R・B・カイパー著、山崎順治訳『聖書の教会観―キリストの栄光のからだ―』より抜粋
The Glorious Body of Christ: Unity and Diversity by R. B. Kuiper (1886-1966)
R.B. Kuiper
目次
- 一つの教会
- 多くのかたち
数年前、ウェンデル・ウィルキーが「世界は一つ」と題するベスト・セラーとなった書物を書きました。それは、全世界の平和共存を説いていました。彼の願望は、まことに賞賛に価するものでしたが、その著は単純すぎて、皮相的な楽観主義のそしりを免れませんでした。彼は、全般的に言って、人間性の腐敗を十分に認識していません。特に、マルクスの共産主義の無神論を考慮に入れていません。今日、世界は一つになることから遠く離れています。聖書は、神が新天新地をたてられる時まで一つになることはない、と語ります。
キリスト教会の現状も、ほとんど世界のそれと同じように、哀れな有様に見えます。すべて見たところ、それは、内輪もめして引き裂かれた家のようです。ポーチから落ちて、粉々に砕けた、美しい植木鉢のようです。爆撃で破壊され、がれきの山となってしまった大建築のようです。
一つの教会
信じられないと思われるかもしれませんが、イエス・キリストの教会は、現実に一つです。
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