巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

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「典礼の乱用によりカトリック教徒の信仰に深刻なダメージがもたらされている。」(シンディー・ウーデン記者)【カトリック・ヘラルド紙】

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「彼らは教会の瓦解をはかる自分たちの計画を教会の外側ではなく、内側から実行に移すからです。したがって、危険はおよそ教会の血管ならびに心臓に存し、彼らが教会をより近しく知っているという事実自体により、一層確実に危害を及ぼすものとなっています。

さらに、彼らは斧を枝や芽にではなく、根、すなわち信仰とその最も内奥の繊維に振るうのです。そして、一旦この不滅の根に斬り付けた彼らは、木全体に毒を広げるのです。」聖ピオ十世回勅『パッシェンディ・ドミニチ・グレジス』(引用元

 


Liturgical Abuses Lead To Serious Damage To The Faith Of Catholics!

(拙訳) 

  

執筆:シンディー・ウーデン記者

 

「神に対する信仰の弱まり、自己中心性の高揚、ミサ出席者の減少等は、元を辿ると、神への畏敬の念に欠ける誤った形でのミサがその根本原因です」と二人の枢機卿及び顧問が語っています。

 

レイモンド・レオ・バーク枢機卿*1(元最高裁長官)は「私たち人間が典礼の中心だと思い誤るなら、その時、ミサはむしろ私たちを信仰の喪失へと凋落させていくでしょう。」と述べています。

 

バーク枢機卿および教皇庁典礼秘跡省長官アントニオ・カニサレス・ジョヴェラ(Antonio Cañizares Llovera)枢機卿は、ニコラ・ブックス神父*の著書『ミサに出席しつつも、信仰を失わないでいる方法』(イタリア語版、スペイン語版有り)の発売記念会に立ち合いました。

 

Cómo ir a misa y no perder la fe (Spanish Edition) by [Bux, Nicola]

スペイン語版

 

バーク枢機卿はブックス神父に同意しつつ、記念会に集まった人々に向かい、「典礼の乱用により、現在、カトリック教徒の信仰に深刻なダメージがもたらされています」と語りました。

 

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バーク枢機卿

 

枢機卿は言います。ーー遺憾なことに、余りにも多くの司教や主教たちが典礼規範を侵害していながら、あたかもそれらを枝葉末節なことであるかのように瑣末に取り扱っています。しかしながら実際には、それらの侵害は、‟深刻な乱用(serious abuses)” なのです。

 

カニサレス枢機卿は、書名こそ挑発的ではあるけれども、自分はその内容に賛同していると述べ、次のように言っています。「私たちが適切な仕方でユーカリストに臨まない時、そしてリトルジーが教会の規範に従って執り行われていない場合、聖体拝領への参加はむしろ私たちの信仰を弱め、もしくは喪失させ得ます。」

 

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カニサレス枢機卿(出典

 

「これは、〔ローマ典礼の〕通常形式のミサ、特別形式のミサの別を問わず、双方において起こり得ることです。」

 

カニサレス枢機卿は続けて言います。神が不在であるかのように生きている人が圧倒的である今日の社会の中にあって、人々は、ーー唯一神だけが崇敬を受けるにふさわしい方であり、人間生活の真の意味は、「この世を救うためにイエスが御自身の命をお捨てになった」という事実からのみ来る、ということを想起させるべくーー、本物のユーカリスト典礼を必要としているのです

 

「現代カトリック信者の多くは、ミサというのが、司祭と会衆が共同で行なうなにかであると考えていますが、実際には、ミサはイエスが執り行うものです。」とブックス神父は言います。

 

「今日、ある場所でのミサに行き、別の場所のミサに行ってみると、各自違った風にミサが捧げられています。これが意味するのは、つまり、それらはカトリック教会本来のミサではなく、ただ単に、‟この教区のミサ” もしくは ‟あの神父のミサ” であるに過ぎない、ということです。」

 

ー終わりー

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「神はこの危機的時期に、教会にいる小さき者たちを用いておられます。その大半は一般信徒の方々であり、彼らは純粋な信仰を傷なく保ちつつ、それを次の世代に継承しようとしておられます。私たちが、外側にいる敵だけでなく、教会内にいる裏切り者たち(たとい彼らが大司教や枢機卿たちであったとしても)をも前に、私たちのカトリック信仰を証し、擁護することができるのは光栄なことです。」アタナシオス・シュナイダー大司教

*1:訳注:典礼の美しさに関する、バーク枢機卿のメッセージ