目次
ニケア・コンスタンティノープル信条(Το Σύμβολο της Πίστεως)
1. Πιστεύω εἰς ἕναν Θεόν*1, Πατέρα, παντοκράτορα*2, ποιητήν οὐρανού καί γῆς*3, ὁρατῶν τε πάντων καί ἀοράτων *4.
わたしは信じます。唯一の神、全能の父、天と地、見えるもの、見えないもの、すべてのものの造り主を。*5
2. Καί εἰς ἕνα Κύριον Ἰησοῦν Χριστόν *6, τόν Υἱόν τοῦ Θεοῦ τόν μονογενῆ *7, τόν ἐκ τοῦ Πατρός γεννηθέντα *8πρό πάντων τῶν αἰώνων *9, Φῶς ἐκ φωτός *10, Θεόν ἀληθινόν ἐκ Θεοῦ ἀληθινοῦ *11, γεννηθέντα *12 οὐ ποιηθέντα, ὁμοούσιον τῷ Πατρί *13, δι’ οὖ τά πάντα ἐγένετο *14.
わたしは信じます。唯一の主イエス・キリストを。主は神のひとり子、すべてに先立って父より生まれ、神よりの神、光よりの光、まことの神よりのまことの神、造られることなく生まれ、父と一体。すべては主によって造られました。
3.Τόν δι' ἡμᾶς τούς ἀνθρώπους καί διά τήν ἡμετέραν σωτηρίαν *15κατελθόντα ἐκ τῶν οὐρανῶ *16 καί σαρκωθέντα *17 ἐκ Πνεύματος Ἁγίου καί Μαρίας τῆς Παρθένου *18καί ἐνανθρωπήσαντα *19.
主は、わたしたち人類のため、わたしたちの救いのために天からくだり、聖霊によって、おとめマリアよりからだを受け、人となられました。
4.Σταυρωθέντα τε *20 ὑπέρ ἡμῶν *21 ἐπί Ποντίου Πιλάτου *22 καί παθόντα *23 καί ταφέντα *24.
ポンティオ・ピラトのもとで、わたしたちのために十字架につけられ、苦しみを受け、葬られ、
5.Καί ἀναστάντα τῇ τρίτῃ ἡμέρᾳ κατά τάς Γραφάς *25.
聖書にあるとおり三日目に復活し、
6.Καί ἀνελθόντα εἰς τούς οὐρανούς*26, καί καθεζόμενον ἐκ δεξιῶν τοῦ Πατρός *27.
天に昇り、父の右の座に着いておられます。
7.Καί πάλιν ἐρχόμενον μετά δόξης *28 κρῖναι ζῶντας καί νεκρούς *29, οὖ τῆς Βασιλείας οὐκ ἔσται τέλος *30.
主は、生者(せいしゃ)と死者を裁くために栄光のうちに再び来られます。その国は終わることがありません。
8.Καί εἰς τό Πνεῦμα τό Ἅγιον, τό κύριον, τό ζωοποιόν *31, τό ἐκ τοῦ Πατρός ἐκπορευόμενον *32, τό σύν Πατρί καί Υἱῶ συμπροσκυνούμενον καί συνδοξαζόμενον *33, το λαλῆσαν διά τῶν Προφητῶν *34.
わたしは信じます。主であり、いのちの与え主である聖霊を。聖霊は、父〔と子*35〕から出て、父と子とともに礼拝され、栄光を受け、また預言者をとおして語られました。
9.Εἰς μίαν, ἁγίαν *36, καθολικήν *37, καί ἀποστολικήν Ἐκκλησίαν *38.
わたしは、聖なる、普遍の、使徒的、唯一の教会を信じます。
10.Ὁμολογῶ ἕν Βάπτισμα *39 εἰς ἄφεσιν ἁμαρτιῶν *40.
罪のゆるしをもたらす唯一の洗礼を認め、
11.Προσδοκῶ ἀνάστασιν νεκρῶν *41.
死者の復活と
12.Καί ζωήν τοῦ μέλλοντος αἰῶνος *42 Ἀμήν.
来世のいのちを待ち望みます。アーメン。
関連資料
ビザンティン典礼(東方典礼カトリックおよび東方正教)におけるニケア・コンスタンティノープル信条告白(Το Σύμβολο της Πίστεως)*2:55から告白が始まります。
発音についてのメモ書き
上のYoutubeでは現代ギリシャ語式発音法で朗読がなされています。復元版発音法を採用されている方はおそらく主として、η の音と υ の音に違いを感じられるかと思います。
現代ギリシャ語式では η は〔i〕と発音されているのに対し、復元版では〔ε:〕と発音されています。この差異/バリエーションは、ヘレニズム期にすでに始まっていた漸進的「イ音化傾向, itacism, ἰωτακισμός」によるものであり、学者により意見は異なりますが、地域によってすでに〔i〕と発音されていた所もあれば、従来の〔ε:〕と発音されていた所もあったのではないかと思われます。
詳しくは、ランデル・ブース氏のKoine Greek Pronunciation | Biblical Language Center、織田昭著「新約聖書ギリシア語の発音について」、コンスタンティン・R・キャンベル著 Advances in the Study of Greek: New Insights for Reading the New Testamentの9章をご参照ください。
それから υ についてですが、復元版発音法を採用しているブース氏は、大体ドイツ語の「u ウムラウト」の音に近い発声をしておられると思います。織田氏によると、「u ウムラウト」的発音は、アッティカ方言及び東部イオニア方言を規準としているそうです。
関連記事
*1:1コリント8:6、エペソ4:6、1テモテ2:5。以下、聖書聖句の引用元:ΤΟ ΣΥΜΒΟΛΟ ΤΗΣ ΠΙΣΤΕΩΣ
*2:創世記17:1、35:11、2コリント6:18、ヨハネの黙示録16:7
*3:創1:1、使徒4:24
*4:1コリント8:6、コロサイ1:16
*5:以下、日本語訳:日本カトリック司教協議会認可、2004年2月18日
*6:1コリント8:6
*7:マタイ16:16、ヨハネ1:14-18、ヨハネ3:16
*8:1ヨハネ5:1-5
*9:ヨハネ17:5、コロサイ1:17、ヘブル1:1-2、ヘブル7:3
*10:ヨハネ1:9、ヨハネ8:12、1ヨハネ1:5、1テモテ6:16
*11:1ヨハネ5:20、ヨハネ1:1
*12:コロサイ1:15
*13:ピリピ2:5-7、ヘブル1:3
*14:コロサイ1:16、1コリ8:6、エペソ3:9、ヘブル2:10
*15:ヨハネ3:14-17、使徒4:12
*16:ヨハネ3:13、エペソ4:9
*17:ヨハネ1:14、1コリ8:6、エペソ3:9、ヘブル2:10
*18:ルカ1:26-35、マタイ1:18
*19:ヨハネ1:14、ピリピ2:7-8
*20:ルカ23:33、ヨハネ19:16-18
*21:ヨハネ11:49-52、2コリ5:14-15
*22:マタイ27:2-24
*23:マタイ27:33、ヨハネ19:16-18
*24:ヨハネ19:38-42、1コリ15:4
*25:1コリ15:4、使徒10:40
*26:マルコ16:19、ルカ24:51、使徒1:9、1テモテ3:16
*27:マタイ26:14、コロサイ3:1、ヘブル1:3、1ペテロ3:22
*28:マタイ24:30、マタイ16:27、マルコ13:16
*29:使徒10:42、2テモテ4:1
*30:ルカ1:33、黙22:5
*31:ローマ8:11、ヨハネ6:63
*32:ヨハネ15:26
*33:マタイ28:19、2コリ13:13
*34:2ペテロ1:21
*35:訳注:東方典礼カトリック教会および東方正教会ではἐκ τοῦ Πατρός ἐκπορευόμενονと告白しています。関連文献①:ローマ・カトリックの学者である久松英二氏の著書『ギリシア正教 東方の智』関連文献②第二バチカン公会議公文書「東方カトリック諸教会に関する教令」
*36:1コリ1:2、2コリ1:1
*37:エペソ2:17-18、ヨハネ10:16
*38:使徒2:42、47
*39:エペソ4:5
*40:使徒2:38、コロ2:12-14
*41:ヨハネ5:25-29、ヨハネ6:39-40、ヨハネ6:44-54、ヨハネ11:24、1コリ15:50-53、2コリ4:14、1テサ4:13-17
*42:マタイ25:46、ヨハネ5:29、ローマ2:7、黙21、黙22