薄暗い礼拝堂は、聖なる静寂で満ちていました。街の喧騒を後にし、私たちはマリア様のイコンの前にたたずみます。1世紀、2世紀、5世紀、7世紀、10世紀、13世紀、15世紀、17世紀、19世紀、20世紀、、ああ、これまでどれだけ多くの女性たちがマリア様に執り成しを願い、彼女の謙遜、美徳、やさしさ、貞操、純潔、慎み、信仰に倣おうと額づいたことでしょう。
祈りについて(聖ヨハネ・クリュソストモス)
祈りと言う時、私が意味しているのは口から発せられることばだけでなく、心の芯奥から湧き出てくるものをも指しています。深く根を張った樹々が嵐に害されたり根こそぎにされたりしないように、心の奥底という深い根から汲み出される祈りというものもまた、全き確信とともに天へと昇ってゆき、それらはいかなる思念によっても打ち負かされることはありません。それゆえに詩篇はこう言っているのです。「主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。」(詩篇130篇1節)
ー聖ヨハネ・クリュソストモス(4世紀)On the Incomprehensibility of God, Sermon 5.(拙訳)
続きを読む「永遠の哲学」(Perennial philosophy)、新プラトン主義【ニューエイジ、エキュメニズム運動の思想源流】
東方正教会のデイビッド・P・ハリー氏がPerennial Philosophy vs Logos Spermatikos(永遠の哲学 vs ロゴス・スペルマティコス)という講義の中で、現代のニューエイジ、エキュメニカル運動等の思想系譜を概説しています。
プロテスタント救済論について(ジョサイア・トレンハム長司祭)
Archpriest Josiah Trenham, Rock and Sand : An Orthodox Appraisal of the Protestant Reformers and Their Teaching, 2015. Chapter II Heresies of Protestantism(抄訳)
それでは今度は、救いに関するプロテスタント教義に注目していくことにしましょう。プロテスタント救済論の最大問題は、徹底したその還元主義にあります。
教会とエキュメニズム(by スピリドン・ベイリー神父)
もしも魂が教会の教えを身に着けていないのなら、彼の内にイエスが王座に就くことは不可能である。聖ヒエロニムス(4世紀)
やがて諸階層、諸国の民は似たような思想を持つようになり、大きな歓喜の内に反キリストを王として高らかに宣言するようになるであろう。シリアの聖エフレム(4世紀)
訂正とお詫び(オリゲネスに関する翻訳記事について)
FirstThings誌に掲載されたデイビッド・ベントリー・ハート氏のオリゲネス論("Saint Origen")を以前、本ブログにて翻訳掲載いたしました。オリゲネスは一般に評価の難しい人物ですが、教会は諸公会議を通し、実に何百年という歳月をかけ、オリゲネス問題に誠心誠意取り組み、裁定を下してきました。そのような歴代教父たちの尽力や過去の公会議記録・著述を深く学ぶこともないままに、一神学者ハート氏独自のオリゲネス評を軽率にも翻訳掲載してしまったことを現在深く悔いております。当該記事は削除いたしました。本当に申し訳ありません。
その他にも、自分の無知、誤信ゆえに誤って翻訳してしまった記事がきっとあることでしょう。誤りが判明し次第、神父様に相談しつつ、訂正もしくは削除していくつもりです。みなさん、おゆるしください。
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-Philip Schaff ed., Nicene and Post-Nicene Fathers: Second Series, Volume XIV the Seven Ecumenical Councils.
-Pauline Allen ed., Sophronius of Jerusalem and Seventh-Century Heresy: The Synodical Letter and Other Documents (Oxford Early Christian Texts) , 2009.
-Saint John of Damascus, Writings: The Fount of Knowledge- The Philosophical Chapters, on Heresies, the Orthodox Faith (The Fathers of the Church, Vol. 37), 2012.
-Jordan Peterson, Origen, Darwin & Absolute Simplicity--Traditional Philosophy EP 4, Jay's Analysis, 2019. (youtube)
-ヤロスラフ・ペリカン著『キリスト教の伝統 教理発展の歴史〈第1巻〉公同的伝統の出現(100‐600年)』、2006年
-J.メイエンドルフ著『ビザンティン神学―歴史的傾向と教理的主題』、2009年
序章と終章、、、そして新たなる序章。
東方正教徒として初めての受難節を迎えました。聴罪司祭であり師父である修道司祭からの霊的助言を仰ぐ中、「受難節のこの期間は特にたましいの静寂(ἡσυχία, ヘシュキア)を追い求め、多言を避けつつ、主の前に静まるようお努めなさい」という指導を受けています。
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