時代精神を読み取り、闘う、勇敢な牧者の元に逃れたい。
牧場の中で獰猛なオオカミの一群が羊たちを追い回し、惑わし、肉を引き裂いています。囲いの外にいる羊たちもまたその恐ろしい光景をみ、震えています。内に腐敗、外には迫害の前兆ともみえる不吉な黒雲がたちこめています。
平常時には「A神父の神学は、、」「B神父の歌い方は、、」等と比較的余裕をもって牧者評価していた羊たちも、絶体絶命のこの危機を前に、もはや一つの事しか考えていません。ーーそう、今この瞬間、いったい誰が私たちを死の恐怖から救ってくれるのかと。私たちの盾となってくれ、狼と闘ってくれる強い人はどこにいるのだろう。
正統信仰告白は無論のこと、カオスと恐怖と動乱の中で今、羊たちが血眼になって探しているのは、具体的要塞としての牧者であり、現実を見据えた上で的確なる導針を与える預言者的「声」であり、実際的戦闘力をもった勇者としての男性です。
小さい娘が自分を守ってくれる父親の元に一目散に駆けていくように、私もそのような牧者の元に駈け行き、彼の裾にすがりつきたい。