巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

クリスチャンの間における「改宗」行為は、それ自体で、「重大な罪」なのでしょうか?ーーあるカトリック神父の苦悩の叫び

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ブライアン・W・ハリソン神父(Fr. Brian W. Harrison, O.S. ,1945年 ~)オーストラリア、シドニー生まれ。メソディスト教徒の家庭に生まれ、長老教会で育つ。ルーテル宣教団の一員としてニューギニアで奉仕する。1972年、ローマ・カトリックに改宗。プエルトリコ法王カトリック大学名誉教授。出典

 

"Mind-boggling Stuff of Nightmare": Fr. Brian Harrison on Pope's Proselytism Comments(拙訳)

 

最近(2016年11月)法王インタービューにおいて次のような会話がありました。

 

"Mind-boggling Stuff of Nightmare": Fr. Brian Harrison on Pope's Proselytism Comments

フランシスコ教皇:「クリスチャンの間における改宗(布教、改宗への招き;proselytism)は、それ自体で重大な罪です。」

ジャーナリスト:「なぜですか?」

教皇:「なぜなら、それはーー人がいかにクリスチャンになり、いかにクリスチャンとしてとどまるのかーーということに関する力学それ自体と矛盾しているからです。教会は、ファン獲得を求めてあちこち動き回るサッカー・チームではありません。」

 

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他のキリスト教諸教派との関係に関する発言で、これほどまでに表層的かつ子供じみた言明は他にないかもしれません。

 

一体教皇制はこの先どこまで凋落していくのでしょうか?ーー①地上におけるキリストの代理人という至高座を卑しめ、侮辱する(中学生の子の信用を落とすような粗いすり替え論法による戯画によって対抗する立場をこき下ろす)という安価な愚弄と、②あからさまなヘテロドクシー(反正統性、異説)という両方の観点において、です。

非カトリックのクリスチャンの方々が、啓示された真理の豊満性を認識し受容することができるようーー合理的な議論および弁証により、彼らを助けようとする行為(フランシスコ教皇にとっては勿論、‟改宗”行為として認識されるところのもの)が今や、「罪」として糾弾されなければならないのでしょうか?それも実に、「重大なる罪(grave sin)」として。


第二バチカン公会議文書において、全ての人はカトリック教会のこの真理を探究し、受容し、堅持する倫理的責務を有していると明記されているにも拘らず、それは「重大なる罪」なのでしょうか。*1

 

公会議*2及びカテキズム*3は、「教会の外に救いはない *4」という教義を再確認した上で、〔その意味は〕カトリック教会を真の宗教の具現として認識しつつも、依然としてカトリック教会に入ることを拒み、あるいはとどまることを拒否する人は救われないという事であると説明してあるにも拘らずーー、それは「重大なる罪」なのでしょうか?

私自身も長老主義(Presbyterianism)からの改宗者です。前述した公会議の(conciliar)教えに激励され、私は、自分の魂の救いのためにカトリック教徒になりました。カトリック信仰を告白してから42年もの歳月が経ちましたが、これは自分の生涯の中で私が受けた最高にして最も尊い贈物です。

 

それが今や、、この地上における(キリストの)カトリック教会の他ならぬ頭(かしら)が、私たちに言っているのです。

 

ーー個人的な会話そして文面でのやり取りを通し、自分の信奉していたプロテスタント異端諸教理を破棄するよう、そして啓示された真理の豊満性を受容するよう懇意に私に説き、私を助けてくれたカトリックの友人たちはつまり、そういった行為により、「重大なる罪」を犯していたと?!

 
そして、教皇は、この激しい非難を、何も説明になっていない‟説明”により正当化しようとしています。(⇒「それは人がいかにクリスチャンになり、いかにクリスチャンとしてとどまるのかということに関する力学それ自体と矛盾しているからです。」)

こういった恐ろしい発言により、どれだけ多くの歴代教皇(ペテロの後継者たち)が、墓の中で転げ回っていることでしょうか!

 

教皇自身の口から出されるこのような言明は、、、非道であり、常軌を逸しています。実に言語を絶し、信じ難いものです。これは悪夢なのでしょうか?今や善が悪と呼ばれ、悪が善とされています。申し訳ありませんが、私はこれ以外に適切な言葉を見い出すことができません。

 

ー終わりー

 

*1:Dignitatis Humanae, #1参照。

*2:Lumen Gentium, #14

*3:#846

*4:“Extra Ecclesiam nulla salus”