人が自らの思想によって引かれていくところの、その深淵(亀裂)が何であるかを理解することは、知的に重要であるだけでなく、霊的にも肝要である。
キリスト者はこの世の時代精神に抵抗しなければならない。しかし、われわれが「時代精神に抵抗する」と言う時に是非とも覚えておかねばならないことがある。それは、この世の時代精神が常に同じ形態を帯びているわけではないという事だ。
だから、キリスト者は、自らの置かれている世代において今まさに〈かたち〉を成している時代精神、これに抵抗しなければならないのである。そしてもし彼がそうしないのなら、そういう人は実際には全く時代精神に抵抗などしていない。
そしてこれはわれわれの世代において特に緊急課題となっている。なぜなら、われわれに刃向かってくる勢力が今や全面的様相を帯びているからである。
Francis A. Schaeffer, The God Who Is Thereより抄訳