巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2017-01-01から1年間の記事一覧

公正さ(fairness)についての省察――隣人をより良く知り、より深く愛していくために。

ゴスペルフラ現象についての記事でお話しましたように、私は先日、アメリカ人の宣教師の方から、現代英語のredeem「贖う」は、(聖書的・狭義の用法だけでなく)もっと広義な意味合いでも使われる動詞でもあるということを教わりました。 翻訳者として、これ…

地と天(ピューリタンの祈り)

おお主よ、 かろうじて生き延びることができるほどの 小さな桶水にうごめく魚のように 私はこの地で生きています。 しかし天にあって、私は海洋で心ゆくまで泳ぐことでしょう。

キリストとアロン(イサク・ワッツの信仰詩)

イエス、汝の中にあって、 私たちの眼は アロンの子たちの壮麗な珠玉や磨かれた金に 幾千倍にまさる汝の栄光の輝きをみています。 彼らはまず自分自身の罪から清められるために、 全焼のささげ物を携えて来なければなりませんでした。 しかし汝の生は、一点…

ゴスペルフラ現象についてのさらなる考察と気づき

冒頭の記事を書いた後、いろいろな方ととても有益な意見交換をする機会が与えられました。私はみなさんからの尊いご指摘により、以下のような点に気づかされました。

「夏は、どんな服を着ればいいかな?」―クリスチャン女性とサマー服と隣人愛

さて、いよいよ夏がやってきますね。スイカがおいしい季節です。夏は暑いです。そして暑い時には、なるだけ薄着をしたいと思うのが人間の自然な情ではないかと思います。

愛と憎しみ(イサク・ワッツの信仰詩)

さあ今、わが神のご慈愛、 激しい主の苦悩、最期の呻き、 瀕死の血潮により、 私は、わが魂に命じる。 わが同胞の聖徒を愛せよと。 喧騒、怒り、戦いよ、去れ。 嫉妬と悪意よ、永遠に消えよ。 苦々しい言葉が 平和の子であるわれわれ同胞の間で もはや発せら…

ちょっと息抜きに。。。Modest Jumper Dressの魅力について♡

先日、アメリカのお友だちから手作りのJumper Dressをプレゼントしてもらいました。サイズや型はだいたい下の写真のような感じですが、色はちょっと濃い目のブルー。そして小さなかわいらしい花模様がついています。 Lilies of the Fieldより

おお、十全性に満ち満ちた神!(ピューリタンの祈り)

おお、十全性に満ち満ちた神。 汝はご自身の力強い御言葉により、 万物を創造され、保っておられます。 やみは汝の隠れ家であり、 汝は風の翼に乗って飛びかけられます。 あらゆる国々は汝の前では無に等しく、 一世代興っては、また次の世代へと移り変わり、…

あらゆる苦悩を喜びで和らげてくださる主を讃えます(ピューリタンの祈り)

偉大なるみいつの神、 私が享受しているあらゆる祝福、 望んでいるすべてのものの創始者であられる主よ。 汝は、私に次のことを教えてくださいました。 悪による現在の経験も、 昔犯した数々の罪の記憶も、 友からの戒めも、 御霊の力の働きにより 汝がご恩…

川の慰め――エミー・カーマイケルの信仰詩

時が時を数えつつ、二年という歳月が過ぎ、 人生の流れを共にした人が、 すべてを変える海の方へ 彼女の祖国へと急ぎながら 去っていった。 彼女は今も、私にとっての彼女自身でいてくれるのかしら? それは可能? 私の兄弟、私はあなたにとって、以前のまま…

春の芳香

かうかうと欅(けやき)芽ぶけり風の中 石田波郷 早朝、雨戸を開けると、薄暗くまだ少し肌寒い空気とともに、春の芽の芳香が舞い込んできて、部屋中をいっぱいに満たしました。 春を満身に感じます。平安時代の女流文人であった清少納言は、はっとした気づき…

主イエスよ、私は盲目です。汝が私の光となってください。(ピューリタンの祈り)

主イエスよ、 私は盲目です。汝が私の光となってください。 私は無知です。汝が私の知恵となってください。 私はかたくなです。汝が私の知性となってください。 汝の御霊の声をすばやく聞き取ることができるよう 私の耳を開いてください。 そして手招きして…

懐疑は消散し、霊的喜びが再び戻ってくる(イサク・ワッツの信仰詩)

悲しみよ、わが魂から立ち去れ、 そして喜びの内に我をうち置け。 わが舌は主の中で勝利し、 歓喜の声を挙げよう。 暗闇と懐疑がわが心を覆い、 わが頭は涙の中で溺死せんばかりだった。 しかしその時、至高の恵みが輝く光線と共に わが陰鬱な恐怖を追い出し…

女性とミニストリー

In my eyes, women are not flowers of the field, but rather, flowers of a secret garden, meant to be kept and cherished, not ogled by every passer-by; as it says in the Song of Songs: "You are a garden locked up, my sister, my bride; you ar…

私は自分が生涯の「修正」主義者であることを恥じない。

「これは往々に起こる事ですが――ある極端を離脱した人々が、その対極にあるもう一つの極端によって提示されるオールターナティブ(代替)を採用したという事情があると思われます。」 冒頭の引用文は、19世紀後半から20世紀初めにかけてアメリカでダービ…

すべての真理は神の真理である。(by R・C・スプロール)

R.C. Sproul, All Truth Is God’s Truth(全訳) 自分の思考や精神に、消えることのない深い印象を刻みつけた著書というのが数冊あるが、その中の一冊が、The Metaphysical Foundations of Modern Science(「現代科学の形而上学的基礎」)だった。 50年以…

信仰の船出――カール・ヒルティの信仰詩

ついにこの世をあとに! この世の盃(さかずき)はこなごなに砕かれました。 岸をはなれた小舟のなかから 遠い岸辺が、薄明かりの中に見えます。 路なき海原に囲まれ、 これからは、ただ希望のみがわが財産です。

主日礼拝とはまず第一に信者のための集まりです。(by R・C・スプロール)

牧者たちが羊を養う代わりに、道化師たちが娯楽でヤギを楽しませるような時代が、やがて教会に到来するだろう。――チャールズ・H・スポルジョン R.C. Sproul, Good Intentions Gone Badより抄訳(here) 「地獄への道は善意で敷き詰められている(The road to…

なぜキリスト教会の要塞に破れがあるのか?――福音主義フェミニズム前進を支える二大同盟者たち(by ウェイン・グルーデム)

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chap.14 ① 同盟者その1――世俗文化 ② 同盟者その2――臆病な牧師たち ① 同盟者その1――世俗文化 対等主義(egalitarianism)は、キリスト教諸機関に影響力を及ぼそうとしていますが、その際、対等主…

聖書の権威を放棄する秘かなる10の道すじについて(by D・A・カーソン)

D.A. Carson’s “Subtle Ways to Abandon the Authority of Scripture” (here) 訳者はしがき この記事は、2016年5月に、オハイオ州クリ―ヴランドでなされたD・A・カーソンの講義録です。要約筆記者は、ライアン・ウェルシュ氏です。 D.A.Carson この講義…

健全な教理の重要性(by A・W・トーザー)

A.W. Tozer, The Importance of Sound Doctrine(全訳) キリスト者生活の中において、どれほど健全な教えが重要かということについては、これを強調してもしすぎることはないと思う。もし私たちが「正しい生き方」を志すなら、あらゆる霊的な事柄に関する「…

異教文化を「聖別」?――ゴスぺルフラ現象の背後に潜む新神学および「土着の民の運動(Indigenous People’s Movement)」について【文化と宣教】

Gospel Hula (情報源) 先月、私は、フラダンスを用いたキリスト礼拝のあり方について次のような記事を書きました。 元々女神に捧げられていたハワイの異教ダンスを「聖別し」、「贖い(redeeming)」、伝道や礼拝のために「善用する」というこの新しい宣教…

女性牧師問題とフェミニスト聖書解釈――「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」に対する応答(by ウェイン・グルーデム)【後篇】

〔前編〕からの続きです。 Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 9より翻訳抜粋 回答3.この「軌道解釈」は、旧約聖書とは区別される新約聖書の特異性(uniqueness)について理解し損なっています。 R・T・フランスは次のような…

被造物への愛着心

被造物への愛着心はなんと強力なものでしょうか。それは時に大波のように激しく心を揺さぶり、かき乱し、本来、主だけで占められるべき奥の部屋に抗い得ないような力で押し入ろうとしてきます。

女性牧師問題とフェミニスト聖書解釈――「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」に対する応答(by ウェイン・グルーデム)【前篇】

Wayne Grudem, Evangelical Feminism and Biblical Truth, chapter 9より翻訳抜粋 対等主義側の主張:「軌道解釈(Trajectory Interpretation)」 パウロを始めとする新約記者たちは、完全な形での女性リーダーシップに向けての「軌道」を移行中でした。しか…

二種類の謙遜――謙遜と確かさは両立可能(G・K・チェスタトン)

G.K. Chesterton G.K. Chesterton, Orthodoxy [reprint, San Francisco: Ignatius, 1995], 36-37より翻訳抜粋 今日の私たちの災難は、誤った位置に置かれている「謙遜」である。謙虚さは、「熱望」の器官から移動し、今や「確信」の器官の上に落ち着いてしま…

失われつつある聖書の権威――教会の女性化(feminization)と聖書的男性像の喪失〔フランスにて〕

現在、フランスでは、アラブ系の移民子弟だけでなく、一般のフランス人若者たちもまたイスラムの教えに惹き付けられ、ISISに加入していることが社会問題になっています。パリ近郊で滞在した家庭には高校一年生の男の子がいましたが、数週間前、彼の級友のフ…

「聖書的」であることの意味について

「何かが『聖書的である』という時、それは一体どういう意味なのでしょう。私たちは『聖書的』という言葉を、記述的な意味(つまり、「聖書に見いだされるもの」)というよりも、「何を神様が望んでおられるか」という規範的な意味で使うことに慣れっこにな…

ユダヤ・キリスト教的な時間観について――時の螺旋(らせん)構造と歴史認識

時というものには、創造から終末に向かう「線分」という側面と、「円環」という側面があり、したがって聖書的な時間観というのは螺旋(らせん)的である、というとても興味深い記事を読みました。それをみなさんにも共有したいと思います。 以下、苫小牧福音…

イマージング運動――昔風のリベラリズム(by ボブ・デウェイ)【後篇】

〔前篇〕からの続きです。 目次 オーソ・パラドクシー:逆説と矛盾の受容 結語 Ideas Have Consequences: A Partial Paraphrase and Review of Modern Fascism by Gene Edward Veith Back to Nature Martin Heidegger the Fascist The Rejection of the Valu…