巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

エミー・カーマイケルの信仰詩集

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目次

 

月夜の静けさ

 

静かに。

おお 全地よ、静かに。

 

月の明りがともり、

わずかな星々が

淡く、おぼろげに光を放っている。

 

そして、紅のゆり、白色のゆりが

神々しい聖人のように

おのおの たたずんでいる。

 

ほら、影のようにおぼろで、

夢見ごこちの あの木々を見てごらん。

澄んだ空気の深みにどっぷり浸かっている。

 

さあ、そよ風のささやき声に耳を傾けてごらんなさい。

祈りをささげる人のように、

こんなに優しくささやいている。

 

静かに、

おお、全地よ、静かに。

ここは聖なる地だから。

 

月の光によって洗われ、

雪のように混じり気のない地。

 

かつて、園の中で、

月光の王冠を戴きし主にまみえる。

 

おお月光よ、ふたたび

この方を 王冠で飾りなさい。

そして、ゆりよ、

お前たちの聖鐘を今、響かせなさい。

 

愛の王、そして痛みの王よ、

汝はここにおられます。

インマヌエル。


Amy Carmichael, Hush(私訳)

 

 

祈る力がない時

 

幻が色あせ、

さまざまな事への感覚や力が、

空気の色のように

はかなく消え去ってしまうとき、

 

そして、

汝にささげ物を携えてゆく力を

もはや失ってしまったとき、

祈ることもできないとき、、、

 

そんな時、

パラダイスから吹きよせてくるよそ風のように、

私の耳に、魂を癒すことばが

ふっと入ってくる。

 

「私が手を上げることが、夕べのささげ物として立ち上りますように。」

 

そう、主はたしかに聞いてくださる。



Amy Carmichael, No Strength to Pray(私訳)

 

戦いの中にあって

 

わが魂よ、

あなたはこれまで

幾多の要塞を打ち砕いてきました。

 

それなのに、なぜ今、恐れているのですか?

 

鞭の音、

戦に急ぐ車輪のガタガタいう音、

隊長たちの熱弁、

 

叫び、混乱、倦怠、愚弄、、、

そういったことは

あなたにとって新奇なことなのでしょうか。

あなたの主なる神は、戦(いくさ)の神です。

―――

 

わが魂よ、

あなたは夢の中にいるのでしょうか。

 

あなたは剣の刃、

槍の突きの鋭い感触を知っています。

 

あなたはこれまで倒れては起き上がり、

消沈しては立ち直り、

そして奮闘してきました。

脅かしをものともせず。

 

いにしへに行なわれた闘いの中で、

あなたは幾多の要塞を打ち砕いてきました。

 

それなのに、なぜ今、恐れているのですか?

 

わが魂よ、

あなたの前にこれほどまでに

主の御力が示されてきたにもかかわらず、

なぜ今、あなたは恐れているのですか?

 

この方を見なさい。

あなたの光、隠れ家、

守り主、同伴者、愛しい方を。

 

この方こそ

敵が圧迫するときの あなたの支え、

幾千もの苦難のただ中にあっての

あなたの歌です。

 

これらは あなたにとって新奇なものなのでしょうか。

あなたの主なる神は、超然として

遠く離れ立っておられるのでしょうか。

 

わが魂よ、

勝利することを学びなさい。

 

あなたは剣の刃、

槍の突きの

鋭い感触を知っています。

 

あなたはこれまで倒れては起き上がり、

消沈しては立ち直り、

そして奮闘してきました。

脅かしをものともせず。

 

いにしへに行なわれた闘いの中で、

あなたは幾多の要塞を

打ち砕いてきました。

 

だから今、

あなたは恐れることなどできないーー、

そう、恐れることなどできないのです。



Amy Carmichael, Thou canst not fear now(私訳)

 

私を通し、お考えください。神の御思いよ。

 

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私を通し お考えください。

神の御思いよ。

 

御父さま、

どうか私の思いを静めてください。

汝のご臨在の中で、静寂の内に宿り、

そうして汝の御思いが 

私の思いとなるまで。

 

私を通し お考えください。

神の御思いよ。

 

そうすれば、

いつも、そしてどこであっても、

私の存在をとおして溢れ出る流れが、

祈りの中で 

〈家路〉へと向かってゆくでしょう。

 

私を通して お考えください。

神の御思いよ。

 

ああ、私自身の思いが

永遠(とわ)なる海の

岸辺にたたずむ砂だまりのように洗われ、

そうして

消失していきますように。



Amy Carmichael, Think Through Me(私訳)

 

汝の御顔のかがやきを私に見せてください。

 

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山や木々や小川の上に立ちこめていた

冷たい霧が 突然消え、

 

かがやく夢のように

すべてを照らし出す栄光が

そこを通っていく。

 

そのように、救い主よ、

冷たいものが、欝蒼としたもやのように

私の上に立ちこめ、私を圧迫するとき、

 

あなたの庭、丘、

ゲッセマネ、そしてカルバリーは

どこにあるのでしょうか。

 

うす暗い雲の中に沈み、

喜びの色彩が失われ、色あせるとき、

 

そして耳もとにささやきかける疑いが

私を襲うとき、

 

恐れ、荒涼とした地にいるかのごとく

私はそこを歩いています。

 

そんな時、

おお主よ、汝の風を送ってください。

そうすれば、重苦しいこの空気は

消えてなくなり、

 

わが思いの中にある

いやしい愛着も

取り除かれていくことでしょう。

 

おお甘美な風よ、

わが内で動き、私を新しくしてください。

 

汝の宿り場である天から見下ろし、

汝の願っておられることを

どうぞなしてください。

 

そして主よ、

汝の御顔のかがやきを

私に見せてください。

 

Amy Carmichael, Show me the shining of Thy face(私訳)

 

主よ、汝はどこにおられますか?

 

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おお なにかが風の中をさまよっている。

なにかが 森の中でささやいている。

これは何かしら。

 

太陽に向かって歌っている川、

そして、あらゆる喜びの感覚の中にあって 

いつも感じる ばくぜんとしたこの痛み。

この呻き。求め。

張りつめたようなこの揺れ。

 

流れゆく衣を よく目にします。

ふさべりの部分だけを。

それは黄褐色にそまり、ふんわりした深緑の上に

羽のようなシダの上に、そっと横たわっています。

 

そしてそれは、

山露で白くなったブルーベルの おぼろげな碧色のように、

森の中にもあります。

 

山緑の中に 私はひくく横たわりました。

川べりのシダの間に ひくく横たわりました。

 

森の中にじっと身をひそめ、

その愛らしく不可思議なものをとらえよう、

しっかり握ってはなさないようにしようと

思いました。

 

でも それはお日様の光のように、

夢中になってつかもうとする私の手から

すべり出てしまいます。

 

細かい花粉のようにそれは粉になってしまいます。

黄金(こがね)色のやわらかい粉、ふっくらとした触感。

でも、、私にとらえることができるのは それだけです。

 

消えてしまった黄金色のものは私の手にあり、

風のこの息により、私の髪はゆらいでいます。

 

なにかが近くで、とても近くでーーでも遠くで

揺れ動いているのを感じます。

 

色の移ろいゆく尊さの間で かすかに光っている

衣のふさべり。

おお この衣を着ておられるお方!

 

もしもその縁(へり)でさえも 

ほとんどとらえることのできないものだとするなら、

その織り主、その着主であられる汝を

どうして見ることなどできましょう。

 

主よ、汝はどこにおられますか。

おおどうか私に言ってください。

どこにおられますか。

 

山緑は、黄金色の頭をそむけ、

シダはしりごみし、物悲しそうに立っています。

ちいさな花々は、困惑したような目でこちらを見上げています。

 

ただ川はーー私の川だけは、

それでも私を見捨てずにいてくれています。

 

川の奏でる調べは

私の泣き声と混ざっていました。

 

すると、

ほとんど奥に引っ込んでしまっていたかのような

森のどこからか、

なじみのある あの足音が聞こえてきました。

 

おお、これは汝の音ですか?

主よ、あなたはどこにおられますか。 

おお私に話してください。

 

すると、、主は言われました。

「来て、見なさい。」

 

Amy Carmichael, Where Dwellest Thou?(私訳)

 

私の木の葉が落ちる時

 

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私の木の葉が落ちるとき、

汝はそれらを

包み込んでくださいますか。

 

移りゆく黄金色(こがねいろ)の秋

むき出しになった褐色の枝

もろい小枝と茎。

 

疲れ切った木の葉が 一枚一枚と

落ちていく。

 

死んでいると人が言うもの、

汝はそれをも包み込んでくださいますか。

 

目の前には、雨と、

息が詰るほど厚く覆われた雪がみえます。

 

そうして、

私の木の葉はがっかり気落ちして

低い 低いところに

横たわっています。 

 

それゆえ

心は白色の冬に問うて止まないのです。

 

しかしついに 

春の輝かしい声のような快活さで

主が語ってくださいました。

 

「恐れてはいけない。

歌いなさい。さあ、喜んで 歌いなさい。

なぜなら、雪の上掛けに覆われていたものは

喜びという秘められたものだったのだから。

 

やがて、冬の間ずっと わたしが 

あなたのために備えてきたものが萌芽してくる。

それをあなたは見るでしょう」と。

 

 Amy Carmichael, Winter(私訳)

 

放浪する思い

 

善き主よ、

私の思いを整えてください。

 

これらは私の内でせわしなく放浪してやまないのです。

 

愚かな空想

意味もなくさまよう虚栄にうつつをぬかす 

子どものように。

 

おお、これらの思いを汝の家に呼び戻してください。

 

見てください。私の思いは風のように、泡立つ海のように

あてもなく漂っています。

 

それらは野生のカモメのように 

ここを飛び交ったり あそこを飛び交ったりしています。

 

そしてある思いは低く沈み込み、

また別の思いは度を越えて高揚しています。

おお、これらの思いを汝の家に呼び戻してください。

 

私の沈黙は汝に語りかけているのに、

乏しく愚かな思いが 

見当違いなところをさまよっていて

それで私は自分を見失っています。

 

どうか心乱されることなく祈りに向かうことができますように。

おお、わが思いを汝の家に呼び戻してください。

 

Amy Carmichael, Wandering Thoughts(私訳)

 

目ざめよ、わが魂

 

森のスミレが

平原に碧色を添えていた。

ーーおだやかな海のように。

しおらしく静にたたずんでいる。

 

しだいに明かされる栄光。

それを見つめる者の想いはひたすら、

彼方にある新しいエルサレムへと向かう。

 

おお、わが内にある思いよ、

翼をかって

遠く、はるか遠くへと飛び立ちなさい。

 

空の向こうで待ち受けていることを

想ったことがありますか。

 

おお、やがてかならず全地に輝く光よ、

おお、必ず顕れし力よ!

 

目ざめよ、わが魂。

解き放たれ、いざ出帆せん。

 

あなたの前には海がひろがっている。

 

 

Amy Carmichael, Arise, My Soul(私訳)

 

主の御苦しみにあずかって(オリーブの木の下で)

 

城門近くにある 丘ぞいの庭。

 

オリーブの木の下に 

あの方が たった独りおられる。

 

そして外にたたずむもう一人。

 

しりごみ、惑い、嘆きのうちに彼は呻いた。

「汝に祈ります。どうかこの杯を私から過ぎ去らせてください。

このような苦しみに耐えることができないのです。

自分には飲めません。

おお主よ、私をお救いください。私は沈んでしまいます。」

 

この苦悶に当惑した私の目に映ったのは、

オリーブの木の下にある大いなる暗闇の恐怖、

ただそれだけだった。

 

「待とう。」

 

この言葉に木の葉はゆらめき、

ひと筋の雲は、輝く月表(つきおもて)に影を落とした。

 

愛する者(彼)は耳をすませた。何かが彼の内からこみ上げてきた。

 

「わが愛するお方は 前にも嘆願されたはずではなかったろうか。

ああ私は、この方を愛する者と言われるにもはや値しない。

愛は、愛なるお方を悲しませたりはしないはずだから。

にもかかわらず、私は自分をそのような者だと信じ込んでいた。

まもなく、おお愛する方、汝は私から去っていかれるだろう。

御声を聴きながらも汝に従わなかったから。」

 

そのとき、突如として

復活祭の月が輝き出で、

漆黒の空気を

木々のすき間をくまなく照らし出した。

 

庭それ自体が あたかも聖なる臨在に

目を覚ましたかのようだった。

 

その時、私は見た。

彼がその場に駆け込んで行くのを。

 

じっと顔を伏せ、沈黙のうちに彼はあった。

どんな言葉も話されなかった。

 

そこにはただうちのめされ、壊れ、

良心の咎めをいかにしても慰め得ない者があった。

 

黙して語らず彼はそこにあった。

オリーブの木の下に。

ーーーーー

 

夜露が現れ、庭中が

ーーもう二度と微笑むことができないかのように泣いていた。

 

夜風が立ち、兵陵に吹きすさびながら彼と共に嘆いていた。

 

そして霞(かすみ)中に、彼はある幻を見た。

たった独りで、たった独りで杯をお取りになった 

あの方の御姿を。

 

ああ、うめき声が洩れた。

 

この痛み以外なら、この絶望以外の痛みなら

どんなものでも お与えください、

彼は叫んだ。

 

そして悔悟のうちに

ふたたび主の御足にひれ伏した。

 

庭全体が、畏れのうちに息を飲んだ。

 

木々の間に明々とした沈黙が漂い

称う御使いたち。

 

なぜなら、掟がーー、

愛なる方の掟が、

耳をすませこの言葉を待っていたからだ。

 

地の言葉を超えし声にならない霊のことばを持って

愛する者は低くうつぶせ

主を崇めた。

 

かくも甘美な奥義に飾られた、その道の主であられる方を。

  

彼が見たこと、

それは、どんな御使いも明かしたことのないものだった。

オリーブの木の下で。

 

どんな御使いも語ったことのないもの。

しかし私は知っていた。

 

あの晩、ゲッセマネが彼にその秘密を明かしたということを。

そしてもはや彼が行かずにはいられない、ということを。

 

悔悛した者として

激しく愛する者として

多くを赦された者として、

静かに、しずかに。

 

けっして忘れることのできない

愛の極という紅露でじっとり濡れた あの御頭を。

 

愛の泉の湧き出していた あのまなざしを。

ゲッセマネの庭の中で。

 

おお愛。汝のその愛をいかに歌うことができよう!

オリーブの木の間で見いだされしその愛を。

 

澄み渡った光の池に降り行き、

わが水差しを その水で満たしたい。

光輝くことばで満たしたい!

 

おお、究極のこの調べをいかに奏でることができよう!

 

わが思いを照らし出す、深遠なる言葉、

炎のことば。

 

否、そのようなものでさえもない、おお愛よ。

貧しき口で あの夜を いかに表現しえよう。

オリーブの木の下で。

 

 

Amy Carmichael, The Fellowship of His Suffering(私訳)

 

愛は、独りぼっちの私を見つけた。

 

力強く、

方々(ほうぼう)を行き巡っておられた愛は、

独りぼっちの私を見つけた。

 

長旅に疲れて しゃがみ込んでいた私を。

 

これまでの道中も、

日はやさしく私を照らし

どこにも花が咲き乱れていた。

 

そう、それは知っていたはずなのに、、

 

にもかかわらず、

愛はおびえている私を見い出し、

私の元にとどまってくれた。

 

愛は私に寄り添ってくれた。

「わが子よ。心を騒がせてはいけない。失望してもいけない。」

 

ーーあらゆる悩み、不安が心から消え去った。

 

なぜなら、

その時すでに私は

愛の御腕の中に

抱き寄せられていたから。

 

 

Amy Carmichael, Love Traveling (私訳)

 

汝はここにおられます。

 

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夜明けに

黄金色の空にただよう裾を、

光り輝く 汝の衣のすそを見たことがありますか。

 

日中には、薄い青ベールをとおして

煌めく威光を。

 

喜ばしい星の一群、光彩、

これは汝の王冠となるのでしょうか。

 

おお内在の神、汝には遠くも近くもありません。

私たちの吸う空気のように 

汝はここにおられます。

 

われわれのいのちの息、

おお主よ、汝を礼拝します。

 

とわに汝を礼拝し称え 

賛美します。

 

驚異に満ちて上をあおぎ

天に開いている戸を、

その御座についておられる御方を、

一心に見つめます。

 

そして手をさしのばし

汝ご自身に 触れんとします。

 

おおキリスト、われらが王、われらが主

汝を崇めます。

 

 

Amy Carmichael, Immanence (私訳)

 

あなたに傷の跡はない、、のでしょうか。

 

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あなたに傷の跡はない、、のでしょうか。

 

足やわき腹、手に 

隠れた打ち傷はないのでしょうか。

 

その地にあって、あなたは偉大な人と歌われています。

輝かしいあなたの明星を、人々が称えるのも聞きました。

 

しかし、、 あなたに傷の跡はないのでしょうか。

あなたにうずく傷はないのでしょうか。

 

 

わたしは、射手によって刺し抜かれ、

人々は衰弱したわたしを殺そうと

木に押しつけました。

どう猛な獣たちが取り囲み、わたしを裂きました。

その余りの苦しみに 

わたしの気は遠くなりました。

 

しかし、あなたには、、、あなたには痛む傷がないのでしょうか。

うずく傷もなく 痛んだ跡もない、、

 

しかし、しもべは主人と同じ道をたどり

わたしに従う者の足は 

刺し通されているべきではないでしょうか。

 

それなのに、あなたの足はまるで健やかです。

痛みも傷跡もない人が 

遠くまでわたしにつき従っていくことができるのでしょうか。

 

 

Amy Carmichael, No Scar?(私訳)

 

むだではなかった。

 

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応答のない無言の土壌で労したあの日々は

むだではなかった。

 

さまざまな希望が死者のように横たわり

苦しさに耐えかねひそかに流した涙。

 

 「すべてはむだだった。」

力を失ったあなたの心はそう呻きました。

 

「そうではない。」

主はお答えになりました。

 

「どんなことでも不可能はない。信じなさい。そして待ち望みなさい。」

 

あなたの働きはちりに帰したのでしょうか。

苦しみーー。それはさびのようにあなたの心をむしばみ、

かつてあれほど鋭利だった刀を

もはや見る影もない代物にしたのでしょうか。

 

ちりとさびがあなたが人生で受ける報いなのでしょうか。

いいえ。そんな考えは打ち捨ててください。そして主を信じてください。

 

魂が苦しみもだえる時、

どうか主の誠実さに思いをひそめてください。

 

Amy Carmichael, Not in Vain (私訳)

 

私の静けさ

 

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おお、私の静けさであられる主。わが深いやすらぎ。

 

舌の争いからの 避け所、

わが聖なる丘。

 

汝の隠れ場で

私は静まることができます。

 

喧しい敵から

その舌から

私をお守りください。

 

混乱が増しています

押し迫るものから 私は逃れ

汝のうちに身を隠します。

  

暴虐が過ぎ去るまで

汝の御手は、私を堅く支えてくださいます。

 

嵐がはげしさを増すとも、

おお主よ、汝のしもべに力をお与えください。

 

そして、しもべを平安で祝してください。

 

詩篇31

Amy Carmichael, My Quietness(私訳)

 

霧はやがて消える。

 

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どんな悪いおとずれも恐れることをしない一人の人がいた。

なぜなら、彼女の心は主に信頼して揺るがなかったから。

そして主を信頼する彼女の心は、とこしえに神のあわれみの内にあった。

 

しばしば主は、暗闇の中に輝く光のように立ち上がられた。

困難の中から彼女が呼びかけると、主は彼女を引き上げ、祈りに答えてくださっていた。

主は常に憐れみ深く、愛にあふれ、義なるお方であられた。

 

それで彼女はこう申し上げていた。

「だれが、わたしたちの神、主のようでありましょう。主は高い御位に座し、身を低くして天と地をご覧になられます」と。

 

 

でも今、彼女はひとりきりで立っている。

大いなる霧を見つめながら。

 

広大な山あいが彼女の前にひろがっている。

でも、そこはいつも霧。

下の谷間にある小さなわだち以外、どんな道も見えない。

 

とってもさみしいーー。彼女は思った。

そしてしばしの間、ただ立ちつくしていた。

 

今まで味わってきたどんな苦しみよりも耐えがたく感じる

この孤独感と心細さをじっと見つめ、耳にしながら。

 

その時、やわらかに、彼女の内で声が聞こえてきた。

ある時には落胆させるような、

またある時には心を引き上げるような声が。

 

「わが身とわが心とは衰える。しかし神はとこしえにわが心の力、わが嗣業である。」(詩篇73:26)

 

「私の愛する者や私の友も、私のえやみを避けて立ち、私の近親の者も遠く離れて立っています」(詩篇38:11)

 

「しかし私は絶えず、あなたとともにいました。あなたは私の右の手をしっかりつかまえられました」(詩篇73:23)

 

「私の涙は、昼も夜も、私の食べ物でした。人が一日中『おまえの神はどこにいるのか。』と私に言う間。」(詩篇42:3)

 

「わが神、主よ。あなたが答えてくださいますように。」(詩篇38:15)

 

「わがたましいよ。なぜ、お前は絶望しているのか。なぜ、御前で思い乱れているのか。神を待ち望め。私はなおも神をほめたたえる。私の救い、私の神を。」(詩篇42:11)

 

「私の道は主に隠れ、、」(イザヤ40:27)

 

「私の道はすべて、あなたの御前にあるからです。」(詩篇119:168)

 

「神、その道は完全、、、この神こそ、、私の道を完全にされる」(Ⅱサム22:31,33)

 

「主がかわいた地を通らせたときも、彼らは渇かなかった。」(イザヤ48:1)

 

主が丘陵を通らせるなら、彼らは気落ちしてしまうかしら。

 

 

彼女はまた霧の方を見た。

そこに輝きがあった。

 

彼女はひとりでないことを知った。

 

神が彼女の避け所、また力。

苦しむとき、そこにある助けであるから。

 

主は彼女の歩む道の近くにおられ、ご自身の恵みを彼女に示された。

その恵みは心を慰めるものだった。

 

彼女はもはや恐れなかった。

なぜならおぼろげな山あいは、主にとっては開かれた道であるから。

主は彼女の希望をくじくようなお方ではなかった。

だから、次の数歩が見えていれば、それで十分だった。

 

主が彼女の前を行かれ、

彼女が歩んでゆけるよう足跡を残してくださるはずだから。

 

そして次のことも彼女にとって確かなものだった。

彼女のつき従っているお方の目は、霧を突き抜け、

道の終わりまで見通しておられる。

だから、混乱し、迷うようなことは決してない。

 

するとその時、一つの歌が彼女に与えられた。

歩きながら彼女は歌った。

 

「あなたは私を多くの苦しみ、そして悩みに会わせなさいました。でもあなたは私を再び生き返らせ、地の深みから、再び私を引き上げてくださいます。」(詩篇71:20参)

 

「主は私の力、私の盾。私の心は主に拠り頼み、私は助けられた。それゆえ私の心はこおどりして喜び、私は歌をもって、主に感謝しよう。」(詩篇28:7)

 

「私があなたに呼ばわるとき、あなたは近づいて、『恐れるな』と仰せられました。主よ。あなたは、私のたましいの訴えを弁護して、私のいのちを贖ってくださいました。」(哀歌3:57-58)

 

「私の口には一日中、あなたの賛美と、あなたの光栄が満ちています。」(詩篇71:8)

 

こうして彼女が歩き、歌っていると、他の人たちの耳にーー立ち込める霧のせいで彼女にはこの人たちのことが見えていなかったけれど、その歌声が聞こえてきた。

 

そしてそれによって彼らは慰められ、旅を続ける勇気が与えられた。

 ーーそう最後まで従い続ける勇気が。

 

 

Amy Carmichael, Figures of the True(私訳)

 

苦しく、疲れ切ってしまう時

 

主よ、

苦しく疲れ切ってしまう時、

あなたの掟を守るのがつらく感じる時、

あまりの重荷に不満を言いそうになる時、

 

その時、あなたの御手を見せてください。

釘の刺し跡のある手を。

引き裂かれた手を。

 

私の救い主。

あなたの御手を見せてください。

 

おおキリスト、

もしも私の足がたじろぎ、後ずさりしようとするなら、

もしも荒野と棘が私を嘆かせるなら 

 

主よ、その時、 

どうかあなたの御足を見せてくださいー

血まみれの御足、釘の傷跡のある御足を。

 

私のイエス、

あなたの御足を見せてください。

 

おお神、

私の手や足を 

あなたに見せることなどできましょうか。

 

Amy Carmichael, The Widow of the Jewels(私訳)

 

星々が顕れるまで

 

主よ、私たちを汝の働き人となさせたまえ。

うしろを振り返ることなど 

もう夢にも思ってはいけない。

 

ひざが衰え、手の弱まることのありませんように。

おお、働き人として 私たちを強めてください。

 

そして、つらいことにも耐える力を与えてください

朝明けから星々の顕れるときまで。

 

主よ、私たちを汝の兵士となさせたまえ。

汝に信頼される兵士ーー、

どんな危険な任務をも果敢になしていく前線兵士として。

 

剣とやりをたくみに扱うことができるよう 

私たちを鍛錬してください。

朝明けから 星々の顕れるときまで。

 

ほら、そう遠くないところに 

あの星々がある。

 

御使いのように 目には見えないけれども 

静かな空気、

透きとおる青空を通して

そこに在り 見えるもの。

 

夕焼けの日が赤く輝き

宵の明星が顕れるとき

その時、

私たちは何を知り、何を感じ、何を見、

そして何を聞くのだろう。

 

 

Amy Carmichael, Until the stars appear(私訳)

 

汝の導かれるところへ

 

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汝の導かれるところへ 私は進んで行きます。

 

すり傷やあざが何だというのでしょう。

汝の木にはひんやりした癒しの葉々がありますから。

 

どうか私を導いてください。

汝の天的な知恵が、愛のうちに良しとされるままに。

 

ほがらかな渡り鳥のように

汝の愛する子は 

丘を越え 野を越え 人気(ひとけ)のない海を越え

ひとり進んでいく。

ーー少しもおじけずに。

 

だから、私も恐れずついて行こう

汝の愛を求めて。

 

 

Amy Carmichael, Following(私訳)

 

おお愛する主よ 私は臆病な小鳥です。

 

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おお わが愛する子よ

わたしがお前を緑の谷に導くときにも

憩いのみぎわに伴うときにも

火の中を通すときにも

雪の下に埋もれさせるときにも

 

雨の日も 晴れの日も

どんな雲に覆われるときにも

どんな風が吹きつけるときにも

お前は、わたしを愛し 信頼し、ほめ歌うか。 

 

おお愛する主よ 私は臆病な小鳥です。

どんな場所でも どんな時にも

高らかに歌うことのできるような者ではなく

じっと うずくまっている小鳥です。

 

でも私は恐れません。

私は舞い上がります。

あなたの愛が私に翼を与えますから。

 

ですから私はお答えします。

あなたを仰ぎ見、心を込めて申し上げます。

どんなときにも あなたを愛し、信頼し、あなたをほめ歌いますと。

  

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem (私訳)

 

 

 

心の家

 

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心の家。

 

私たちの贖いが汝にとって 

どんなに大きな犠牲であったかを忘れないために

私たちのもっとも崇高な思いを

汝のカルバリーの上に据えよう。

 

私たちは苦しむとき、

身もだえし

痛みが和らげられることをひた求める。

 

しかし汝は、酷(むご)い十字架の上に

堅く据え付けられ 

固定され

苦しんでおられた。

 

私たちに夜が来ても、

星の一群は、なお上天で輝き

花々は私たちを慰め、

歌のよろこびがある。

 

しかし 汝にあっては 

星もなく花々もなく歌もなかった。

 

そこにあったのは、三時間にも及ぶ暗闇。

 

私たちは、長びく病や死の謎を前に

それらをはっきり理解したいと願う。

でも、はたして理解できるのだろうか

 ーー信仰になにが必要とされているのかを。

 

救い主、そしてわが主よ、

汝のカルバリーは

私たちの内にあるあらゆる問いを静めます。

来てください。主よ、来てください。

 

ものうげに放浪し、 

今もなお〈家〉を見つけることができずにいる子たちの元に

どうか来てください。

 

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem(私訳)

 

 

エルサレムに向かって

 

おお御父よ、助けてください。

愛する人々に心とらわれ、 

私たちの貧弱な愛が、自らの選び取ったこの人生を 

拒んでしまうことのないように。

 

そして、彼らを失ってしまうことや 

痛みへの恐れから

永遠の報いを忘れてしまうことのないように。

 

私たちにその報いをみせてください。

この地で埋めた麦粒にかわって

いまやかの地でさんさんと黄金色に色づく収穫を。

 

そうでなければ、人間の愛が私たちを迷わせ 

背かせてしまいます。

 

おお神よ、 

私たちに祈ることを教えてください。

カルバリーを覚えつつ 

祈ることを教えてください。

 

主人の生きたように 

しもべたちもまた、そうあらねばならないからです。

 

彼らの顔は 

まっすぐにエルサレムに向けられています。

彼らを妨げることのないようにしましょう。

 

おお、ご自身の愛する御子をさえ 

惜しまれなかった主よ、 

私たちに祈ることを教えてください。

 

祈りの中で、私たちを導いてください

あらゆる地上的なものから 

私たちをきよめ、

御父よ、聖なる愛をお与えください。

 

汝のごとき その愛を

汝のごとき その愛を。

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem(私訳)

 

 

低いところにあるひっそりとした苔のように

 

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私たちは 

あまりにも高いところにいます。

  

主イエスよ、あなたに嘆願いたします。

私たちを低いところにある

緑の苔のようにしてください

 

誇らず、汝の前にしずかにたたずみ

十字架の上でひどく傷ついた汝の御足を

やさしく冷やしてさしあげる 

低いところにある ひっそりした苔のように。

 

でも、私たちの思いは駆け巡り

あなたにお会いしようと

顔を輝かせ、心燃やしながら

走り寄る。

 

愛に焦がれる魂は、渇き 

あなたを慕う。

 

あなたは、泉。炎。 

そして心の望み。 

 

それゆえ私たちはまいります。

あなたの義をわれらが衣として

あなたの尊き血をわれらが唯一の頼みとして

 

それゆえ私たちはまいります。

おお、救い主、主。

愛しき方、

いったいあなた以外の誰のもとに

向かいえましょう?

 

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem(私訳)

 

 

おお、栄光の君

 

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おお 栄光の君。

汝の十字架を通して

子たちを栄光へと 導きいれてくださる方。

 

主よ。 

苦しみや非難、

そして喪失から

私をしりごみさせないでください。

 

そして私をゲッセマネとゴルゴタから引き離す 

すべてのものをアナテマとしてください。

 

主よ、

わが地上の家がささやかなる喪失をこうむることで

汝の慕わしい天上の家がさらに満たされるのだとしたら

 

そこにはどんなにか豊かな報いが

あることでしょう。

 

そしてわが日々のおわるころには

汝の歓喜の川が満ち溢れ

汝を愛する人ぞ知る河畔ぞいに、

花々が咲き乱れていることでしょう。

 

 

Amy Carmichael, O Prince of Glory(私訳)

 

 

わたしを透きとおる空気にしてください

 

 

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わたしを透きとおる空気にしてください。

どんな色をも通して、

歪めることのない空気にしてください。

 

あってない わたしという空気を通して、

神の愛の美しさが輝きますように。

 

神の愛の力づよい栄光、

神のみこころの深いあわれみ、

絶えることのない愛の光が

この世に射しこみ、

このあなたの世界に 満ち溢れますように。

 

 

愛しい主の御胸に寄りかかって

 

ヨハネが

愛しい主の御胸に寄りかかったように

私も寄りかかろう。 

そして 休もう。

 

海の深みにある 

空っぽの貝殻のように

私も 沈もう。 

汝で一杯に満たされるために。

 

長く暑い時が続いても 

ひんやりとした静けさをたもつ 

池のスイレンのように。

 

平安なひとつの思い

私も この思いになりたい。

 

主よ、汝のスイレンを

汝ご自身に近づかせたまえ。

 

高く澄み渡った青空で歌う鳥のように

私も舞い上がろう。

そして汝を讃えよう。

 

どんな雨も 

どんな嵐風にも 

さまたげられない。

 

大空は あなたで満ちているから。

 

がやがやした 日常の務めのなかにあっても

もうもうとした 土埃のなかにあっても

ことばの噪音のなかにあっても

 

おお主よ、 

私の憩いとなってください。

 

汝のヨハネが

御胸に

寄りかかったように。

 

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem(私訳)

 

 

その地で彼女は成長した

 

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彼女のように 心ほがらかに陽気に咲く花は 

かつてなかった。

 

塩気にくすんだ砂 わびしい土地。

びゅーびゅー 風に吹かれるシダ 

かさかさのハマカンザシ

花など どこにも みあたらない 岸辺。

 

その地で彼女は成長した。

 

彼女のようにたくましく咲く花は

かつてなかった。

 

丘陵にある 野鳥の姿さえ みえない

きゅうくつな岩棚。

その上を

四つの季節が 通ってゆく。

 

せわしく 翼をはためかせ

吹きすさび

吹き荒れる 嵐の王。

 

その地で彼女は成長した。

 

彼女のように 満ち足りて咲く花は

かつてなかった。

 

ガリラヤのお方に 心燃やされ、

愛を傾け、

この方に学んだ心。

 

高いところに植えられても 

低いところに植えられても

火の墓 雪の原野にあっても。

 

その地で彼女は成長した。

 

 

Amy Carmichael, Toward Jerusalem(私訳)

 

わが冷たさのうちに あなたの火をともしてください。

 

イエス、贖い主。

ただ唯一、たましいを鼓舞してくださるお方。

 

わが冷たさのうちに 

汝の火をともし

わが命を 赤々と燃やしたまえ。

 

わが障壁をうちこわし、

汝の近くへ、そう、

汝の近くへ私を引き寄せてください。

 

汝を知りたいのです。

汝を知ることがいのちなのですから。

 

わがうちを深め、

うわべだけのもの

皮相的なものを

取りのぞいてください。

 

そして、うつろな迷いから

わが魂を解き放ってください。

 

わが内なる人を 

すみやかに、ほどき 

不誠実の糸をことごとく引き抜きたまえ。

 

汝の誓いは私の上にあります。

ああ、真実をもって汝に仕え

全き愛で 汝を愛し

純潔のうちに 

汝に従う者とさせてください。

 

燃えよ 燃えよ 炎よ。

おお風よ 

余すところなく吹きつけよ。

 

おお剣よ。 

わが肉を目覚めさせ 

これを打ちたまえ。

 

おお、わがうちに

汝のたましいの産苦を見、

わが主が 満足されんことを 

 

 

Amy Carmichael, God's Missionary(私訳)

 

 

かの日を待望して

  

たとい

太陽も月も

星もなくなり

 

天が 消えた巻き物のようになっても

地の支柱は 

主のもの。

 

だから、わが魂よ

主にかたく心を定めよ。

 

たとい波が 荒れ狂い

国々が 騒ぎたつとも

 

地の四隅には 

四人の大いなる御使いが立ち

主の確かな御約束の日を

すみやかに 来らせる。

 

そして、かならず

地の王国は 

主の王国になる。

 

 

Amy Carmichael, Kohila(私訳)

 

 

二つの庭

 

この地に

二つの庭があった。

 

両方とも 丘の上に

一つの庭は ゲッセマネと呼ばれ

もう一つは

カルバリーの傍にあった。

 

そのどちらも 

今もって私たちと共にある。

 

主よ、オリーブ山に登るとき

そこにある庭を見せてください。

 

そして汝と共に

跪くことを教えてください。

 ーーいにしえのオリーブの木の下で。

そして汝の祈りを祈ることを

学ばせてください。

 

さらに丘を登っていく。

ーーかつて 悪魔の勢力が、汝に挑んだ丘に。

 

そして平和な庭のある 

その場所に目を向ける。

ーー汝を花々で迎えたその場所に。

 

Amy Carmichael,  Kohila (私訳)

 

 

主よ、奇妙な冷たさから私たちをお救いください。

 

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平安をもち

内なる訓練のうちに

余すところなく

すべてを注ぎ出す愛。

 

一人の魂を救うために

地獄のただ中に飛び込んでいくことのできる

兵士としての愛、

 

汚れたものによっても

染みをつけられず

暑さによっても 

しなびない愛。

 

それらすべては

私たちがカルバリーの傍らで生きていない限り、

得ることができない。

 

神よ、 

私たちの愛のあまりに多くが

奇妙な冷たさを帯びていることを

お赦しください。

 

打算的なクリスチャンの愛ーー。

これは教会の恥辱。

御使いたちのおどろき。

 

汝の苦悶と血にまみれた汗。

十字架と苦しみ。

尊い死と埋葬。

栄光に富んだ復活と昇天。

聖霊の降臨。

  

善き主よ

これらによって 私たちを

冷淡という罪から 

お救いください。

 

Amy Carmichael, Gold by Moonlight (私訳)

 

 

日常の務めのなかにある静かな喜び

 

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日常の務めのなかにある 静かな喜び。

賛美、賛美、私は歌う。

 

ありきたりなこと 平凡なことを

高く、きよい喜びで飾ろう。

 

ロマンチックとはほど遠い

ひとつひとつの営みの中で。

賛美、賛美、わが王よ。

 

戦いのさなかにある おごそかな喜び。

賛美、賛美、私は歌う。

 

傷、かなしみ、嘆きゆえ

和らげ、祝す愛ゆえ

弱さのうちで完全なものとされし力ゆえ

賛美、賛美、わが王よ。

 

勝利のもたらす歓喜ゆえ

賛美、賛美、私は歌う。

 

すべてのよろこびを凌駕し喜び、

人の思いを 超えまた超ゆる

なんじの凱旋にまみゆる 喜び。

 

賛美、賛美、わが王よ。

 

 

Amy Carmichael, Kohila(私訳)

 

 

汝の薪炭、神の光炎としてください。

 

あなたに打ちつけている風をよけたいという願いから、

進まないといけない時に恐れてしまうことから、

もっと高く登らなければならない時にひるんでしまうことから、

 

おお船長、

汝に従おうとしているご自身の兵士を、

 

絹のようにすべすべした

この柔弱な自己から解放してください。

 

妥協に向かうひそかな愛から

容易な選択、脆弱さから。

 

強固なたましいはそうではない。

 

十字架につけられしお方は

そのようには歩まれなかった。

 

汝のカルバリーを曇らせるすべてのものから

おお神の小羊よ、私を救いだしたまえ。

 

行くべき道にわれを導く愛を 与えたまえ。

 

どんなものによっても動揺させられることのない信仰を

どんな失望によっても しぼむことのない希望を

炎のように燃える情熱を。

 

私を土の中に沈めることなく

汝の薪炭、神の光炎としてください。

 

Amy Carmichael, Make Me Thy Fuel, Flame of God(私訳)

 

 

愛は汝のためにご自身を捧げられた

 

私には救い主がいる。

それなのに、私は

大地や空や海のなかに この方を求めてきた。

 

この方を示すような 言葉も 考えも

そこには なにひとつ見いだすことができなかった。

 

でも、岩と苔の中に植えられしこの場所に

私はこれ以上ないほどの喪失のしるしをみた。

 

そしてこの一言をきいた。

カルバリーの十字架の上で

愛は汝のためにご自身を捧げられたと。

 

 Amy Carmichael, Gold by Moonlight(私訳)