巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

キリスト者の一致について(by C・S・ルイス)

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C・S・ルイス(1898-1963)

 

「それぞれの宗派伝統の中心部にいる人々――自分たちの特定コミュニオンにもっとも熱烈なる忠誠心を示している人々――は案外、互いに最も共通点が多いのだ。問題は、猛烈にアンチ・エキュメニカルなそういった人々がそのことに気づくのが至極困難なことにある。というのも彼らはあなたがたにアナテマ宣言を出し、‟お前たちがいかに間違っており、いかに劣悪であるか”ということを言い立てるのに忙しすぎるから。それで気づく暇がない。しかしながら、ほんの一瞬でもいい、あなたが、あなたに対する彼らのわめきを止めさせることができた暁には――、彼らは文化戦争における最大にして最良の同盟者たちをそこに見出すことができるに違いない。」*1

*1:引用元. 私訳

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中世~近現代における正教徒のトマス・アクィナス受容/批判について(マークス・プレステッド教授へのインタビュー)

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2015年にオックスフォード大学出版局から出版されたマークス・プレステッド著『Orthodox Readings of Aquinas(アクィナスに関する正教徒たちの読解)』の内容に関し、ロフトン師(東方典礼カトリック)が、ウィスコンシン州マーケット大学プレステッド教授(東方正教)にインタビューしています。以下のような問いです。

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「ヘブル的ルーツ運動」「メシアニック・キリスト教」に関する批判的考察(by ジョセフ・リチャードソン師)

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目次

  • 「ヘブル的ルーツ運動」「メシアニック・キリスト教」に関する批判的考察(by ジョセフ・リチャードソン師)
  • ある脱会者の告白
  • ユダヤ人女性ロザリンド・モス姉妹のストーリー
  • ユダヤ女性ケイティー・ウィング姉妹のストーリー
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聖土曜日(Μεγάλο Σάββατο)――仲介的境界(by パトリック・カールディーン神父)

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Fr. Patrick Cardine, Holy Saturday: A Mediating Boundary, Orthodox West, 2019(拙訳)

 

多くの場合、境界(線)というのは〈ここ〉であり〈あそこ〉ではないという分断の標です。それは、分け隔てる柵であり、〈ここ〉に属し〈あそこ〉には属していないもの、〈わたし〉に属し〈あなた〉には属していないものに対する一種の防御です。

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ヘブル的ルーツ運動(HRM)の歴史観とキリスト教会史における神の憐れみ

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ヘブル的ルーツ運動(Hebrew Roots Movement)の教えを信奉している方々は土曜安息日(シャバット)、過越や仮庵の祭り、レビ記の食物規定の掟等を重要視し、それらを遵守しておられます。この運動に関わっておられる方がブログ記事の中で次のような説明をしておられました。

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私がチャペル・ベールを始めた理由(リリー姉妹の喜びの証)

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ベールを始めようかどうしようか悩んでいるすべての姉妹たちへ。by リリー

 

Jesus swept me off my feet, Veils by Lily (拙訳)

 

ある時、イエス様は私の心を完全に捕えました。私の魂を主は熱烈にお求めになられ、それゆえ、主は小さなホスチアというかたちにおいてご自身を受けることを私にお望みになられました。ホスチアはパンの一かけのようにみえますが、実際にはこれは主のご聖体、血、魂、そして神性なのです。そして主はこの御聖体拝領を通し、私がご自身との親しき交わりに入れられ、ご自身の神性に与ることができるよう招いておられました。私の心はこの御方に捕えられたのです。

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信仰義認について――正教、カトリック、福音主義クリスチャンそれぞれの視点(by セラフィム・ハミルトン師他)

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目次

  • 信仰義認について(by セラフィム・ハミルトン師)
    • 一般的福音主義の義認理解
    • 正教の義認理解
    • いかにして人は義とされるのだろう
    • 「信仰」と「行ない」の関係
  • N・T・ライトの信仰義認見解(by セラフィム・ハミルトン師)
    • 代償・身代わり(Substitution)
    • 義認(Justification)
    • 転嫁(Imputation) 
  • さらなる考察のための資料
    • ①義認に関するカトリックとルーテル派牧師のディスカッション
    • ②人は、転嫁されたキリストの義により、信仰のみによって義とされるのだろうか?セラフィム・ハミルトン師(東方正教)と改革派カルヴァン主義者マット・スリック師(プロテスタント)の公開ディベート
    • ③義認について。ルーテル教会ジョーダン・B・クーパー牧師(プロテスタント)と哲学者ロバート・C・クーンズ師(ローマ・カトリック)の公開ディベート
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