巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

悩める解釈者への慰めーー動き、拡大する「地平」

f:id:Kinuko:20180418040731j:plain

それは、、動く。

 

解釈における「地平」というのが、‟流動的”であるというのは、私にとって希望のメッセージです。それは、「前提」や「見地」ともぴったり同義語というわけではないとアンソニー・C・ティーセルトンは述べ、次のように言っています。

 

「『地平』は、私たちが動くのに伴い、自身も動いていき、その領域を拡大することも可能です。『前提』というのが、固定され、防御的な見地であるのに対し、『地平』は、--それがテキストであれ、人であれーー相手との交渉を許します。それはまた、テキストを読みそれに耳を傾ける中で私たちの地平を再形成しつつ、自己修正を許します。そしてそれは展望の拡大をも許します。--こうして地平は私たちがより良く神を知り、より良く人間の生を知っていくことを介助してくれます。」*1

*1:〔参〕The Thiselton Companion to Christian Theology, sec. "Horizon." /Anthony. C. Thiselton, The Two Horizons. New Testament Hermeneutics and Philosophical Description with Special Reference to Heidegger, Bultmann, Gadamer, and Wittgenstein, 1980. (特に11章。地平の疎隔と融合に関するH・G・ガダマーの思想について。p.293-326.)