巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

ポスト近代と「セラピーの統治」(by アルバート・モーラー)


セラビーの統治(The Dominion of Therapy)

 

真理が否定された後には、セラピーが残る――。こうして決定的な問いが、「何が正しいのか?」から「何が私の気分を良くさせてくれるのか?」へと移行していきます。こういった文化的傾向は何世紀にも渡って発展してきたものですが、今やそれは最高潮に達しつつあります。

 

私たちの日々向き合う文化は、ほとんど完全に、フィリップ・ライフの言う「セラピーの凱旋」の征服下にあります。ポスト近代の世界では、すべての問題は結局、「自我」を中心に廻っています。

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心理学エピデミックとその治療――「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う(by ジョン・F・マッカーサー)

目次

  • 「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う
  • 関連記事

 

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John F. MacArthur, Jr, The Psychology Epidemic and Its Cureより抄訳

 

「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う

 

今日使われている表現としての「キリスト教心理学」は、それ自体、矛盾語法(oxymoron)となっています。

 

心理学という語は、もはや心(精神)についての学を言及しておらず、根本的にヒューマニスティックな各種セラピー、あるいは諸理論の寄せ集めを描写するものとなっています。

 

諸前提や、大半の心理学教説は、キリスト教信仰にうまく統合することができません(PsychoHeresy 5-6)。それに加え、教会の教えの中に注入される心理学により、「行動修正」と「聖化」との間のラインがぼかされてきています

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イグナティオスによるローマ人への手紙【AD2世紀前半】第6章――死によって私はまことの命を得る

第1-5章はココ。7章はココ。8章-最終章はココ。                    

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この世のどんなものも、そして地上にあるあらゆる王国も、私にとっては何も意味しない。地の果てに到るまで全世界を統治するよりもむしろ、私はイエス・キリストにあって死ぬことを望みます。たとい全世界を手に入れても、自分自身のいのちを損じるのなら、そこに何の得があるでしょう?

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自己凝視ではなく、キリストを見上げたい。

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「自己を1回凝視する間に、キリストを10回見上げなさい。」ロバート・マクチェーン

 

民数記21:8,9

すると、主はモーセに仰せられた。「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上につけよ。すべてかまれた者は、それを仰ぎ見れば、生きる。」

モーセは一つの青銅の蛇を作り、それを旗ざおの上につけた。もし蛇が人をかんでも、その者が青銅の蛇を仰ぎ見ると、生きた。

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ラディカル・レズビアンからキリスト者へ――ロザリア・バターフィールド女史(元シラキューズ大英文科教授)の救いの証し

 


昨日、ロザリア姉妹のインタビューを聞き、その中で語られている彼女の力強く、真実な証しに感動しました。一人一人の人生の旅路において、主がどのように魂に介入し、ご自身を啓示してくださるのか、私たちはそのくすしき御業にただ賛美と感謝をささげるのみです。

 

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Rosaria Champagne Butterfield, a former tenured professor of English and women’s studies at Syracuse University

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キリストの愛の力(イサク・ワッツの信仰詩)

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雅歌8:5-7、13、14

 

荒野から上って来る、

このひと――この苦悶のひとはだれでしょう?

悲しみと罪に押しつぶされ、

愛する主の胸に寄りかかっているひとは。

 

そうです。彼女はわれらが神、キリストの血潮によって

買い取られた花嫁です。

そして彼女の求め、嘆き――、

それは、すべての聖徒の声なのです。

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用語の「ひとり歩き」に注意したい

少し前に、伝統教会系のカルト化した某団体からやっとの思いで脱出することのできたある姉妹から連絡をいただきました。

 

実際に中に入ってみなければ分からない内部の実態や魂を監督する「牧者」からのメンバーに対する巧妙な心理的操作などに、なにかホラー映画を観ているような恐ろしさを感じると共に、その環境や縛りから、主の力強い御手によって、彼女が出エジプトを果たすことができたことに対し、私たちは主に感謝を捧げました。

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