巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

黙示録2章のニコライ派に関し一般に信じられている〈神話〉についてーー「語根にかかわる誤謬(root fallacy)」の事例

ニコライ派ーーキリスト教内における権力とコントロール(ヘブル的ルーツ運動に関与するMidrash Monthlyのサイトより)Nicolaitan | Midrash Monthly

 

目次 

  • はじめに
  • 初代教会の証言
  • 現代の実例
  • 結語
  • 〔一次資料〕ニコライ派に関する古代および中世文献
  • 〔補足〕ウォッチマン・ニーの「ニコライ派」解説

 

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言語学者たちの語彙的誤謬について(by ダニエル・B・ウォーレス、ダラス神学校 新約学)

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ソシュールは,言語変化を研究する「通時的な(diachrony)」言語学と,ある時点における言語の状態を研究する「共時的な(synchrony)」言語学を峻別することを主張した.ソシュールによれば,この2つの観点はまったく相容れず,完全に対立するものである.それは,ちょうど木の幹を切る2つの方法に相当する.1つは幹を水平に切り,年輪の刻まれた断面図を観察すること.もう1つは,垂直に切り,時間軸に沿った木の成長を観察することである.(引用元

 

目次

  • 言語学者たちが正当にも指摘した4つの誤謬
  • 言語学者たち自身の3つの誤謬
    • 「文脈を離れては単語には意味がない。」という考え
    • 「通時態(diachronics)は助けにならない。」という考え
    • 「語源学は常に価値がない。」という考え

 

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聖書理解における地平の融合ーー「疎隔」について(D・A・カーソン、トリニティー神学校)

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地平(出典

 

D.A. Carson, Exegetical Fallacies, Introduction, p.20-22.(拙訳)

 

聖書の批評的研究に常につきまとう危険は、解釈学者たちが呼ぶところのいわゆる「疎隔(distanciation)」にあります。疎隔というのは、批評的働きにおける必要要素です。しかしこれは困難なものであり、時に代価を伴います。

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離れても、いつかきっと再会する。

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山や空をぱっと見ると、それは完結した一枚の静止画のようにみえます。しかししばらく見つめていると、そこに〈動き〉があることに気づきます。雲は形や表情を変えつつ、ふくらんだり、薄くなったり、丸くなったりしながら、たえず動き、山の木々も風に揺れたり、しないだりしながら、一瞬たりとも変化の動きを止めていません。

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言語における慣習性(conventionality)ーー「ヘブライ的思考 vs ギリシャ的思考」という教説の問題点について(by アンソニー・ティーセルトン)

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トーレイフ・ボーマン著『ヘブライ人とギリシヤ人の思惟』(新教出版社)(原題:Hebrew Thought Compared with Greek

 

ヘブライ語の歴史ーー「抽象」と「具体」(ジェフ・A・べンナー氏の教説)

 

Anthony Thiselton, 'Semantics and New Testament Interpretation', in Howard Marchall (ed.), New Testament Interpretation: Essays on Principles and Methods, Carlisle: The Paternoster Press, 85-88.(拙訳)

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懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし②ーーなぜ懐疑主義は人間本性にフィットし得ないのかについて(by エスター・ミーク)

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出典

目次

  • 「懐疑」から「確かさ」へ、そして再び「懐疑」【サイクルその2】
  • 「懐疑」から、、、そして次は何?【サイクルその3がスタート】
  • なぜ懐疑主義はフィットし得ないのかについて
  • そして今、どうなっているの?
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懐疑に苦しむクリスチャンへの励まし①ーー「知る」ことについて(by エスター・ミーク)

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エスター・L・ミーク。ペンシルベニア州ジュネーブ大学哲学科教授。ヴァン・ティル学派の前提主義、ジョン・フレームの多元遠近法(multiperspectivalism)及び、マイケル・ポランニーの暗黙知(tacit knowledge)をベースに、契約主義キリスト教認識論を構築。モダニズム的認識論、ポスト近代の懐疑主義その両方を批判しつつ、ポストモダンの世界で私たちキリスト者がいかにして神を知り、また証し人として生きてゆくべきかを探求する哲学者。尚、彼女はクリスチャン・ホームに生まれ育ちながらも、青春時代、大学、院生時代とずっと懐疑の問題に苦しんできた経験があり、本書は同様の葛藤を覚えている若いクリスチャンに対する励ましのメッセージともなっている。(詳しくは「知ることは可能か?」キリスト教認識論ーー21世紀の激戦地

 

目次

  • 「知る」ってどういうこと?
  • 「懐疑」から「確かさ」へ、そして再び「懐疑」【サイクルその1】

 

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