巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

「ローマの首位性」に関して――カトリック教徒と正教徒の友好的話し合い

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Peter Gilbert, De unione ecclesiarum(コメント欄抄訳)

 

ヴェリタス(カトリック):カトリック教徒としてあなたにお訊きしたいことがあります。それは、ローマの首位性に関することです。

教皇ヨハネ・パウロ二世『回勅 キリスト者の一致(Ut Unum Sint)』に応答する形で書かれた正教神学者オリヴィエ・クレマン著『You Are Peter: An Orothodox Theologian's Reflection on the Exercise of Papal Primacy』のことも話題になっていますね!ぜひ購入して読んでみたいと思っています。ローマの首位性に関する問いは複雑に入り組んでいます。それで、あなたはこのテーマに関しどう考えておられるのかお聞きしたいと思ったのです。

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真摯なカトリック信徒の問い

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マイケル・ロフトン(ローマ・カトリック):視聴者の皆さんに投票アンケートをお願いしたく思っています。あなたは「東方正教」を巡るテーマに関したビデオにより関心がありますか。それとも、「伝統派カトリック内の諸テーマ」を取り扱ったビデオにより関心がありますか。


K・T・ベル(ローマ・カトリック):第二バチカン公会議文書の中に見受けられる明らかな諸矛盾に対し、それらをより明瞭に説明してくれるビデオを作成してくださったらありがたいです。今日の教会風潮においては、たとい私たちが良い意図をもって質問したとしてもそれらの問いは歓迎されない傾向があります。こういう類の問いを発すると通常、私たちは「分離主義者」と呼ばれます。そしてとにかく理性を放棄し、理解・納得のいかないそのなにかに恭順することが暗黙の内に求められているわけです。ですが、自分たちの中では依然として「やっぱりそれは真ではないのではないか」という懐疑がくすぶり続けています。

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カトリック改宗か正教改宗かの最終判断はやはり一筋縄ではいかない。(その3)

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:あのね、この前、東方正教の某神父様から心のこもったメッセージをいただいたの。私が「以前の愛」――ローマ・カトリシズムという異端――にUターンしてしまうのではないかと危惧され、「悪しき者(=サタン)にあなたが惑わされることのないようお祈りしております」と書き送ってくださったの。一方、私が東方典礼カトリック教会にいて迷っていた時、そこのカトリック神父様も上の正教神父様と全く同じ警告をしてくださった。――でも真逆の方向から。彼は、私が「悪しき者(=サタン)に惑わされてしまっているがゆえに」カトリック教会を離れようとしていると危惧しておられたの。

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危機を通った先にある新しい展望の拡がり

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目次

  • 「ルターのパウロ解釈が間違っている?そんな事があり得るのだろうか?」
  • 「超エキュメニカル派から何の良いものが出るだろう?」
  • 〔補足〕2018年4月2日付「解釈者の苦悶と告白」

 

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カトリック改宗か正教改宗かの最終判断はやはり一筋縄ではいかない。(その2)

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さあ、どちらに向かうべきか。参ったなあ。どうしよう。(出典

 

Pints With Aquinas #194 | Fr. Michael O'Loughlin, 2020. (コメント欄抄訳)

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望みの道

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望みの道を歩く巡礼者仲間へ

 

「ぼく、みんなまちがったことをしてしまった。」バスチアンはいった。「みんな、考えちがいをしていたんです。月の子は、ぼくにたくさんのものをくださったのに、ぼくはそれでもって、自分にもファンタージエンにも、わるいことばっかりしてしまったんです。」  

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東西の伝統派信者たちが取り組む必要のある諸課題と自省

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「他人の経験は、よしそれがいかに偉大なものであれ、何人にとっても完全に十分なものとはいえない。各人は、自分自身のために、本質的な問題、少なくとも自分にとって死活の問題の検討をし直さなければならない。私たちはそれゆえに、自分たちの真理の探究を続けていった。」ライサ・マリタン

 

以下は現時点における私の気づきとそれに伴う自省をつづった文であり、段階的考察です。今後、主の光の中で教えられ、さらに修正・改訂・補足してゆけたらと思っています。

 

  • 東方正教会では「聖人たち」が私たちの権威?Sola Saints?
  • テーラー・マーシャル博士(聖ペテロ司祭兄弟会)の第二バチカン公会議観に対する詳細批評
  • 東方正教神学は第二バチカン公会議に影響を及ぼしたのだろうか?
  • おわりに――生きるために真理が必要

 

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