巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

あの角を曲がった先に

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出典

 

あの角を曲がった先に、

友がいたら、と思う。

 

緑に輝く森を、丘を

友とそぞろ歩きたい。

 

たくさんの分断壁にはばまれ、

久しく互いがみえなかった。

 

でも柔らかな木漏れ日は、

別たれることなき天上から

今日も等しく私たちを照らしている。

 

道が曲がりくねっていて、

さみしいのは、

ついにあなたを

探し出すためなのかもしれない。

 

この角をまがり、

苦しみながら、

次の角をまがる。

 

そうすると、

もうひとつ別の角をまがってやって来た

あなたが

夢のようにそこにいた!

 

遭逢。再会ーー。

けっして別れなき永遠の朝。

 

だから、

曲がり角の向こうにいる

友の幻影を追いつつ、

私は進み行きたい。

 

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用語のひとり歩きに注意しようーー誤用・乱用されがちなニューマンの「キリスト教教義の発展」というコンセプトについて

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発展(development)とは?

 

かつて誰かによって提唱された言葉が、時代を経るにつれて、作者の元来の意図や限定的文脈を超え、さまざまに解釈されつつ、「言葉のひとり歩き」を始める事例は歴史上、後を絶たないと思います。

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至福者の苦しみ(ライサ・マリタンの回想録より)

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「イエス・キリストに仕えることを表明しつつ、内心では自分自身を崇めている者達よ、震え慄きなさい。神はお前達をその敵に委ねようとされているからです。諸々の聖なる場所は腐敗の内にあり、多くの修道院は最早神の家ではなく、悪魔の王とその仲間達の牧場となっているからです。」ラ・サレットでの聖母マリアの警告出典

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伝統と暗黙(Tradition and Tacit)ーーアンドリュー・ラウス、ダラム大学

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神秘、伝統、、わがたましひは黙してただ神をまつ。(出典

 

目次

  • はじめに
  • アンドリュー・ラウス著「伝統と暗黙」
    • 「伝統」を巡るカトリックとプロテスタントの論争
    • 交わり(fellowship; κοινωνία)
    • 典礼(liturgy)
    • 発話を超える事実ーーthe inarticulate、沈黙
    • 伝統と御霊
    • おわりにーー「心における福音」
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神への切望

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出典

 

ああイエスよ、永遠の栄光の輝き、巡礼者の魂の慰め主よ、あなたの御前にわたしの舌は語らず、わたしの沈黙があなたに語るのです。どうか主の貧しいしもべの所に来てこれを喜ばせてください。み手をのべてあわれな者をすべての苦悩から救ってください。来てください。来てください。あなたがいなければ一日も一時も喜びはありません。

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東西を結ぶ古の架け橋ーー美しいアンブロジオ聖歌の世界

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イタリア、ミラノにあるサンタンブロージョ聖堂(Basilica di Sant'Ambrogio)。献堂は386年。(写真

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