巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

2017-02-01から1ヶ月間の記事一覧

「イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。」(by ジョン・マッカーサー&フィル・ジョンソン)【その4】

〔その3〕からの続きです。 会話 イマージングと「会話(conversation)」 フィル・ジョンソン:〔人々が各自、自分流の真理を持ちたく、しかもそういった自家製宗教に否定的な事を言ったりチャレンジしたりすることが《非寛容》であると斥けられる風潮の中…

スニオン岬にて――愛する同胞の救いを祈りつつ

昨日、ある難民の家族を連れ、夕日を見に、スニオン岬という所に行きました。この岬には海神ポセイドンを祀る神殿があり、観光スポットの一つにもなっています。 海を見ながら、難民のお母さんも二人の幼い子どもたちも、自分たちがボートで漂流した時どんな…

「イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。」(by ジョン・マッカーサー&フィル・ジョンソン)【その3】

〔その1〕〔その2〕からの続きです。 フィル・ジョンソン:それから今ここで語られているポストモダニズムですが、これが一体何なのか、読者のみなさんに分かりやすく説明してくださいますか。秘義や不確かさの受容とか、、そういう事は先ほど少し伺いまし…

「イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。」(by ジョン・マッカーサー&フィル・ジョンソン)【その2】

【その1】からのつづきです。 Seeker Sensitive Churches(「求道者にやさしい」教会) フィル・ジョンソン:教会史をみても、こういった「文化を聖別しよう」という発想は、各世代に存在していたように思われます。 つまり、教会の中の一角に、「この世の…

異教文化を「聖別」?――フラダンスを用いたキリスト礼拝のあり方をご一緒に考えてみましょう。【ゴスペルフラ/文化と宣教/イマージング運動検証】

先日の記事の中で、ある姉妹が、教会の主日礼拝で催される賛美フラのあり方に良心のつまずきを覚え、苦悶しておられる旨をみなさんに共有しました。 その後も私は、「元々異教女神に捧げられていたフラダンスをキリスト教礼拝の中に取り入れる」という発想の…

「イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。」(by ジョン・マッカーサー&フィル・ジョンソン)

What's So Dangerous About Emerging Church? (Grace to You) 読者からの質問:イマージング・チャーチ・ムーブメントとは何ですか。そしてどのようにしたら私たちはその動きを識別することができるのでしょうか。 John MacArthur ジョン・マッカーサー:ひ…

それでもあえて人が真理のために立つ時(by A・W・トーザー)

A.W. Tozer, Daring to stand for Truth(全訳) 神のこころに近づけば近づくほど、私たちは論争を好まなくなる。神の御胸に抱かれる平安のあまりの甘美さに、「ああ、できるものならたえずフルにその中にとどまっていたい」――そう願うのが人の自然の情とい…

宗教改革、ルネッサンス、そして全的人間(by フランシス・A・シェーファー)

宗教改革期の教会 Francis A. Schaeffer, Escape from Reasonより抄訳 ルネッサンスと宗教改革思想との間の相違は、多くの実際的結果を生みだした。例えば、ルネッサンスは女性たちを「解放」し「自由」にした。そしてそれは宗教改革とて同様である。――しか…

信仰と理性――キリスト教会に忍び寄るネオ・グノーシス主義を警戒しよう(by R・C・スプロール)

R.C. Sproul, Faith and Reason 現代のポストモダン文化にあって、私たちは古代グノーシス主義の驚くべき復興を目の当たりにしています。 古のグノーシス主義者たちがこの名で呼ばれていたのは、彼らが、「自分たちは、より優れた種類の知識(ギ:gnosis)を…

ブログ内の用語説明・定義――相補主義と対等主義について

目次 相補主義(Complementarianism) 相補主義に立つ教団・教派の一例 相補主義キリスト者の一例 対等主義(Egalitarianism) 対等主義に立つ教団・教派の一例 対等主義キリスト者の一例 「相補主義」と「対等主義」について――福音主義教会を二分する二つの…

ポスト近代と「セラピーの統治」(by アルバート・モーラー)

セラビーの統治(The Dominion of Therapy) 真理が否定された後には、セラピーが残る――。こうして決定的な問いが、「何が正しいのか?」から「何が私の気分を良くさせてくれるのか?」へと移行していきます。こういった文化的傾向は何世紀にも渡って発展し…

心理学エピデミックとその治療――「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う(by ジョン・F・マッカーサー)

目次 「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う 関連記事 John F. MacArthur, Jr, The Psychology Epidemic and Its Cureより抄訳 「クリスチャン・カウンセリング」のあり方を問う 今日使われている表現としての「キリスト教心理学」は、それ自体、…

イグナティオスによるローマ人への手紙【AD2世紀前半】第6章――死によって私はまことの命を得る

第1-5章はココ。7章はココ。8章-最終章はココ。 この世のどんなものも、そして地上にあるあらゆる王国も、私にとっては何も意味しない。地の果てに到るまで全世界を統治するよりもむしろ、私はイエス・キリストにあって死ぬことを望みます。たとい全世…

自己凝視ではなく、キリストを見上げたい。

「自己を1回凝視する間に、キリストを10回見上げなさい。」ロバート・マクチェーン 民数記21:8,9 すると、主はモーセに仰せられた。「あなたは燃える蛇を作り、それを旗ざおの上につけよ。すべてかまれた者は、それを仰ぎ見れば、生きる。」 モーセ…

ラディカル・レズビアンからキリスト者へ――ロザリア・バターフィールド女史(元シラキューズ大英文科教授)の救いの証し

昨日、ロザリア姉妹のインタビューを聞き、その中で語られている彼女の力強く、真実な証しに感動しました。一人一人の人生の旅路において、主がどのように魂に介入し、ご自身を啓示してくださるのか、私たちはそのくすしき御業にただ賛美と感謝をささげるの…

キリストの愛の力(イサク・ワッツの信仰詩)

雅歌8:5-7、13、14 荒野から上って来る、 このひと――この苦悶のひとはだれでしょう? 悲しみと罪に押しつぶされ、 愛する主の胸に寄りかかっているひとは。 そうです。彼女はわれらが神、キリストの血潮によって 買い取られた花嫁です。 そして彼女…

用語の「ひとり歩き」に注意したい

少し前に、伝統教会系のカルト化した某団体からやっとの思いで脱出することのできたある姉妹から連絡をいただきました。 実際に中に入ってみなければ分からない内部の実態や魂を監督する「牧者」からのメンバーに対する巧妙な心理的操作などに、なにかホラー…

懐疑と絶望に苦しむ者への慰め――ウィリアム・クーパーの生涯と信仰詩

新生した信仰者が懐疑や不可知論の沼に陥ることはあるのでしょうか。他の人の心や思考のかたちは目に見えないので客観的なことは何も言えませんが、私個人に関して言えば、そうだと告白せざるを得ません。この状態に陥ると魂は、必死の抵抗にも関わらず、う…

キリストの栄光のからだ ③――見える一致への切望と努力(R・B・カイパー)

R・B・カイパー著、山崎順治訳『聖書の教会観―キリストの栄光のからだ―』より抜粋 The Glorious Body of Christ: The Ideal of Visible Unity, by R. B. Kuiper (1886-1966) 目次 現実的理想主義 理想的現実主義 現実的理想主義 キリストの教会は、その内面…

地上における礼拝――永遠なる聖徒の任務の序曲(A・P・ギブス)

礼拝は、「すべてのことにおいて、あなたが絶対的に第一の方であります」と神に正当な場所を与えるものです。また礼拝は、神に、その本質とみ業とのゆえに当然ささげまつるべき賛美とほまれと栄光をささげるものです。 「人間のおもな、最高の目的は、神の栄…

礼拝の基礎へ戻ろう!――規制原理(Regulative Principle)がもたらす自由と曇りのない良心

執筆者:ケビン・デヤング(Kevin DeYoung) 私は改革派教会で育ったのですが、他の多くのクリスチャンと同様、聖書学校に入るまで、「規制原理(Regulative Principle, 以下RP)」という言葉を一度も聞いたことがありませんでした。それは私のアイデンティ…

イグナティオスによるローマ人への手紙【AD2世紀前半】第1章~第5章――死の彼方を展望しつつ

目次 訳者はしがきーーAD2世紀:十字架を忍ぶ教会 イグナティオスによる序文 第1章 囚人として、私はあなたがたに会いたい 第2章 殉教の道から私を「救い出そう」としないでほしい 第3章 真のキリスト者として見いだされたい! 第4章 純粋なキリスト…

真のジェントルマン――神の国のエートスに生きる男性たち

キリスト教界の中で近年特に、煙たがられ、胡散臭がられている地味な一角があるのを皆さんはご存知でしょうか。それは、相補主義の立場にたつ保守男性群です。

宗教改革の土台――礼拝における規制原理(Regulative Principle of Worship)について

礼拝の中における信仰の良心を守るべく、山中での集会を余儀なくされた英国の非国教徒たち。17世紀。(引用元) Greg Price, Foundation for Reformation: The Regulative Principle of Worshipより抄訳 キリスト教会は、これまで何百年に渡り、礼拝に関す…

キリスト教礼拝のあり方はそもそも誰が、何を基準に決めるのでしょうか。――私の探求

Puritan Worship(引用元) キリスト教礼拝のあり方はそもそも誰が決めるのでしょうか。神(ロゴス)でしょうか、それとも、人間でしょうか。そして何を基準にそれらは決定・是認・導入、あるいは拒絶されるのでしょうか。また、導入されたものが、信者の良…

キリストの栄光のからだ ②――その「一致」と「分離」(R・B・カイパー)

R・B・カイパー著、山崎順治訳『聖書の教会観―キリストの栄光のからだ―』より抜粋 The Glorious Body of Christ: Unity and Division by R. B. Kuiper (1886-1966) 目次 極端な教派主義(Extreme Denominationalism) 極端な合同主義(Extreme Unionism) キ…

キリストの栄光のからだ ①――その「一致」と「多様性」(R・B・カイパー)

R・B・カイパー著、山崎順治訳『聖書の教会観―キリストの栄光のからだ―』より抜粋 The Glorious Body of Christ: Unity and Diversity by R. B. Kuiper (1886-1966) R.B. Kuiper 目次 一つの教会 多くのかたち 数年前、ウェンデル・ウィルキーが「世界は一つ…

「CCM賛美に問題があるのなら、ワーシップの部類は全てNGなのでしょうか?」というご質問を受けて。――礼拝賛美についての一考察

目次 はじめに 賛美の本質 踊り 線引きと識別 立場① Yes, Music is Amoral(=音楽は道徳性とは無関係である)の代表的見解の一例 立場② Music is Moral(=音楽は道徳性と関係がある)の代表的見解の一例 おわりに 追加資料 Music and Your Church(音楽と…

神の怒り(The Wrath of God)とは何か?by A・W・トーザー

A.W. Tozer, The Wrath of God: What Is It? 全訳 人間の怒りというものに善なるものが含まれているケースはきわめて稀である。人間の怒りは清くない心の状態から生じるのがほとんど常であり、しばしそれは罵りや暴力につながっていく。癇癪持ちの人は気まぐ…

エルサレムに向かって(エミー・カーマイケルの信仰詩)

おお御父よ、助けてください。 愛する人々に心とらわれ、 私たちの貧弱な愛が、自らの選び取ったこの人生を 拒んでしまうことのないように。 そして、彼らを失ってしまうことや 痛みへの恐れから 永遠の報いを 忘れてしまうことのないように。