巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

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主従関係の逆転ーー神に「命名」しようとする人間たちの尊大な試み【拡大膨張する聖公会のフェミニズム問題】

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「人間として存在することーーそれは自己に命名し、世界に命名し、そして神に命名することである。」

メアリー・デイリー(フェミニスト神学者、1928-2010)

 

christiannews.net(抄訳)

 

ロンドンーー英国国教会系列の女性司祭たちのグループが、週毎のリトルジー礼拝の中で神のことを「彼女 “she”」と呼ぶようにと、アングリカン教派に要求しています。「神のことをただ男性代名詞だけで呼ぶのは性差別主義(sexist)です」と彼女たちは言っています。

 

報道によると、Women and the Church(名称WATCH)ーーこの団体が教派内での女性司祭認可を強力に推し進めた舞台裏の主原動力ですーーは現在、礼拝の中で神を指すのに用いられている代名詞を変更するよう、リトルジカル委員会と交渉中です。このグループは、「男性形で神のことを呼ぶのは女性を貶める行為だ」と言っています。

 

Women and the Church(WATCH)のホームページより

 

「男性言語だけを用いる時、私たちは『神は男性のようである』という思想を強化しており、そのようにすることにより、『それゆえ、男性たちは女性たちよりもより神のような存在である』ということを示唆することになります。」と、WATCHのメンバーであり、オックスフォードのトリニティー・カレッジ内で司祭を務めるエンマ・パースィーは述べています。

 

「男性も女性も共に神のかたちに似せて造られたという思想を真剣に捉えるなら、私たちは男性言語、女性言語、その両方を用いなければなりません。」

 

聖ミカエル・ハロウ教会のジョディー・ストーウェル教区牧師は、RT.comの取材に対し、「神的存在を男性的用語だけで言及することは、神の性質に関する啓示に諸制限を置くことになる」と述べ、次のように言っています。

 

「正統派神学は『すべての人間は神のかたちに造られた。そして神にはジェンダーはない』と言っています。神はジェンダーを包含しています。神は男性でもあり女性でもあります。そして神は男性、女性を超えています。ですから、私たちが男性形だけで神のことを語ろうとするのなら、その時私たちは神の性質に関し、不完全な理解をしていることになるのです。」

 

パースィー司祭は、現時点における変更要求は、女性に関する教派内での諸変化に合わせたものであるとして次のように言っています。

 

「現在、私たちの差し出しているこの提案が人々の心を捉えている背景には、まず、教派内ですでに女性司祭が認められた事実があります。ですからその意味で教会は女性が神の目に等しい価値を持つ者であることを認めたわけであり、あらゆる次元において神を代表することができるということを認めたのです。

 

 ここ2-3年の間に、フェミニズムのリアルな復興およびフェミニズムに対する人々の関心を私たちは目の当たりにしています。そして若い人々は性差カテゴリーがステレオタイプになるべきではないということに強い関心を示しています。」

 

「私たちは人々に『より自由になるよう』奨励しています。そして人々が実際、この事についてかなりオープンであり、より豊かな言語が礼拝の中で使われる余地があるということを、リトルジカル委員会に理解していただきたく思っています。」とパースィー司祭は語っています。

 

報道によると、すでにいくつかの教会では、礼拝中、神のことを「母」や「彼女」と呼び始めているとのことです。

 

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