巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

われ逆流す!然り、逆行す。

f:id:Kinuko:20201212211103j:plain

出典

あらゆる保守主義は、『物事をそのまま安置しておくならば、それは手つかずの状態でそこにとどまる』という思想を基盤にしている。しかし、実際にはそうではない。ある物事をあなたがそのまま放置しておくならば、それは変化の激流の中に入れられる。真っ白いフェンス支柱をそのままに放置してみよ。それはたちまちの内に黒い支柱と化すだろう。あなたが特にそれを白色にしたいと欲しているのなら、あなたは絶えずそれをペンキで白に塗り続けなければならない。つまり、あなたは絶えず革命を起こしている状態でなければならないのである。簡潔に言おう。古い白色支柱を望んでいるのか?それなら、あなたは新しい白色支柱を取得しなければならない。真の兵士は、ーー自らが前にしているものを憎んでいるからではなくーー、彼の後ろにあるものを愛しているがゆえに闘うのである。(G・K・チェスタトン)

 
東方正教会ジョサイア・トレンハム長司祭は、ジェンダー・フェミニズム問題に関し、臆することなく聖書および聖伝の教えを宣布している司祭の一人です。一昨日、トレンハム長司祭は、「教皇パウロ六世『回勅 フマーネ・ヴィテ』に対する東方正教の見解」と題し、回勅の内容は真であり、人工避妊および中絶に関する伝統的カトリックの立場がまた東方正教の歴史的・正統的立場でもあることを再確認し、それを公に宣言しておられます。

 

www.youtube.com


LGBTアジェンダ推進サイトであるOrthodoxy in Dialogueのジャコモ・サンフィリポ元正教司祭*1は、トレンハム長司祭を始めとする伝統派正教神父たちを「ホモフォビア」と呼び、弾劾しています*2。人工避妊の是非に関し、サンフィリポ氏は、リベラル急進派の立場から以下の記事を掲載しています。

 

orthodoxyindialogue.com


トレンハム長司祭は、こういった人々に対し、次の問いかけをしています。「もしあなたがたの見解が正統なのだとしたら、一人でもいいです、過去のどの聖人が人工避妊を是としていたのか、それを具体的に教えてください。私はこの問いかけをし続けてきましたが、今日にいたるまでまだ回答をもらっていません。」


一連の事項に関し言えることは、これらのテーマに関し、いわゆる「中立的」立場は存在しないということではないかと思います。「自分は中庸路線。だから僕は安全な所から静かに様子を見守っていよう」という人向けの〈傍観者席〉は、中間地帯ではなく、実のところ、LGBTアジェンダ推進派陣営内に設置されている〈特別来賓席〉に位置しているということです。

 

ものすごい濁流がすべてを一つの方向に押し流そうとしているこの危機の際し、私たちに取れる態度はただ一つ、――そう、「死に物狂いで流れに逆行する」ということです。「われ逆流す!然り、逆行す。仲間無くとも逆行す。全身全霊で逆行す。神よ、助け給え!」という決死の覚悟と意志がなければあっという間に押し流されてしまいます。


リベラル派はこの世の大勢と同盟を結び、彼らからの支援を取り付けながら、少数派になっていきつつある伝統派信者たちを「異常者」扱いし、糾弾してやみません。〈特別来賓席〉の規模と割合は今後、各コミュニオン内での決戦において非常に重要な意味を持ってくるように思われます。主よ、トレンハム長司祭のような「維新の志士」たちを日本全国に奮い起こしてください。


ー終わりー

 

fatherjohn.blogspot.com

blogs.ancientfaith.com

japanesebiblewoman.hatenadiary.com

japanesebiblewoman.hatenadiary.com

www.ancientfaith.com

fr. Josiah Trenham, On Contraception According to the Holy Fathers of the Church(PDF)

www.hildebrandproject.org

f:id:Kinuko:20201214164306j:plain

Dietrich von Hildebrand, The Encyclical Humanae Vitae: A Sign of Contradiction, 2018.(アマゾンにて発売。ペーパーバック:1,373円、キンドル版:1,006円)

 

www.youtube.com

*1:サンフィリポ氏は以前正教会司祭でしたが、米国正教会の聖シノドの裁断により聖職剥奪処分を受けました。「私は1995年に司祭職を差し止められ、1999年に離婚し、2002年に聖職剥奪処分を受けました」と本人も認めています。参照

*2:、例、例、例、例、例、例、例、例、例10。今年の1月以降、Orthodoxy in Dialogueは、ジョサイア・トレンハム長司祭の公的執筆・宣教活動を停止させるようジョセフ府主教に訴え出、嘆願キャンペーンを開始しています。