こじんまりした森の中に
十字架が輝く。
鐘の備わった、
五つの円天井の教会。
木立一帯に鳴り響く鐘音。
いとも悲しげに、
且つ、恵みに満ち満ちて。
それは私を誘い、
抗しがたいほど強く引き寄せ、
忘却の彼方にある
祝されし郷土へと私を招き、
呼び入れている。
切望心に充ち、
知らざる痛みにかられ、
私は祈り、懺悔し、
落涙のなかで、
あらゆる悪行を拒絶する。
甘美なる夢の中、
わが魂はどこまでもどこまでも飛翔する。
天空の領域まで。
そして歓喜にあふれし心は
震えつつ、
やすらかに溶かされていくのだ。
鐘の音がゆっくりと
消えてゆくまでーー。
A.K. Tolstoy, A Peal of Bells,
Translated from Russian by Natalia Sheniloff(私訳)