このあたり目に見ゆるものは皆涼しーー松尾芭蕉
今日、小さな夕立がありました。この地方ではとてもめずらしいことです。窓を開けると、涼やかでしっとしとした空気が細雨の薫りを運んできました。空も木々も建物もみな天の雨に洗い清められ、気持ちよさそうです。
漢字の【涼】はいかにもすずしげな形をしていません?この会意文字の「京」の部分は、高い丘の上に家のあるさまを描いた象形文字だそうです。そうして「水+京」から成る【涼】は風通しのよい丘の上のやうに、水がひんやりしているさまを表しているとのことです。(『漢字源』参照。)
俳句の季語というのは、神様のお造りになった季節の呼吸やうごきや韻律(リズム)を敏感に感じとり、それを詩(うた)にして表現することのできる、おくゆかしい賜物だと思います。これらすべてを通し、天地を造られた三位一体の神が被造物によって崇められ、讃美をお受けになりますように。