巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

フェミニズム批評

ポスト近代と福音主義フェミニズム(スティーブ・ゴールデン)

Steve Golden, Feminism, The Influence of Postmodernism, March, 2013より抄訳 福音主義フェミニズムと聖書的権威(Evangelical Feminism and Biblical Authority) このシリーズで取り扱ってきたその他のポストモダン思想と同様、フェミニスト理論もまた…

「新約記者は、夫と妻が互いに恭順し合うよう勧告しています(エペソ5:21)。ですから、夫にだけ特別なリーダーシップの役割というのは存在しないのです」という主張はどうでしょうか。【相互恭順説 反証③:hupotassoの意味について】

宗教改革期のファミリー・ライフ ②からの続きです。 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 6 回答5. この対等主義見解は、未だかつて実証されたことのない意味をギリシャ語に付与する事に依拠しています。 エペソ5:21「互…

「新約記者は、夫と妻が互いに恭順し合うよう勧告しています(エペソ5:21)。ですから、夫にだけ特別なリーダーシップの役割というのは存在しないのです」という主張はどうでしょうか。【対等主義「相互恭順説」反証】②

①からの続きです。 回答2. エペソ5:21に続く文脈において、パウロは自分がどういう意味合いにおいて「互いに従いなさい」と説いたのかを説明しています。つまり、妻は夫に、子どもは親に、そして奴隷は主人に従わなければならないということです。 エ…

「新約記者は、夫と妻が互いに恭順し合うよう勧告しています(エペソ5:21)。ですから、夫にだけ特別なリーダーシップの役割というのは存在しないのです」という主張はどうでしょうか。【対等主義「相互恭順説」反証】①

祈り 天地を創造され、歴史の主権者であられるおそるべき万軍の主、私たちの大いなる三位一体の神に賛美と誉れを帰します。今、取り扱っているこの重要なテーマをあなたの前に広げ、ただあなたの前に私たちの嘆きを注ぎ出します。これはあなたの属性、権威、…

「ローマ16:2の女性執事フィベは、『指導者』であり『支配者』であって、使徒パウロの上に立つ人でした」という主張はどうでしょうか。

ケンクレヤ(フィベの仕えていた教会はこの地域にありました。ギリシャ) フィーベはまた多くのプロスタティスの一人でした、、スィドゥラーは、その言葉は新約聖書の他のどの個所にもなく、他のギリシャ文学の中ではいつも支配者、指導者または保護者を意味…

「1テモテ2:12の『許しません』は現在形動詞であり、一時的な命令であることを示しています。よって、ここは『私は今この時・・許していないのです』と訳してしかるべきです」という主張はどうでしょうか。【キリスト教リベラリズムの脅威】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 この対等主義見解は次のようになっています。 「ここでのパウロの命令は一時的なものであった。なぜなら、その当時、エペソでは何か普通でない状況が発生していた。おそらく、多くの女性…

「マリヤを褒め、マルタをたしなめた時(ルカ10:38-42)、イエスは当時の家父長制文化が女性たちに課していた社会通念を覆し、ひっくり返されたのです」という主張はどうでしょうか。

以下、日本福音同盟 女性委員会のHPリンクより抜粋 「女性の行動範囲は、主に家庭であり、彼女は不貞から守られるべきでした。その結果、女性は会話において啓発するようなものは殆ど持っておらず、公の生活における誘惑に立ち向かう備えが殆どできていない…

「三位一体の中で、御父もまた御子に恭順(submit)しているのです。ですから、御子との関係において、御父に固有の権威があるわけではないのです」という主張はどうでしょうか。【三位一体論とフェミニズム】後篇

人間の友に向けられる中傷に対し、われわれは憤りを覚えている。 しかるになぜ、我々の神が、これほどまでに卑劣きわまりない中傷をお受けになっている現状をみながら、われわれはここまで平気でいられるのだろう? J・グレシャム・メイチェン Wayne Grudem,…

「三位一体の中で、御父もまた御子に恭順(submit)しているのです。ですから、御子との関係において、御父に固有の権威があるわけではないのです」という主張はどうでしょうか。【三位一体論とフェミニズム】前篇

以下は、ウィリアム・P・ヤング著『神の小屋』の中で、「イエス」が、三位一体の神のことを説明する場面です。 「イエス」が主人公のマックに言うセリフ: これこそ、パパ(御父)およびサラユ(聖霊)と私(イエス)の関係にある美しさなんだ。 私たち[三…

「エバが造られる以前、アダムは男ではなく、単に『性的区分のされていない人間』だったのです」という主張はどうでしょうか。【アダム両性具有説 検証】

「女性牧師について」というある日本語サイトの頁に次のようなことが書かれていました。 「みんな誤解してるのが、男の肋骨から女が作られたって話。ところが、創世記にはアダムが男だとはどこにも書いていない。『人』ってあるだけ。パウロの手紙にもあるよ…

「1テモテ2:12で、パウロは権威を表す一般的なことば(エクスーシア)を用いず、比較的まれなことば(アウセンテオー)を使っています。そのため、この意味を正確に知ることは非常に困難であり、よってこの節に重点を置きすぎるべきではありません。」という主張はどうでしょうか。

このテモテの個所におけるもう一つの問題は、「支配する」と訳されているアウセンテインということばの用法です。アウセンテインの意味について統一見解はありません。しかし、一つのことは確かです。それは、もし、パウロが、女性がこのことばの一般的な意…

「旧約聖書にみられる女性への抑圧や虐待は、男性かしら性(male headship / "家父長制")によって引き起こされたものであり、よって、男性のかしら性が『誤り』であることを示しています」という見解についてご一緒に考えてみましょう。【後篇】

家族に聖書を読み聞かせる父親 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 4 (前篇からのつづきです。) 回答2. このアプローチは、偏ったフィルターを課し、それは旧約聖書に対する誤った解釈へと人々を導く結果をもたらします。 …

日本福音同盟(JEA)のみなさまへの公開レター【ジェンダー・フェミニズム問題および聖書信仰に関して】

主の御名を賛美いたします。私は福音派教会に通う一信仰者です。今日はみなさんに自分の心の内にあることをお分かち合いしたいと思い、ネット上ではありますが、このようにお手紙をしたためております。 さて、貴同盟のホームページの「女性委員会」のセクシ…

「旧約聖書にみられる女性への抑圧や虐待は、男性かしら性(male headship / "家父長制")によって引き起こされたものであり、よって、男性のかしら性が『誤り』であることを示しています」という見解についてご一緒に考えてみましょう。【前篇】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 4 ルース・タッカーは次のように書いています。「創世記3章の人類の堕落後、新しい家父長制体制が導入され、夫は妻を支配するにとどまらず、残りの家族をも支配するようになったのです。」…

「旧約聖書のヘブル語自体が、『家父長制文化の表現』だったのです」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 3 レベッカ・グルースイス(Rebecca Groothuis)は次のように言っています。 私たちが留意しなければならないのは、古代ヘブライ語というのは、家父長制文化の表現("expression of patriar…

「創世記2:18の『助け手』という語は、地位においてエバがアダムと対等である、ないしは、アダムより優位にあるという意味なのです」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 3より翻訳 レベッカ・グルースイス(Rebecca Groothuis)は『女性のためのグッドニュース』の中で次のように言っています。 「助け手("helper")」という語は、神に関する言及語としてもっ…

「夫に対する妻の恭順の掟は、新約期、『伝道目的』のために出されていたものです。しかし今日ではそういった目的はもはや有効性を持っていません。ですから、妻は夫に従う必要はないのです。」という主張はどうでしょうか。

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 6 ウィリアム・ウェブは、次のように言っています。 ――ペテロは、「妻たちよ。自分の夫に服従しなさい。たとい、みことばに従わない夫であっても、妻の無言のふるまいによって、神のものと…

「ローマ16:7のユニアは女使徒でした。ですから、初代教会の初めより、女性にも権威ある地位が与えられていたのです。」という主張はどうでしょうか。

目次 質問 回答: (1)ユニアス/ユニアという人は女性ではないのですか? (2)ユニア(ス)は使徒だったのではないでしょうか。 (3)初代教会で、女性に非常に権威ある地位が与えられていたのではないでしょうか。 【追記】

「イエスが男性たちだけを12使徒に任命されたのは、当時の文化的拘束ゆえです。」という主張はどうでしょうか。

目次 対等主義者側の主張:イエスが男性たちだけを使徒に任命したのは、ただ単に当時の文化に譲歩したためです。しかしそれは今日の私たちの文化には当てはまらないものです。 回答1.「倫理的に何が正しいか、正しくないか」という正誤問題に関し、イエス…

しかし、エペソ5:21で、パウロは、夫も妻も「互いに従い合いなさい」と教えてはいませんか?

John Piper and Wayne Grudem, 50 Crucial Questions About Manhood and Womanhood | Desiring God, 2016 Q. しかし、エペソ5:21で、パウロは「相互恭順(=夫も妻も互いに従い合いなさい)」を教えてはいませんか? すべては私たちがどういう意味合いに…

【悩み相談】「恭順」とか「かしら」というのはどういう意味なのでしょうか。よく分からず、悩んでいます。

John Piper and Wayne Grudem, 50 Crucial Questions: An Overview of Central Concerns about Manhood and Womanhood, 2016 Q.「恭順(“submission”)」とはどういう意味ですか。 恭順とは、妻が夫のリーダーシップを尊び、肯定する中で、彼女に与えられて…

神は《男性》でしょうか?ー現代のジェンダー戦争

Kyle Pope, Is God Male?, Ancient Road Publications™ 新聞『カンザス・シティ・スター』はある特集欄で、某教派の牧師およびユダヤ教のラビに対し、次のような問いを出していました。 「私たちは神のことを〈彼〉と呼ぶべきか、〈彼女〉と呼ぶべきか、それ…

「1テモテ2:12の正しい訳は、『私は、女が教えたり、自分こそが《男の起源である》と宣言したりすることを許しません』です。」―この主張はどうでしょうか?【authenteoの意味】続編

(前の記事からの続きです。) ④ Authenteoの意味が「自らをなにかの起源、創始者、もしくは源であると表現することである」とし、クレーガーは、その意味がさまざまな古い辞典に記載されていると次のように述べています。 「学者たちが古典古代の文献を、今…

「1テモテ2:12の正しい訳は、『私は、女が教えたり、自分こそが《男の起源である》と宣言したりすることを許しません』です。」―この主張はどうでしょうか?【authenteoの意味】

ある日本語サイトの説教録より一部引用させていただきます。対等主義の立場からの1テモテ2:12の解釈です。 「V11-15a 特定の女を指して、あの女に教えさせるな。 当時、間違った教えをする偽教師たちがはびこっていました。そして、その異端的な教えを…

「エバと同じように、当時エペソの女性も十分な教育を受けていませんでした。しかし今日の女性には男性と同等の教育があります。ですから、1テモテ2:11-15は今日の教会に一般化して適用されるべきではないのです」という主張はどうでしょうか。

大学の授業風景。引用元 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 対等主義者側の主張: 1テモテ2:14から分かるのは、当時のエペソの女性たちと同様、エバもアダムより教育がなかったということです。しかし今日の女性は、男…

「当時のエペソの女性たちは偽りの教えを説いており、1テモテ2:12はその歴史的文脈で解釈されなければなりません。ですから、この聖句内容は、今日の教会に一般化して適用すべきではないのです。」という主張に対しての応答。【その5】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 回答4. もし偽りの教えを何人かの人が教えていたという事実をもって、その人たちの性別に属する全ての人を不適任とするのなら、とどのつまり、すべての男性は教える適性資格をはく奪さ…

聖書の主要な教えを、「文化的に相対的なもの」として再解釈しようとする最近の傾向について――ロバート・W・ヤーブロー師の警告(カベナント神学校新約学教授)

Covenant Theological Seminary in St. Louis ロバート&キャサリン・クレーガー著「I Suffer Not a Woman」の中で展開されている「グノーシス異端説」に関する書評を書いたロバート・ヤーブロー(Robert W. Yarbrough)は、このレビューの中で次のような警…

1テモテ2:12 徹底検証:A・コステンバーガー師へのインタビュー

オーストラリアで初の女性司教(聖公会) 2008年、パース市、source Interview with Andreas J. Köstenberger on 1 Timothy 2:12 (インタビュー聞き手:アンディー・ナセリ氏、ベツレヘム神学校新約学、2008年7月30日) アンドレアス・J・コステ…

「当時のエペソの女性たちは偽りの教えを説いており、1テモテ2:12はその歴史的文脈で解釈されなければなりません。ですから、この聖句内容は、今日の教会に一般化して適用すべきではないのです。」という主張に対しての応答。【その4】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 回答3. 「エバがアダムよりも先に造られたと説く『グノーシス異端の存在』」を論拠にしているリチャード&キャサリン・クレーガーの主張には、説得力ある歴史的証拠がありません。 リチ…

「当時のエペソの女性たちは偽りの教えを説いており、1テモテ2:12はその歴史的文脈で解釈されなければなりません。ですから、この聖句内容は、今日の教会に一般化して適用すべきではないのです。」という主張に対しての応答。【その3】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 8 回答2. 「当時のエペソで女性たちが偽りの教えを説いていた」ということを裏付ける明瞭な証拠は、聖書の中にも見いだされず、また、聖書外の資料の中にも未だかつて見いだされたことは…