巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

トマス主義者とパラマス主義者の会話 ~春の庭園にて~

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出典

 

The Thomist and the Palamite,, Eclectic Orthodoxy, 2014. (拙訳)

 

パラマス主義者:「君は、神のウーシア(本質)とエネルゲイアの間に何ら区別を置いていない。そして、君は『神は有限態において被造物に対しご自身をお与えになった』と言っている。つまり、神的エネルゲイアが有限態において与えられているっていうことだよね。君、それは明らかに不可能なことだよ。

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ペテロの首位性――誰が東方正教会を代表して語ることができるのだろう?(by パンデレイモン・マヌサキス神父)

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fr. John Panteleimon Manoussakis, For the Unity of All: Contributions to the Theological Dialogue between East and West (Eugene, Oregon: Cascade, 2015), 27-32. January 31, 2018(抄訳)

 

churchlifejournal.nd.edu

 

目次

  • 一つのパラドックス
  • 司教的平等(Episcopal Equality)
  • 「全地公会議(The Ecumenical Council)が正教会における最高権威である」という主張
  • 「キリストご自身が教会の頭である。だから第一人者は必要ない。」という主張
  • 「信仰および儀式に関する共通した規則こそが権威の源泉である」という主張

 

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「死の文化」の闇に「いのち」の光を!――荒野で叫ぶ勇者コスコ神父


www.youtube.com

 

アリゾナ州バックアイにある聖ヘンリー・カトリック教会のウィリアム・J・コスコ神父が人間生命の大切さ、そして人工中絶の非について涙を流しながら教区民に説いておられます。

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荒野にて

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  • 荒野にて
  • 「国民教会(national church)」というものについて(by 聖ジョン・ヘンリー・ニューマン)
  •  〈ローマ〉について(G・K・チェスタトン)
  • ロシアと普遍教会ーーロシア民衆の「真の正教」及び、アンチ・カトリック神学者たちによる「疑似正教」について(by ウラジミール・ソロヴィヨフ)
  • ロシアと普遍教会ーーコンスタンティノープルやエルサレムに《疑似教皇制》を設立しようとする試みについて(by ウラジミール・ソロヴィヨフ)

 

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神の世界内在と恩恵―トマス・アクィナス恩恵論の全体像―(桑原 直巳氏)

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「哲学・思想論集」44巻158(1)-142(17) 引用元

 

目次

  • 【1】 はじめに
  • 【2】 トマスにおける「恩恵 gratia」
  • 【3】 性向概念の枠組みにおける恩恵-霊性的倫理
    • (一)性向的賜物としての恩恵
    • (二)注賦的諸性向の理論
  • 【4】 恩恵の結果
    • (一)「不敬虔な者の義化」の意義
      • (1)「不敬虔な者の義化」とは何か
      • (2)「不敬虔な者の義化」の諸要素
    • (二)「不敬虔な者の義化」における信仰の役割
      • (1)「信じる」という行為
      • (2)信仰における受動性と自由意思
    • (三)功績と恩恵
      • (1)功績
      • (2)神愛の役割
  • 【5】 神の世界内在とペルソナの派遣
    • (一)神の世界内在の段階
    • (二)神のペルソナの「派遣」と恩恵
    • (三)受肉-キリストの派遣
      • (1)ペルソナにおける合一の恩恵
      • (2)恩恵の充溢-キリスト個人における性向的賜物としての恩恵
      • (3)教会の頭としてのキリストの恩恵
      • (4)秘跡と恩恵
  • 【6】 結語

 

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