巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

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聖グレゴリウス・パラマスとヘシュカスト論争(by マークス・プレステッド教授)

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Marcus Plested on St Gregory Palamas and the Hesychast Controversy, 2021.(抄訳)


「結論を申し上げますと、(ポドスカルスキー見解に代表されるような)「理性の敗北」、(ロスキーらの見解に代表されるような)「アンチ・スコラ哲学的神秘神学の勝利」、その他もろもろのアンチ・ラテン観を正当に特徴づけるようなものは、聖グレゴリウスの神学の中には見い出されません。つまり、パラマスの神学があたかもラテン西洋スコラ哲学に対するアンチテーゼであるかのような提言は妥当とは言いかねるということです。」


「ここにおいてもまた、ラテン西洋に対し最も辛辣な敵意を表したのはパラマスの論敵たちであってパラマス自身ではありませんでした。ビザンツ世界において、『ラテン的思考者』というレッテルほど致命的な中傷はありませんでした。ラテン人たちに対する神学的同情は、政治的にも文化的にも四面楚歌状態にあった帝国に対する反逆や裏切り行為に等しいものと見なされかねなかったのです。確かに『ラテン的思考者』とか『ラテン・シンパ』といった非難はヘシュカスト論争の時期、しばし頻用されましたが、論争自体は決して『東方』vs『西方』という対立にあったのではなく、あくまでそれは、ビザンツ神学の伝統的パラメーター内においてなされた内部論争であったということがいえます。」

 

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