巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

「兄弟たちよ!教会の使徒的信仰を擁護すべく果敢に声を挙げてください。」――トボリスクの主教、殉教者聖エルモゲネスの書簡

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トボリスクの主教であり、ボルシェビキ政権により投獄され殺害された致命者聖エルモゲネス(1858-1918)。以下の文は、殉教前に信徒たちを激励すべくしたためた小冊子からの翻訳引用です。(出典

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日本の精神的雑居文化および「最新舶来品」としてのジェンダー論


「すくなくも日本の、また日本人の精神生活における思想の『継起』のパターンに関するかぎり、彼の命題はある核心をついている。新たなもの、本来異質的なものまでが過去との十全な対決なしにつぎつぎと摂取されるから、新たなものの勝利はおどろくほどに早い。過去は過去として自覚的に現在と向きあわずに、傍におしやられ、あるいは下に沈降して意識から消え『忘却』されるので、それは時あって突如として『思い出』として噴出することになる。」丸山眞男著『日本の思想』より

 

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われ逆流す!然り、逆行す。

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あらゆる保守主義は、『物事をそのまま安置しておくならば、それは手つかずの状態でそこにとどまる』という思想を基盤にしている。しかし、実際にはそうではない。ある物事をあなたがそのまま放置しておくならば、それは変化の激流の中に入れられる。真っ白いフェンス支柱をそのままに放置してみよ。それはたちまちの内に黒い支柱と化すだろう。あなたが特にそれを白色にしたいと欲しているのなら、あなたは絶えずそれをペンキで白に塗り続けなければならない。つまり、あなたは絶えず革命を起こしている状態でなければならないのである。簡潔に言おう。古い白色支柱を望んでいるのか?それなら、あなたは新しい白色支柱を取得しなければならない。真の兵士は、ーー自らが前にしているものを憎んでいるからではなくーー、彼の後ろにあるものを愛しているがゆえに闘うのである。(G・K・チェスタトン)

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東方と西方の伝統派信者たちが共に直面している諸課題

 

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東方正教会であれ、西方カトリック教会であれ、聖書および聖伝を遵守し、主イエス・キリストに忠実であろうとしている人々は、現在例外なく以下の諸問題に直面していると思います。

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「セルフ・コミュニオン」と人間疎外

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一人の人間が画面に映っている。彼女は、各自が家で自在にできる「セルフ・コミュニオン」というもののハウツーを聴衆に教えている。


彼女は自分で司祭の祝祷をし、自分で聖餐のパンを裂き、自分で口に入れ、自分で葡萄酒を領している。彼女は「個」として充足・完結している。彼女は牧師であり司祭だ。なぜなら彼女が自らそのように規定したのだから。だからそれでいい。自律した人間は自己決定することができる。そうではないだろうか。

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古(いにしえ)の福音と神秘的典礼――伝統的リトルジーを求める若者たち

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目次

  • 求道者たちは現代文化が提供できない〈なにか〉を求めている。(by ジェームズ・K・A・スミス教授)
  • カトリック教会ミサと東方正教リトルジーに行ってみた!――ミレニアル世代オースティン君の冒険記録
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