巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

イグナティオスによるローマ人への手紙【AD2世紀前半】第7章――わが唯一の望み

第1-5章はココ。 6章はココ。8章-最終章はココ

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第7章 わが唯一の望み

 

この世の君は、わが心を無理にも運び去り、こうして、神へのわが決心をぐらつかせ、腐敗させようとしています。ですから〔現在、ローマにいる〕あなたがたの内、誰も、〔この世の君である〕彼を介助してはなりません。その代り、私の味方、そして神の味方になってください。

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聖書信仰のクリスチャンはチョムスキーの生成文法をどのように評価すべき?(by ヴェルン・ポイスレス)【大学生の皆さんへの応援記事 その2】

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目次

  • 訳者はしがき
    • 構造言語学、アメリカに上陸
    • ノーム・チョムスキー、突如としてアメリカ言語学界をひっくり返す
    • 日本語訳聖書にも影響しているチョムスキー理論
    • 一極集中の人になろう
  • チョムスキー革命
  • 厳密さと形式化にともなう代価
  • 核文と非核文との間の区分
  • まとめ
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プロテスタント信仰の原点に立ち返る(三谷隆正)

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三谷隆正(1889-1944)京都府与謝郡弓木村(現・与謝郡与謝野町)出身で、横浜で生糸商をしていた三谷宗兵衛の長男として生まれる。明治学院中学在学中、異母姉三谷民子(のち女子学院院長)の影響でクリスチャンとなった。父の事業破産によって、第一高等学校在学中から住み込みの家庭教師として自活。東京帝国大学在学中より、内村鑑三に師事。1915年に大学を卒業すると、法制とドイツ語の教授として第六高等学校に赴任。1924年に病で長女と妻を相次いで失う。1926年に六高を辞して上京、千駄ヶ谷教会に長老として参加。1927年から第一高等学校教授となり、法制とドイツ語を担当。数度にわたる帝国大学教授就任への誘いを断り続け、1942年に講師を辞するまで高校教師として堅実に勤務。温厚な人柄で知られ、一高の良心と謳われた。

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永続性の根底にあるもの(山田昌)

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 「わが憐みなる神よ、御身を呼び求めたてまつる。あなたは私を造り、あなたを忘れていたときにも、その私をお忘れにならなかった。あなたを心のうちに招じ入れたてまつる。

 心が熱望をもってあなたをお迎えするように、心を準備してくださるのはあなたである。熱望を心にふきこんでくださるのもあなたである。いま、御身を呼び求める私を見捨てたもうな。あなたは、呼び求めるものより先に来たりたまい、さまざまな声でくりかえしくりかえし、遠くからその声を聞き、むきかえり、自分を呼びもとめていられるあなたを呼びもとめるように、私に迫りたもうた。」ーーアウグスティヌスの『告白』第13巻1章より

 

目次

  • 永続性の根底にあるもの
  • アウグスティヌスの「現実」
  • ルターの場合
  • キルケゴールの場合
  • 永遠から現代凝視を

 

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論理実証主義とその亡霊たちーー類比的な言語の使用について(by R・C・スプロール)

目次

  • 「類比的な言語の使用」ーー有神論を否定する人々によって攻撃にさらされている原則
  • 神を知り、神について何かを言明することは可能なのか?
  • いかにしてラディカルな懐疑主義が形成されるに至ったのか?
  • 神の超越性と内在性
  • 振り子が振り切れる
  • 神についての類比的認識
  • 一義的、多義的、類比的
  • まとめ

 

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R・C・スプロール(1939年-2017年12月14日 召天)

 

「神のみことばをあなたがたに話した指導者たちのことを思い出しなさい。彼らの生活の結末をよく見て、その信仰にならいなさい。」ヘブル13:7

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プロテスタンティズムというのは「新奇な教えの寄せ集め」に過ぎない?

「プロテスタントとは歴史的に新しく出てきた教会なので『新教』とも呼ばれます。これに対してローマ・カトリックは『旧教』と呼ばれます。正教会は『旧教』でも『新教』でもありません。『正教』です。」

ーー正教会のサイトより

 

今、G・K・ビールの「神殿と教会の使命ーー神の臨在の場に関する聖書神学」(The Temple and the Church's Mission, A Biblical Theology of the Dwelling Place of God)という本を読んでいます。

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イマヌエル・カントとキリスト教世界観(ヴェルン・ポイスレス)

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目次

  • 『純粋理性批判』の冒頭
  • カントにおける一般恩寵
  • 用語の分析
  • 対象に関する認識を作りだすナラティブ
    • 「表象/像」とは何か?
  • 多数の前提、多数の視点
    • 経験論者 vs 観念論者
    • 「対象」とは何か?
  • 脱構築
  • キリスト教世界観
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