巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

永続性の根底にあるもの(山田昌)

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 「わが憐みなる神よ、御身を呼び求めたてまつる。あなたは私を造り、あなたを忘れていたときにも、その私をお忘れにならなかった。あなたを心のうちに招じ入れたてまつる。

 心が熱望をもってあなたをお迎えするように、心を準備してくださるのはあなたである。熱望を心にふきこんでくださるのもあなたである。いま、御身を呼び求める私を見捨てたもうな。あなたは、呼び求めるものより先に来たりたまい、さまざまな声でくりかえしくりかえし、遠くからその声を聞き、むきかえり、自分を呼びもとめていられるあなたを呼びもとめるように、私に迫りたもうた。」ーーアウグスティヌスの『告白』第13巻1章より

 

目次

  • 永続性の根底にあるもの
  • アウグスティヌスの「現実」
  • ルターの場合
  • キルケゴールの場合
  • 永遠から現代凝視を

 

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論理実証主義とその亡霊たちーー類比的な言語の使用について(by R・C・スプロール)

目次

  • 「類比的な言語の使用」ーー有神論を否定する人々によって攻撃にさらされている原則
  • 神を知り、神について何かを言明することは可能なのか?
  • いかにしてラディカルな懐疑主義が形成されるに至ったのか?
  • 神の超越性と内在性
  • 振り子が振り切れる
  • 神についての類比的認識
  • 一義的、多義的、類比的
  • まとめ

 

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R・C・スプロール(1939年-2017年12月14日 召天)

 

「神のみことばをあなたがたに話した指導者たちのことを思い出しなさい。彼らの生活の結末をよく見て、その信仰にならいなさい。」ヘブル13:7

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プロテスタンティズムというのは「新奇な教えの寄せ集め」に過ぎない?

「プロテスタントとは歴史的に新しく出てきた教会なので『新教』とも呼ばれます。これに対してローマ・カトリックは『旧教』と呼ばれます。正教会は『旧教』でも『新教』でもありません。『正教』です。」

ーー正教会のサイトより

 

今、G・K・ビールの「神殿と教会の使命ーー神の臨在の場に関する聖書神学」(The Temple and the Church's Mission, A Biblical Theology of the Dwelling Place of God)という本を読んでいます。

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イマヌエル・カントとキリスト教世界観(ヴェルン・ポイスレス)

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目次

  • 『純粋理性批判』の冒頭
  • カントにおける一般恩寵
  • 用語の分析
  • 対象に関する認識を作りだすナラティブ
    • 「表象/像」とは何か?
  • 多数の前提、多数の視点
    • 経験論者 vs 観念論者
    • 「対象」とは何か?
  • 脱構築
  • キリスト教世界観
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「今」を走り、恒久のうちに彼方を望む。

山上の垂訓(マタイ5:3-12)の詠唱

コイネー・ギリシャ語

(Εν τη βασιλεία σου μνήσθητι ημών Κύριε, όταν έλθης εν τη βασιλεία σου.

「主よ。あなたの御国の位にお着きになるときには、私を思い出してください。」ルカ23:42)

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聖書信仰のクリスチャンは、ソシュールの構造言語学をどのように評価すべき?(by ヴェルン・ポイスレス)【大学生の皆さんへの応援記事】

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目次

  • 訳者はしがき
  • 〔記事①〕20世紀における思想の一大転換の流れを掴む
    • 「歴史」から「構造」へ
    • 文化的変遷
    • 構造の研究
    • 旧き挑戦、そして新しき挑戦
  • 〔記事②〕ソシュールの構造言語学について
    • 構造言語学における単純化
    • フェルディナンド・ソシュール(Ferdinand de Saussure)
    • 統合関係と連合関係
    • 言語記号のモデル
    • 還元主義

 

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聖書の霊感と権威(宇田進師 他)

目次

  • 聖書論への基本的アプローチ(宇田進師)
    • エルンスト・トレルチ「歴史的方法」
    • R・K・ブルトマン「聖書の非神話化論」「実存論的解釈」
    • 聖書観の構築ーー聖書の「自己証言」に基づいて
  • 霊感とは
  • 十全霊感
  • 言語霊感 
  • 有機的同流
  • 聖書は神のことばである
  • 聖書の無謬性・無誤性
  • 聖霊の内的証明
  • 【追加資料】「聖書信仰の問題の根底にあるのはやはり権威の問題」(鞭木由行師/聖書神学舎校長)
    • 帰納的論証
    • 前提的方法論
    • 信仰の出発点としての至高のキリスト
  • 【追加資料2】A・ティーセルトンによるE・トレルチの「歴史的方法」批評〔英文〕
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