巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

祈りについて(聖ヨハネ・クリュソストモス)

f:id:Kinuko:20200709003006j:plain

 

祈りと言う時、私が意味しているのは口から発せられることばだけでなく、心の芯奥から湧き出てくるものをも指しています。深く根を張った樹々が嵐に害されたり根こそぎにされたりしないように、心の奥底という深い根から汲み出される祈りというものもまた、全き確信とともに天へと昇ってゆき、それらはいかなる思念によっても打ち負かされることはありません。それゆえに詩篇はこう言っているのです。「主よ。深い淵から、私はあなたを呼び求めます。」(詩篇130篇1節)

ー聖ヨハネ・クリュソストモス(4世紀)On the Incomprehensibility of God, Sermon 5.(拙訳)

 

まことの祈りというのは口から発せられるものだけでなく、こころ、つまり、私たちの全存在から注ぎ出されるものです。これは深い淵(de profundis)からの切なる叫びです。心の深度と天の高さには調和があります。これは物理的な意味においてというよりはむしろ、〈中心〉との関連性においてそれらの「かなたに/"beyond"」という意味においてです。それゆえ、コペルニクスとガリレオの諸発見により「無限空間」の虚が明示された時、パスカルは、隠れし神に寄り頼んだのです。ーオリヴィエ・クレマン

 

www.youtube.com