません。望んでいてもその機会に恵まれなかったためでしょうか、私は常に師に飢え渇き、訓育の場に飢え渇いていました。

「われ」と孤独ーー孤独と社会性(by ニコライ・ベルジャーエフ)

出典 ベルジャーエフ(氷上英廣訳)『孤独と愛と社会』(白水社)p.129-135一部抜粋 私はわが身のもとに落ちつくことができない。私自身の実存の世界に安んじることができない。私は人間たちを、他の、縁のない世界のものと見、私の世界のものではないと感じ…

『虚偽のキリスト像(Counterfeit Christs)』ーートレント・ホーン氏へのインタビュー(by マット・ネルソン)

Matt Nelson, COUNTERFEIT CHRISTS”: AN INTERVIEW WITH TRENT HORN, May 3, 2019(抄訳) インタビュアー:『虚偽のキリスト像(Counterfeit Christs)』が出版されました。本書の内容について少しお話ください。

生きがい喪失者の心の世界(by 神谷美恵子)

出典 目次 生きがい喪失者の心の世界 破局感と足場の喪失 価値体系の崩壊 疎外と孤独 無意味感と絶望 自己との関係 不安 苦しみ 悲しみ 苦悩の意味