巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

異教神への舞踊儀礼と ‟かくれた母” マリア様【賛美フラとプロテスタント諸教会】

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フラダンス(出典) 

 

日本のプロテスタント諸教会には十数年前から、ハワイ経由で「賛美フラ(=ゴスペル・フラ)」という礼拝フラダンスが導入され始め、瞬く間に全国の諸教会に広まっていきました。

 

2017年から18年にかけ、私は賛美フラを始めとする礼拝ダンスの是非をめぐるさまざまな文献を読み、人々とディスカッションし、その過程で多くの有益な気づきが与えられました。

 

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フラの起源については諸説ありますが、ある伝説によれば、女神ラカがモロカイ島の聖地カアナにフラを生んだといわれています。モロカイ島では毎年5月にフラの誕生を祝い、「踊りの中心」を意味するカフラピコという祭りが開かれているそうです。別の伝説では、ヒイアカが姉である火山の女神ペレの荒い気性をなだめるために踊ったのが始まりだといわれています。(参照) 

 

元来異教女神に捧げられていたフラダンスを‟聖別”した上でそれらをキリスト教礼拝の中に取り入れるという発想は、例えば、ハワイのニューホープ・クリスチャン・フェローシップ牧師ウェイン・コディロ師の「文化」に対する考えや、同じくハワイに発祥した「土着の民運動」の基本信条の中に表れています。私自身も異文化の人々に福音を伝えたいという願いを持つ一人として、これらの方々の善意や創意工夫には常に敬意を払っています。

 

ですが、人々のそういった純粋な思いや意図にも拘らず、異教舞踊はやはり——どんなにキリスト教的装飾を施し、クリスチャン・ソングに合わせて踊ったにしても——異教ダンスそのものの中に生来的に付随している異教崇拝や異教的諸要素を払拭することはできないのではないかと思えてなりませんでした。

 

つまり、私たちの宣教方針がどうであれ、異教舞踊が‟清められ”キリスト教文化に吸収されるのではなく、逆に異教的諸要素がキリスト教会の中にじわじわ侵入し、教会文化をペイガナイズさせ世俗化させる契機になってしまっているのではないかと危惧したのです。

 

例えば、聖母マリアは私たちクリスチャン女性が模倣すべき最高の女性像です。そのマリア様に関し、聖グレニョンド・モンフォール(1673-1716)は『聖母マリアへのまことの信心』の中で次のように述べています。

 

 

「マリアは、この世では、まったくかくれて生活されました。そのため、聖霊からも教会からも “アルマ・マーテル” すなわち “かくれた母”と呼ばれておいでになるのです。マリアは、たいへん謙遜な方でした。彼女が地上で燃やしておられた最大の、絶えまない情熱は、自身からも全被造物からも、まったくかくれることでした。神にだけ知られるためです。

 マリアは、神にできるだけ自分をかくしてくださるよう、できるだけ自分を貧しく卑しくしてくださるようにと熱心に祈っておられました。だから、神も喜んで、ほとんど全ての人の目から、マリアをおかくしになったのです。」*1

 

できるだけ自分をかくしてくださるように、できるだけ自分を貧しく卑しくしてくださるようにと、マリア様は熱心に神に祈っておられたとあります。その “かくれた母” であるマリア様がある日、会堂のステージ中央でヒルソングの「♪シャウト・トゥ・ザ・ロード」に合わせ、賛美フラを踊るよう、宣教委員会の人々から依頼を受けました。私は茶化して書いているのではありません。真剣にこの問題をみなさんと共に考えてゆきたいと願いつつ今記事を書いています。

 

(*以下サンプルに挙げる賛美フラのVTRは数多くある類似の礼拝ダンスVTRからランダムに抽出したもので特定の諸教会や個々人に焦点をおいたものでは全くありませんのでどうかその点をご理解・ご了承ください。) 

 

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問いかけ

‟かくれた母” マリア様はこの場におられるでしょうか。マリア様はそれと同じ衣裳で同じように下半身をくねらせ、十字架の前で踊っているでしょうか。彼女は「どこ」にいるでしょうか。そして最愛の御子は「どこ」にいるでしょうか。

 

聖なるマリア様の居場所があるところに私たち女性の向かうべき心の聖所もあるように思います。互いに励まし合い、信仰の旅路を歩んでいきましょう。

 

ー終わりー

 

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