トボリスクの主教であり、ボルシェビキ政権により投獄され殺害された致命者聖エルモゲネス（１８５８－１９１８）。以下の文は、殉教前に信徒たちを激励すべくしたためた小冊子からの翻訳引用です。（出典）
クリスチャンの兄弟たちよ！教会の使徒的信仰、教会の聖なるもの、教会の遺産を擁護すべく果敢に声を挙げてください。信ずる権利を守り抜き、これまであなたがたが学んでき、聖なる使徒たち、聖なる殉教者たち、教会の聖師父たち、修徳者たちに教えられてきた通りの信仰を人々の前で告白してください。
あなた自身の魂の聖潔さ、良心の自由に気を配りなさい。教会の中でいかに祈りに親しみ、救いに与ってきたのか声を大にして告白しなさい。そうすれば、教会の聖なる事がらは、われらが命にもまさり慕わしいものとなるでしょう。実にそれらなしに救済はないのですから。いかなる権力といえども、あなたの信仰、あなたの宗教的良心に反することを要求することはできません。「人に従うより神に従うべきです」と聖なる使徒たちは言いました。
そして私たちもまたそう言わなければなりません。使徒たちは信仰ゆえに喜んで苦難を耐え忍びました。あなたがたもまた犠牲を覚悟し、ポドヴィッグ（修徳的鍛錬）に努めてください。キリストにある力強い信仰で自らを霊的に武装している人に対し、物理的武器や権力は力を持ちません。信仰は山々を揺り動かします。「キリスト者の信仰は異教徒たちの大胆不敵さに対し勝利を収めてきた。」あなたがたの信仰が大胆かつ勇敢なものでありますように！キリストはハデスを打ち破られました。主はまた私たちの教会の敵どもの仕掛けてくる数々の罠をも打ち破ってくださるでしょう。ただ信じていなさい。そうすれば、敵はあなたの前から逃げ去ります。あなたの信仰を死守し、揺るがぬ希望をもってこう宣言しましょう。「神よ、立ち上がってください。そしてご自身の敵どもを粉砕してください」と！
