巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

森の修道士たち(V. N.ウトレネフの信仰詩)

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森の深奥でのある晩。

鄙(ひな)びた僧院が天の川のごとく輝き、

単一の鐘の音が霞みの中をつき進み、

今や終わらんとしている日の軌跡を画いている。

 

祝祷の鐘の下、

真直ぐな高い松がじっとたたずみ、

聖人たちの古のイコンの前で

森の長老たちが永く立ち、ひた祈っている。

 

深森のやすけさという広漠とした海の中で、

隠修士たちは、

異世界の生を映し出すかたちのように、とどまる。

悲しみ、嘆き、苦痛の呻き、積年の反目、傷つけ合い、紛争なき世界ーー。

 

全てを後に。

苦悶の歳月。それらは皆やがて過ぎ去る。

涙。

地上に生きた足跡さえも。

 

そして太陽が再び、誰も見ることのできぬ神の園に

光を注ぐとき、

この森は変容する。

各々の樹木の芳香とともに、

無数の賛美の声が、

永遠の太陽である神の元に立ち昇っていくのだ。

 

- V. Utrenev, The Forest Monastics.translated from Russian by Kosara Gavrilovic.(私訳)