主よ、汝のしもべは、家になにも持っていません。
共用のオイル一杯でさえも。
なぜなら、冷酷で強硬な〈あの人〉が、
――人が「苦痛」と呼ぶ、武装した〈あの人〉が、
繰り返し、繰り返し、私のまずしい家を襲い、
荒らし回るからです。
それでも自分には勇気があると思っていました。
どんな時にも静かにしのぶ忍耐があると。
そして時折のたのしい歌が。
でも今、私は知りました。
汝のしもべには本当になにも無いということを。
歌鳥と、彼女の折れた羽。
――
わがしもべよ。わたしは家に来ている。
苦痛の極限を知るわたしは、
肉と霊をひるませ、怖気づかせるあの者の力を
知りすぎるほど知っている。
わたしは、むち、棘、釘を忍苦しなかっただろうか?
汝の勝利者であるわたしが、家にいる。
だから心を騒がせてはいけない。恐れてはならない。
わが子よ、わたしがここに在るのなら、なにを恐れるのか。
折れた羽にわが御手がふれるとき、
汝は、いよよ勇武な歌を謳うようになるだろう。
Amy Carmichael, Nothing in the House(私訳)