巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

オプティナ修道院聖師父たちの朝の祈り

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Προσευχὴ τῶν πατέρων τῆς Ὂπτινα(拙訳)

 

おお主よ。今日というこの日に自分にもたらされるあらゆる事を、霊的静けさをもって受け止めることができますように。あなたの聖なるみこころに全く自分を明け渡すことができますように。

 

今日いつの時間にも、すべてのことにおいて私を導き、支えてください。この日、いかなる知らせが耳に入ろうとも、それらを落ち着いた心で受け止め、そして、あなたの許しなしには何事も起こり得ないという揺るがぬ確信をもって受容することができるよう私を教え導いてください。

 

話す言葉や行ない全てにおいて、私の思いと感情を導いてください。たとい予期せぬことが起こっても、それら全てがあなたから送られてきているものであるという事を忘れることがありませんように。

 

家族一人一人に対し、そして周りにいるすべての人に対し、まごころと知恵をもって接することができますように。誰に対しても辛く当たったり、悲しませたりすることがないよう私を助けてください。

 

おお主よ。今日一日の労苦、そしてあらゆる出来事に耐えることができるよう私に力をお与えください。私の意志を導いてくださり、そしてこの者が祈り、信じ、望み、忍耐し、赦し、愛することができるようどうぞ教え導いてください。アーメン。

 

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メモ

19世紀、オプティナ修道院はロシア正教会のもっとも重要な霊的中心地でした。

 

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出典

 

特に当修道院の長老たち(スターレッツ)の霊性は際立っていました。これらの聖師父たちの知恵、聖性、霊的賜物を通し正教会に霊的刷新がもたらされました。フョードル・ドストエフスキー、ニコライ・ゴーゴリ、イワン・ツルゲーネフ、レオ・トルストイ等の文豪たちも当修道院に出入りしていました。一説によれば、ドストエフスキーの古典作品『カラマーゾフの兄弟』の登場人物ゾシマ長老のモデルは、オプティナ修道院のアンブロシイ長老だといわれています。ロシア革命後、長老たちは強制追放され、修道院は閉鎖させられましたが、1987年、当修道院は他に先駆け、息を吹き返しました。1990年代には、卓越したオプティナ長老たちの大半が聖人として列聖されました。(参照