巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

私たちの十字架の道を共に歩いてくださる御母

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「御子の十字架は、あらゆる側面において、あらゆる痛みにおいて、母なる心を刺し通す両刃の剣となります。両者の悶絶は等しく計り知れないものです。唯一の違いは、動的にして、自発的、そして自ら進んでの御子の受容が、母においては静的、不可避的な共受容(co-acceptance)となったことです。」パリの聖マリヤ*1*2

*1:Skobtsova, Essential Writings, 68.

*2:パリの聖マリヤ。

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1891年ラトヴィア生まれ。ロシア革命時に亡命。亡命者、貧しい者、孤独な者に奉仕。第二次世界大戦時にはナチス占領下のフランスで、ユダヤ人達を助け続けたが、ついにゲシュタポに捕えられる。ラーフェンスブリュック強制収容所に送られ、1945年、ガス室にて殺害された。2004年、コンスタンディヌーポリ総主教庁の聖シノドにより列聖。記憶日は7月20日。参照

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トマス・アクィナスと正教ーーマークス・プレステッド著『Orthodox Readings of Aquinas』書評(by アンドリュー・ラウス、ダラム大学)

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聖トマス・アクィナス(出典

 

www.firstthings.com

 

Andrew Louth, The Dumb Ox and the Orthodox: A Review of Orthodox Readings of Aquinas by Marcus Plested, First Things(抄訳)

 

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Marcus Plested, Orthodox Readings of Aquinas, Oxford University Press, 2012 

 

ギリシャ人はラテン文化にはなんら関心を持っていませんでした。古典期がそうでしたし、その傾向は教父たちにも継承されました。(但し、ギリシャ人たちの、大聖グレゴリウスに対する関心は例外。)

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東方の文脈で「scholastic...」という表現がなされる時、それは具体的に何を意味しているのだろう?【東西キリスト教と理性】

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東方正教のビザンティン学者であるアンドリュー・ラウスが「アクィナスと正教の関係」について書評を書いており、大変興味深く読ませていただきました。

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「アンダーソン型」病理の分析と治癒

「アンダーソン型」病理を対岸の火事視していいのだろうか?

 

独立バプテスト教会のスティーブン・アンダーソン牧師の教説をマイケル・ロフトン師が分析しています。

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嗚呼、ビザンティン・カトリック教会!

前記事〕からの続きです。

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出典

 

目次

  • 御父のモナルキア
  • ある神学生の苦悶の告白
  • 友に電話し打ち明ける。
  • おわりに

 

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ビザンティン・カトリシズムは「包括的」?それとも「トリッキー」?【さあ、フィリオクェ問題に取り掛かろう!】

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ふぅ~、いろいろ大変だね。

 

目次

  • はじめに
  • 東方典礼カトリック教会とはどんな教会?
  • Ορθοδοξίαの語用やフィリオクェ問題を通し、ビザンティン・カトリシズムの「微妙さ」を痛感!
  • 困ったなぁ
  • マヌエル・ニン主教の元を訪れる。
  • 正教修道院を訪れる。

 

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