「純粋に客観的な歴史というものを、われわれは理解することができない。われわれは歴史的対象との内的な、深い、神秘的な結合を必要とする。客体が歴史的であることだけが必要なのではない。主体も歴史的であることが必要である。
続きを読む宇宙的典礼と人生の意味ーー東方教父聖マクシモスが遺した霊的遺産(7世紀)
「聖書のもつ謎やシンボルの意味は、神のことば(Λόγος)が受肉したという神秘のうちに全て含まれている。そればかりではない。知覚しうる限りの、可視的/不可視的被造物に隠されている意味も、この受肉という神秘のうちに含まれている。十字架や墓の神秘を理解してこそ、はじめて、人は、いっさいの事象の本質を理解することができる。さらに、キリストの復活に秘められている深い意味に導き入れられてこそ、はじめて、人は、太初に神が万物を創造したその聖意図を知るようになるのである。」
告白者マクシモス(証聖者マクシモス, 580-662)*1
*1:Ambigua, Patrologie Graeque, 91, p.1360