巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

地上における礼拝――永遠なる聖徒の任務の序曲(A・P・ギブス)

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礼拝は、「すべてのことにおいて、あなたが絶対的に第一の方であります」と神に正当な場所を与えるものです。また礼拝は、神に、その本質とみ業とのゆえに当然ささげまつるべき賛美とほまれと栄光をささげるものです。

 

「人間のおもな、最高の目的は、神の栄光をあらわし、永遠に神を全く喜ぶことである」というのはまことに至言です。私たちクリスチャンは、三位一体の神と、創造・贖罪・新生に現されている主の聖なる属性とに想いをひそめる時、驚嘆と畏敬と敬慕と礼拝とにわれを忘れることでしょう。こうして信仰者は、これら一切を可能にしたもうたおかたにもろもろの栄光を帰すのです。

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礼拝の基礎へ戻ろう!――規制原理(Regulative Principle)がもたらす自由と曇りのない良心


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執筆者:ケビン・デヤング(Kevin DeYoung)

 

私は改革派教会で育ったのですが、他の多くのクリスチャンと同様、聖書学校に入るまで、「規制原理(Regulative Principle, 以下RP)」という言葉を一度も聞いたことがありませんでした。それは私のアイデンティティーの根幹には無いものだったのです。しかし時を経るにつれ、私はますますRPの存在をありがたく思い、感謝するようになっていきました。

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イグナティオスによるローマ人への手紙【AD2世紀前半】第1章~第5章――死の彼方を展望しつつ

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 目次

  • 訳者はしがきーーAD2世紀:十字架を忍ぶ教会
  • イグナティオスによる序文
  • 第1章 囚人として、私はあなたがたに会いたい
  • 第2章 殉教の道から私を「救い出そう」としないでほしい
  • 第3章 真のキリスト者として見いだされたい!
  • 第4章 純粋なキリストのパンとして
  • 第5章 死を望みつつ

 

6章はココ。7章はココ。8章ー最終章はココ

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真のジェントルマン――神の国のエートスに生きる男性たち

 

キリスト教界の中で近年特に、煙たがられ、胡散臭がられている地味な一角があるのを皆さんはご存知でしょうか。それは、相補主義の立場にたつ保守男性群です。

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宗教改革の土台――礼拝における規制原理(Regulative Principle of Worship)について

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礼拝の中における信仰の良心を守るべく、山中での集会を余儀なくされた英国の非国教徒たち。17世紀。(引用元

 

Greg Price, Foundation for Reformation: The Regulative Principle of Worshipより抄訳

 

 

キリスト教会は、これまで何百年に渡り、礼拝に関する二つの根本的な問いを巡って議論し続けてきました。

 

最初の問いは、「いかにして神は礼拝をお受けになるのか?」です。つまり、神に礼拝を捧げるにあたり、何が適切にして主に受け入れられるあり方なのかという問いです。地上の諸王に関してでさえ、彼らに謁見する際には、なにがしかの「儀典・作法("protocol")」が守られなければなりません。

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キリスト教礼拝のあり方はそもそも誰が、何を基準に決めるのでしょうか。――私の探求

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Puritan Worship(引用元

 

キリスト教礼拝のあり方はそもそも誰が決めるのでしょうか。神(ロゴス)でしょうか、それとも、人間でしょうか。そして何を基準にそれらは決定・是認・導入、あるいは拒絶されるのでしょうか。また、導入されたものが、信者の良心につまずきを与える時、個人や教会はどのような対応をすることが望ましいのでしょうか。

 

自分の人生の中、そして周囲で起こっているさまざまな出来事を通し、私の中でこういった素朴な問いが芽生えてきました。

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キリストの栄光のからだ ②――その「一致」と「分離」(R・B・カイパー)

 

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R・B・カイパー著、山崎順治訳『聖書の教会観―キリストの栄光のからだ―』より抜粋

The Glorious Body of Christ: Unity and Division by R. B. Kuiper (1886-1966)

 

目次

  • 極端な教派主義(Extreme Denominationalism)
  • 極端な合同主義(Extreme Unionism)

 

キリストの教会の霊的一致は、否定できない現実です。それは一つのからだ、すなわちキリストの神秘的な唯一のからだです。

 

この霊的個体性である一致を破るものは何もありません。ほとんど無数に近い分派と教派に分かれた、外見的に絶望的な教会の分離ですらも、それを破ることはできません。一方、教会の現在の分割が、その一致をはななだしく〈不鮮明〉にしていることも認めなければなりません。それは、悲しい事実です。教会は、この悪をいやすために、打って一丸となって努力すべきではないでしょうか。

 

これに対して、要約すると三つの姿勢があります。それは、①極端な教派主義(Extreme Denominationalism)、②極端な合同主義(Extreme Unionism)、③現実主義的理想主義(realistic idealism)の三つです。

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