Matt Nelson, COUNTERFEIT CHRISTS”: AN INTERVIEW WITH TRENT HORN, May 3, 2019（抄訳）
インタビュアー：『虚偽のキリスト像（Counterfeit Christs）』が出版されました。本書の内容について少しお話ください。
ホーン：この本の中で私は、教会の伝統的イエス理解を、今日の世界に溢れるさまざまな偽りのキリスト理解を並置させつつ、伝統的イエス理解を擁護しています。そして１８の「偽造キリスト像」を体系的に検証しています。（例えば、非宗教者にとっての ‟けっして裁かない友だち仲間” としてのキリスト、多くの無神論著作の中で散見される‟異教的模倣者”としてのキリスト、それから、イスラム教、モルモン主義、いくつかのプロテスタント諸セクトの中に見い出される誤ったキリスト像など。）
インタビュアー：イエスが誰であったのかに関し、今日、なぜこれほどまでに混乱が生じているのでしょうか。
ホーン：１世紀においてイエスが誰であったのかに関し混乱があったのと同じ理由によって、です。ある人々は、イエスの実像よりも、自分たちの願望に沿った形での‟イエス像”を愛しています。イエスの公生涯期、ある人々は、伝統的征服王としてのダビデ王朝的メシヤを熱望する余り、ナザレのイエスをその役割の中に押し込めようとし、キリストの神性を理解することができませんでした。
今日多くの人々が、自分自身のイデオロギーや諸信条を振りかざし同様の事を行なっています。なぜなら彼らは、自分たちが真だと信じているところの諸思想に、イエスの ‟お墨付き承認印” を欲しているからです。こうして彼らは自分が信奉している内容を支持すべく、聖書や歴史を曲解していくのです。*1
インタビュアー：執筆のためのリサーチ過程であなたにとって興味深い発見がありましたか。
ホーン：はい。イスラム教、ユダヤ教といった諸宗教、それから東洋諸哲学の中でイエスがどのような形で誤解されているのかについて多くを調べ、また学ぶことができました。また、そういった批判者たちの中には私たちが信じているイエス像を支持している人々もおり、それらの弁証に触れることができたことも大きな収穫でした。例えば、ユダヤ教作家であるピネハス・ラピデスは著述の中でイエスの死者からの蘇りを認めており、また幾人かのイスラム教弁証家たちは、（一般的ムスリムとは対照的に）、イエスの十字架刑が歴史的事実であることを主張しています。
インタビュアー：どのような経緯で『虚偽のキリスト像』が生まれたのか教えてください。
ホーン：本を執筆するに当たり私はいつも、自分が本当にその主題に関心を持っているのか、そして、他のカトリック教徒が十分に当該主題を取り扱ってきたのか、の二点を問います。カトリックの視点からの伝統的イエス像の擁護として優れた著書はブラント・ピトレ著『The Case for Jesus』であり、私も彼のリサーチ研究の恩恵に与っています。
しかしながら、ブラントが著述の中で取り扱っている諸主題（例：福音書の信憑性など）を超え、その他多種多様なイエス虚像に関し包括的に取り扱っている本は未だ見あたりませんでした。例えば、‟本当のイエス”は、社会主義を推進していた／同性愛行為を推進していた／信仰のみによる救済論を推進していた／モーセ律法遵守を推進していた等ーー、ありとあらゆる誤謬の諸主張です。本書を通し、それらのイエス像がなぜ間違っているのかを人々が理解し、真のイエス像を知る手がかりになればと願ってやみません。
ー終わりー
現代のさまざまな虚偽キリスト像
①
↑ニューエイジ教祖（guru）としてのジーザス（出典）
②
↑フェミニスト教祖としてのジーザス（出典）
↑フェミニスト教祖としてのジーザス（出典）
③
↑社会主義者としてのジーザス（出典）
↑社会主義者としてのジーザス（出典）
④
↑トランスジェンダー化されたジーザス（出典）
⑤
ＬＧＢＴアジェンダ推奨者としてのジーザス（出典）
⑥
↑「宗教」に対するアンチテーゼとしてのグノーシス主義的ジーザス（出典）*2
⑦
「ギリシャ的イエス」に対立するところの「ヘブル的イェシュア」（出典）*3
*1:訳注：
*2:
*3:
↑「ヘブライ的イェシュア vs ギリシャ的イエス」ーーネヘミヤ・ゴードンは、「本当のイェシュアは、ギリシャ語新約聖書に描写されているような『イエス』ではなく、実際にはユダヤ教原始カライ派的人物であり、彼は、人々が（パリサイ人たちによる口伝的人間の伝統を拒絶しつつ）モーセ律法に従うことの必要性を人々に説いていた」という教えをし、現在、「ヘブル的ルーツ運動」の影響下にあるクリスチャンたちを徐々に、そして確実にキリスト教信仰から逸脱させています。＊ネヘミヤ・ゴードンの教えに関する検証記事：Nehemia Gordon | CARM.org
