巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

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闇を照らす神の光と神の義ーー誰が教皇ベネディクト16世を「辞任」に追いやったのか?【ザンクト・ガレン・マフィア、マキャリック、ビガーノ書簡】

「ザンクト・ガレン・マフィア」とは何者か?*1出典

 

昨晩リリースされたジェームズ・グレイン氏の証言ビデオにより、「ザンクト・ガレン・マフィア」("Team Bergoglio"*2.)とマキャリック元枢機卿の間の相関関係に新たな光が当てられ、「ビガーノ書簡」の真実性がさらに強固に裏付けられています。

 

 

スイス系米国人であるジェームズ・グレイン氏は、11歳の時からセオドア・マキャリックの性的虐待および精神的支配を受け始めました。

 

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マキャリックの辞任4カ月後、ジェームズ・グレインは性的虐待の犠牲者として初めて公に口を開きました。『ワシントン・ポスト』2018年11月23日付。出典

 

証言によると、スイスのザンクト・ガレンに留学した若き日のマキャリック(1940年代~)は、かの地でグレイン氏の祖父に出会います。当地のカトリック有力家であった祖父はマキャリックを信用し、彼の後援者になります。ジェームズ氏の誕生後、彼に幼児洗礼を授けたのも当時司祭に叙階されたばかりのマキャリックでした。

 

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スイスの地図:赤色の部分がザンクト・ガレン(St. Gallen)出典

 

このソースによると、ザンクト・ガレン・マフィアの談合は1995年から2006年の間、イヴォ・フューラー主教およびカルロ・マリア・マルティニ枢機卿の主導下になされました。

 

『ナショナル・カトリック・レジスター誌』は、2015年9月号で、ザンクト・ガレン・マフィアの一員であるダンネルス枢機卿がベネディクト16世を「辞任」に追い込む画策をしていた事実を取り扱っています。*3(尚、複数のソースにより、ダンネルス枢機卿のフリーメーソンとの連携が確認されています。*4.)

 

Cardinal Godfried Daneels with Freemason 01

Cardinal Godfried Daneels approves Belgian Freemasonry

 

上記のジェームズ・グレイン氏の証言が真実なものであるとすると、別名「ベルゴリオ・クラブ」とも呼ばれているザンクト・ガレン・マフィアと、性犯罪者セオドア・マキャリックは政治的に密接なつながりを持っていたことになります

 

またジェームズ氏の証言及びこの検証レポートから浮き彫りにされているのは、ヨハネ・パウロ二世時代、マキャリック枢機卿がバチカンの資金集めにおいて重要な役割を果たしていたこと、その後、教皇に就任したベネディクト十六世がバチカン銀行をめぐる不透明な資金の流れに不信感を抱き、当時彼の右腕であったビガーノ大司教にその整理を委託し、また三人の枢機卿に極秘の徹底調査を行わせました。その結果、彼らは2012年12月17日に300頁に渡る赤いバインダー綴じの調査書類をベネディクト十六世に提出しました。

 

上記の情報と、それから、「ビガーノ書簡」の証言の三点ーー

ベネディクト教皇がマキャリックの常習的同性愛行為に対する戒規として、「公の聖務を停止し祈りと悔悛の生活を始めるよう命じた」こと*5

2013年6月23日、ビガーノ大司教は、フランシスコ教皇の住居にて、(「マキャリック枢機卿のことについてどう思いますか?“il cardinale McCarrick, com'è?”」との教皇自身の質問に答える形で)マキャリックが多数の司祭や神学生を性的に腐敗させ、その結果、ベネディクト教皇により、祈りと悔悛の幽閉生活を命じられている旨をフランシスコ教皇に面と向かって伝えたこと*6

にも拘らず、「マキャリックは引き続き、フランシスコ教皇の特別の敬意を享受し続け、教皇によってさらに新しい諸任務や聖務を授与され*7 」公的聖務をなし続けていたことーー、

 

以上の点を綜合してみますと、断片的パズルが一つに合わさってくるように思います。そして2000年11月に米国教皇使節モンタルヴォ(Montalvo)大司教によってマキャリックの常習的同性愛行為が教皇庁に通告されて以来*8実に18年もの間なぜこの常習的性犯罪者が尚も教会の高位ヒエラルキーにとどまり続けることができたのか、その背景的理由がより明瞭になってくると思います。

 

現在、世界中で忠実な信仰者たちが教会の清めのために祈っていると聞いています。グレイン氏を初め、教会内外で聖職者に性的虐待を受けてきた犠牲者たちはビガーノ大司教の勇気ある証言に励まされ、再生と回復の道を歩み出そうとしています。

 

暗闇に神の光のメスが入れられ始めている過程を目の当たりし、私はそこに、花嫁である教会を愛し、教会のために御自身をお捧げになった私たちの主イエス・キリストの御働きと神の義をみます。どうか主の御力と栄光が顕されますように。

 

ー終わりー

 

Cardinal Bergoglio takes the oath of conclave, March 11, 2015, with Cardinal Daneels standing behind him.

2015年3月11日、コンクラーベの誓願をするベルゴリオ枢機卿(現:フランシスコ教皇)と、背後に立つ「ザンクト・ガレン・マフィア」のダンネルス枢機卿Swiss bishops confirm existence of St. Gallen ‘mafia’ « From Rome

 

参考資料

Why did Pope Benedict Resign? McCarrick, Vigano and Vatican Bank Scandals Explained in Detail - YouTube

St Gallen Mafia & Pope Francis: What is it? (Dr Taylor Marshall #154) - YouTube

The Remnant Newspaper - The Gall of the St. Gallen Mafia

*1:写真の右側に写っている赤囲みの人物はダンネルス枢機卿。

*2:"What Is the Truth About Cardinal Murphy-O'Connor and 'Team Bergoglio'?". The Spectator. 25 November 2014.

*3:"Cardinal Danneels Admits to Being Part of 'Mafia' Club Opposed to Benedict XVI"National Catholic Register. 24 September 2015. Retrieved 24 July2017.

*4:Cardinal Godfried Daneels with Freemason 02

Pope Benedict and Freemason Infiltration of Catholic Church (Vigano, Brandmuller, Francis) - YouTube

*5:「2009年もしくは2010年に、私は司教省長官レイ(Re)枢機卿から以下の内容を聞きました。ーーすなわち、ベネディクト教皇がマキャリックに対し、公の聖務を停止し祈りと悔悛の生活を始めるよう命じたということを。教皇使節ザンビ(Sambi)は教皇の命令をマキャリックに通知しましたが、その声は、教皇大使館の廊下にまで聞こえました。」「ビガーノ大司教による第三の書簡」より。引用元

*6:「2013年6月23日、私はフランシスコ教皇に彼の住居で会い、明確に説明してくれるよう頼みました。すると教皇は私に「マキャリック枢機卿のことについてどう思いますか?“il cardinale McCarrick, com'è?”」と訊いてこられました。

これはどう考えても、好奇心を装った態をなしつつ、私がマキャリックの同盟者なのか否かを探ろうとの意図の下になされた問いであるとしか受け取れませんでした。私は教皇に申し上げました。マキャリックは多数の司祭や神学生を性的に腐敗させ、その結果、ベネディクト教皇により、祈りと悔悛の幽閉生活を命じられていると。」「ビガーノ大司教による第三の書簡」より。引用元

*7:「ビガーノ大司教による第三の書簡」より。引用元

*8:「ビガーノ大司教による第三の書簡」より。引用元