巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

知ることについて(認識論 epistemology)

聖書神学運動の興亡(by バルナバ・アスプレイ、ケンブリッジ大 解釈学)【悩めるグランパたちへの応援記事】

ふ~、変化が著しいなぁ。。 目次 はじめに 1.その誕生と目標 2.いくつかの諸問題 問題点その1 問題点その2 問題点その3 そして、、最大の問題点は。。 3.結論ーーここからさらに前進していく 文献案内

道を求める魂とキリスト教弁証

その道を歩み、魂に安らぎを得よ。エレミヤ6:16 カトリックの弁証家であるロバート・バロン神父の講義「無神論と‟神”という語の意味」を聴きました。これは、クリストファー・ヒッチェンズやリチャード・ドーキンズ等、世俗主義ファンダメンタリスト(New…

ビザンツ正教思想における新プラトン主義(袴田玲氏、日本学術振興会特別研究員)

聖マクシモス(Μάξιμος ο Ομολογητής, 580-662)のイコン(出典) 目次 序 神化とヘシュカスム パラマスにおける神化とプロティノスにおける合一

私たちが解釈(hermeneutics)をする上で是非とも知っておきたいこと(by ジェン・ズィンマーマン、トリニティー・ウェスタン大学)

目次 1. Hermeneutics(解釈学)という語はどこから来たのか? 2.今日、hermeneutics(解釈学)は何を意味しているのか? 3.知覚の性質 4.知識というのは関心によって突き動かされている(interest-driven) 5.地平の融合(fusion of horizons) …

あなたの葛藤は尊いものーー点在の世界に統一性を見い出そうとする人間の知的欣求について(by エスター・ミーク)

執筆者:エスター・L・ミーク。ペンシルベニア州ジュネーブ大学哲学科教授。ヴァン・ティル学派の前提主義、ジョン・フレームの多元遠近法(multiperspectivalism)及び、マイケル・ポランニーの暗黙知(tacit knowledge)をベースに、契約主義キリスト教認…

人間の叫びーーアルフレッド・テニソンの信仰詩

出典 目次 人間の叫び 砕けよ、砕けよ、砕けよ 「追憶の詩」へのプロローグ

苦難をとおしての勇気ーー信仰の勇者ーー(カール・ヒルティ)

出典 偉大な思想は、ただ大きな苦しみによって深く耕された心の土壌のなかからのみ成長する。そのような苦痛を知らない心には、ある浅薄さと凡庸さが残る。いくら竹馬に乗って背伸びしたとて無駄であるーー例えば、その竹馬が宗教的な、科学的な、それとも哲…

検証されていない前提から導き出される諸結論ーー①ヘブル的ルーツ運動(HRM)、②「ヘブル的視点」それぞれの実例

出典 (サンプル1) 「神の言葉=聖書だけにもどり、ヘブライ語のオリジナル原語で書かれた、オリジナルの神の言葉の真実だけを土台に検証し始め、神の言葉の中に書かれている内容を、書いてある意図通り、曲げずに学んでみれば、トラーが、永遠不変の神の…

福音主義が直面している三重の脅威(by ロバート・アラカキ、東方正教会)

出典 執筆者:Robert K. Arakaki, ハワイ生まれ。ゴードン・コーンウェル神学大(M.Div.)、バークレーGraduate Theological Union(Ph.D.)。教役者として所属教団United Church of Christの急速なリベラル化傾斜に必死に抗す。激しい苦悶の末、新教内部で…

条件性という風鈴

風鈴(出典) 頑丈だと思っていた要塞やダムがーー神学的ダムがーー過去のある時点で崩れはじめた。内部崩壊。あっけないほど悲しいほど簡単にいろいろなものが流されていく。かつて何を基にあれほどの自信と「確信」を持てていたのだろう。 ああ、無知より…

人生の目的は神を知るにある。(内村鑑三)

イエスは彼に言われた。「わたしは道であり、真理であり、命である。だれでもわたしによらないでは、父のみもとに行くことはできない。もしあなたがたがわたしを知っていたならば、わたしの父をも知ったであろう。しかし、今は父を知っており、またすでに父…

人は自分の反発している対象からどれくらい自由なのでしょうか。

出典 「ですから考察されるべきは、『ギリシャの知的思考は生来的に悪であり、ヘブライ的な倫理的行為は均一的に善なのか?』という問いです。ですがもちろん、ギリシャ的合理性に対して反駁することは困難です。と言いますのも、『ギリシャ的合理性』を反証…

「聖書のみ」というプロテスタント教理は間違っているのだろうか?ーーロバート・アラカキ氏(東方正教会)とデイビッド・ロクサス氏(プロテスタント教会)のやり取りを読んで。

アラカキ師が「聖書のみ」の教理を表すメタファーとして用いているピサの斜塔(出典) 目次 はじめに ロクサス氏(新教)からアラカキ氏(正教)への問いかけ アラカキ師の指摘する「聖書のみ」の認識論的問題点 私の解釈を「誰が」正しいと定めるのだろうか…

悩める解釈者への慰めーー動き、拡大する「地平」

それは、、動く。 解釈における「地平」というのが、‟流動的”であるというのは、私にとって希望のメッセージです。それは、「前提」や「見地」ともぴったり同義語というわけではないとアンソニー・C・ティーセルトンは述べ、次のように言っています。

恩寵により、はたして自然理性によって得られるよりも高度の神認識が得られるのだろうか?ーートマス・アクィナスの探求②【啓示神学の認識論的基礎づけの意味】

出典 「私の神よ、私があなたを忘れても、あなたは私を忘れないでください。私があなたを見捨てても、あなたは私を見捨てないでください。私があなたから離れても、あなたは私から離れないでください。私が逃げだしても呼びもどし、反抗しても引き寄せ、倒れ…

現世においてわれわれは神を、自然理性によって認識することができるのだろうか?ーー トマス・アクィナスの探求①【自然神学の可能性と限界と意味】

彼(トマス)は大柄で、よろよろして、無口で、すこしぼんやりした人であった。ケルン大学の同級生たちが彼のことを、「だんまり牛」だと言ってからかったとき、師のアルベルトゥスは、「いつかはこの牛の啼声が全世界に満ちるだろう」と言った。(E・ケァン…

解釈者の苦悶と告白

目次 はじめに 告白

聖書理解における地平の融合ーー「疎隔」について(D・A・カーソン、トリニティー神学校)

地平(出典) D.A. Carson, Exegetical Fallacies, Introduction, p.20-22.(拙訳) 聖書の批評的研究に常につきまとう危険は、解釈学者たちが呼ぶところのいわゆる「疎隔(distanciation)」にあります。疎隔というのは、批評的働きにおける必要要素です。…

懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし②ーーなぜ懐疑主義は人間本性にフィットし得ないのかについて(by エスター・ミーク)

出典 目次 「懐疑」から「確かさ」へ、そして再び「懐疑」【サイクルその2】 「懐疑」から、、、そして次は何?【サイクルその3がスタート】 なぜ懐疑主義はフィットし得ないのかについて そして今、どうなっているの?

懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし①ーー「知る」ことについて(by エスター・ミーク)

エスター・L・ミーク。ペンシルベニア州ジュネーブ大学哲学科教授。ヴァン・ティル学派の前提主義、ジョン・フレームの多元遠近法(multiperspectivalism)及び、マイケル・ポランニーの暗黙知(tacit knowledge)をベースに、契約主義キリスト教認識論を構…

「そもそも聖書の解釈の仕方など学ぶ必要あるの?」(D・A・カーソン、トリニティー神学校)

目次 はじめに できる限り良心的に、聖書のバランスを計り、歴史的/神学的「あれかこれか」的分裂への屈服を避ける。 聖書のある部分におけるアンチテーゼ的性質(特にイエスの説教のある部分)はレトリックなものであり、絶対的でものではないことを認識す…

過度の単純化/還元主義/誤前提から生み出される解釈的弊害を避けるために②ーー神学と哲学との関係についての諸類型(ミラード・エリクソン『キリスト教神学』)

「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」(トーラー遵守を強調する「ヘブル的ルーツ運動」団体The Way Biblical Fellowshipの教え) 目次 神学と哲学との関係についての諸類型(ミラード・エリクソン) 神学と哲学の間には全く関係がないとする立場 哲学は神学…

どんなカテゴリー/カテゴリー体系も私たちに究極的リアリティーは提供していない(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

Vern Sheridan Poythress, Symphonic Theology: The Validity of Multiple Perspectives in Theology, chap.7(抄訳) どんなカテゴリー(範疇)を用いても、私たち人間は、形而上学的に究極的な「世界分析」を行なうことはできません。また、なにをもってし…

聖書に取り組む際、私たちは自らの持つ「諸前提」をどうすればいいのか?(by D・A・カーソン、トリニティー神学校)

目次 前提的および歴史的誤謬 新解釈(New Hermeneutic)の影響 疎隔(distanciation)の必要性 まとめ

「知ることは可能か?」キリスト教認識論ーー21世紀の激戦地

目次 エスター・ミーク著『Longing to Know』の書評(by ジョン・M・フレーム、フロリダ州改革派神学校) エスター・ミーク著『Longing to Know』の書評(by D・A・カーソン、トリニティー神学校)

認識論の必要性ーーマイケル・ポランニーについて(by フランシス・シェーファー)

フランシス・A・シェーファー(1912 –1984) Francis A. Schaeffer, He is there and He is not silent in Trilogy (Wheaton, 1990), chap.3. The Epistemological Necessity: The Problem, 311-313(抄訳) さて、我々はまた、「階下」にある実証主義に注意…

真理の探究はむずかしい(by アウグスティヌス)

いったい時間とは何でしょうか。だれも私にたずねないとき、私は知っています。たずねられて説明しようと思うと、知らないのです。ーーアウグスティヌス 目次 真理の探究はむずかしい おお、自分が何を知らないかさえも知らないとは!ーー嘆きと嘆願の祈り …

アンソニー・C・ティーセルトン著『二つの地平』の書評(by ヴェルン・ポイスレス、ウェストミンスター神学校)

地平 Vern S. Poythress, Review of Thiselton on the Two Horizons, Westminster Theological Journal 43/1 (fall 1980): 178-180. 著者名:Anthony C. Thiselton 書名:The Two Horizons. New Testament Hermeneutics and Philosophical Description with …

論理実証主義とその亡霊たちーー類比的な言語の使用について(by R・C・スプロール)

目次 「類比的な言語の使用」ーー有神論を否定する人々によって攻撃にさらされている原則 神を知り、神について何かを言明することは可能なのか? いかにしてラディカルな懐疑主義が形成されるに至ったのか? 神の超越性と内在性 振り子が振り切れる 神につ…

イマヌエル・カントとキリスト教世界観(ヴェルン・ポイスレス)

目次 『純粋理性批判』の冒頭 カントにおける一般恩寵 用語の分析 対象に関する認識を作りだすナラティブ 「表象/像」とは何か? 多数の前提、多数の視点 経験論者 vs 観念論者 「対象」とは何か? 脱構築 キリスト教世界観