巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

ニケア・コンスタンティノープル信条(Το Σύμβολο της Πίστεως)をコイネー・ギリシャ語で唱えてみよう!

Related image

出典

 

目次

 

ニケア・コンスタンティノープル信条(Το Σύμβολο της Πίστεως)

 


1. Πιστεύω εἰς ἕναν Θεόν*1, Πατέρα, παντοκράτορα*2, ποιητήν οὐρανού καί γῆς*3, ὁρατῶν τε πάντων καί ἀοράτων *4.

わたしは信じます。唯一の神、全能の父、天と地、見えるもの、見えないもの、すべてのものの造り主を。*5

 

2. Καί εἰς ἕνα Κύριον Ἰησοῦν Χριστόν *6, τόν Υἱόν τοῦ Θεοῦ τόν μονογενῆ *7, τόν ἐκ τοῦ Πατρός   γεννηθέντα *8πρό πάντων τῶν αἰώνων *9, Φῶς ἐκ φωτός *10, Θεόν ἀληθινόν ἐκ Θεοῦ ἀληθινοῦ *11, γεννηθέντα *12 οὐ ποιηθέντα, ὁμοούσιον τῷ Πατρί *13, δι’ οὖ τά πάντα ἐγένετο *14.

わたしは信じます。唯一の主イエス・キリストを。主は神のひとり子、すべてに先立って父より生まれ、神よりの神、光よりの光、まことの神よりのまことの神、造られることなく生まれ、父と一体。すべては主によって造られました。

 

3.Τόν δι' ἡμᾶς τούς ἀνθρώπους καί διά τήν ἡμετέραν σωτηρίαν *15κατελθόντα ἐκ  τῶν οὐρανῶ *16 καί σαρκωθέντα *17 ἐκ Πνεύματος Ἁγίου  καί Μαρίας  τῆς  Παρθένου *18καί ἐνανθρωπήσαντα *19.

主は、わたしたち人類のため、わたしたちの救いのために天からくだり、聖霊によって、おとめマリアよりからだを受け、人となられました。 

 

4.Σταυρωθέντα τε *20 ὑπέρ ἡμῶν *21 ἐπί Ποντίου Πιλάτου *22 καί παθόντα *23 καί ταφέντα *24.

ポンティオ・ピラトのもとで、わたしたちのために十字架につけられ、苦しみを受け、葬られ、

 

5.Καί ἀναστάντα τῇ τρίτῃ ἡμέρᾳ κατά τάς Γραφάς *25.

聖書にあるとおり三日目に復活し、

 

6.Καί ἀνελθόντα εἰς τούς οὐρανούς*26, καί καθεζόμενον ἐκ δεξιῶν τοῦ Πατρός *27

天に昇り、父の右の座に着いておられます。

 

7.Καί πάλιν ἐρχόμενον μετά δόξης *28 κρῖναι ζῶντας καί νεκρούς *29, οὖ τῆς Βασιλείας οὐκ ἔσται τέλος *30.

主は、生者(せいしゃ)と死者を裁くために栄光のうちに再び来られます。その国は終わることがありません。

 

8.Καί εἰς τό Πνεῦμα τό Ἅγιον, τό κύριον, τό ζωοποιόν *31, τό ἐκ τοῦ Πατρός ἐκπορευόμενον *32, τό σύν Πατρί καί Υἱῶ συμπροσκυνούμενον καί συνδοξαζόμενον *33, το λαλῆσαν διά τῶν Προφητῶν *34.

わたしは信じます。主であり、いのちの与え主である聖霊を。聖霊は、父〔と子*35〕から出て、父と子とともに礼拝され、栄光を受け、また預言者をとおして語られました。 

 

9.Εἰς μίαν, ἁγίαν *36,  καθολικήν *37, καί ἀποστολικήν Ἐκκλησίαν *38.

わたしは、聖なる、普遍の、使徒的、唯一の教会を信じます。

 

10.Ὁμολογῶ ἕν Βάπτισμα *39 εἰς ἄφεσιν ἁμαρτιῶν *40.

罪のゆるしをもたらす唯一の洗礼を認め、

 

11.Προσδοκῶ ἀνάστασιν νεκρῶν *41.

死者の復活と

 

12.Καί ζωήν τοῦ μέλλοντος αἰῶνος *42 Ἀμήν.

来世のいのちを待ち望みます。アーメン。 

 

関連資料

ビザンティン典礼(東方典礼カトリックおよび東方正教)におけるニケア・コンスタンティノープル信条告白(Το Σύμβολο της Πίστεως)*2:55から告白が始まります。

 

発音についてのメモ書き

 

上のYoutubeでは現代ギリシャ語式発音法で朗読がなされています。復元版発音法を採用されている方はおそらく主として、η の音と υ の音に違いを感じられるかと思います。

 

現代ギリシャ語式では η は〔i〕と発音されているのに対し、復元版では〔ε:〕と発音されています。この差異/バリエーションは、ヘレニズム期にすでに始まっていた漸進的「イ音化傾向, itacism, ἰωτακισμός」によるものであり、学者により意見は異なりますが、地域によってすでに〔i〕と発音されていた所もあれば、従来の〔ε:〕と発音されていた所もあったのではないかと思われます。

 

詳しくは、ランデル・ブース氏のKoine Greek Pronunciation | Biblical Language Center、織田昭著「新約聖書ギリシア語の発音について」、コンスタンティン・R・キャンベル著 Advances in the Study of Greek: New Insights for Reading the New Testamentの9章をご参照ください。

 

それから υ についてですが、復元版発音法を採用しているブース氏は、大体ドイツ語の「u ウムラウト」の音に近い発声をしておられると思います。織田氏によると、「u ウムラウト」的発音は、アッティカ方言及び東部イオニア方言を規準としているそうです。

 

関連記事

*1:1コリント8:6、エペソ4:6、1テモテ2:5。以下、聖書聖句の引用元:ΤΟ ΣΥΜΒΟΛΟ ΤΗΣ ΠΙΣΤΕΩΣ

*2:創世記17:1、35:11、2コリント6:18、ヨハネの黙示録16:7

*3:創1:1、使徒4:24

*4:1コリント8:6、コロサイ1:16

*5:以下、日本語訳:日本カトリック司教協議会認可、2004年2月18日 

*6:1コリント8:6

*7:マタイ16:16、ヨハネ1:14-18、ヨハネ3:16

*8:1ヨハネ5:1-5

*9:ヨハネ17:5、コロサイ1:17、ヘブル1:1-2、ヘブル7:3

*10:ヨハネ1:9、ヨハネ8:12、1ヨハネ1:5、1テモテ6:16

*11:1ヨハネ5:20、ヨハネ1:1

*12:コロサイ1:15

*13:ピリピ2:5-7、ヘブル1:3

*14:コロサイ1:16、1コリ8:6、エペソ3:9、ヘブル2:10

*15:ヨハネ3:14-17、使徒4:12

*16:ヨハネ3:13、エペソ4:9

*17:ヨハネ1:14、1コリ8:6、エペソ3:9、ヘブル2:10

*18:ルカ1:26-35、マタイ1:18

*19:ヨハネ1:14、ピリピ2:7-8

*20:ルカ23:33、ヨハネ19:16-18

*21:ヨハネ11:49-52、2コリ5:14-15

*22:マタイ27:2-24

*23:マタイ27:33、ヨハネ19:16-18

*24:ヨハネ19:38-42、1コリ15:4

*25:1コリ15:4、使徒10:40

*26:マルコ16:19、ルカ24:51、使徒1:9、1テモテ3:16

*27:マタイ26:14、コロサイ3:1、ヘブル1:3、1ペテロ3:22

*28:マタイ24:30、マタイ16:27、マルコ13:16

*29:使徒10:42、2テモテ4:1

*30:ルカ1:33、黙22:5

*31:ローマ8:11、ヨハネ6:63

*32:ヨハネ15:26

*33:マタイ28:19、2コリ13:13

*34:2ペテロ1:21

*35:訳注:東方典礼カトリック教会および東方正教会ではἐκ τοῦ Πατρός ἐκπορευόμενονと告白しています。関連文献①:ローマ・カトリックの学者である久松英二氏の著書『ギリシア正教 東方の智』関連文献②第二バチカン公会議公文書「東方カトリック諸教会に関する教令」

*36:1コリ1:2、2コリ1:1

*37:エペソ2:17-18、ヨハネ10:16

*38:使徒2:42、47

*39:エペソ4:5

*40:使徒2:38、コロ2:12-14

*41:ヨハネ5:25-29、ヨハネ6:39-40、ヨハネ6:44-54、ヨハネ11:24、1コリ15:50-53、2コリ4:14、1テサ4:13-17

*42:マタイ25:46、ヨハネ5:29、ローマ2:7、黙21、黙22