スミレ(Фиалка)
心の底から 私はこのつつましい花を愛している。
どれほど此存在が わが胸に語りかけてくることだろう!
早春、新鮮な芳香ただようスミレの花束は
あたたかい慰めと活気を与えてくれる。
庭を、草地をそぞろ歩くとき、
ほとんど人目にかくれたところに、これらの花を目にする。
そしてその場にじっと立ちどまり、想いにふけるのだーー。
あゝだれが摘めよう、汝がかくまでご配慮しているものを、と。
そして私は思い出す。
一輪のスミレのように純朴で、
心へりくだった魂の持ち主たちのことを。
そう、ほとんど目につかず、時に、痛ましく哀れな彼らはしかし、
神の目に まばゆく照り輝いているのだ。
A. Korovay-Metelitsky, On a Violet (Фиалка)
Translated from Russian by Natalia Sheniloff(私訳)