巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

聖公会の信仰と職制に忠実であろうとする信仰者の群れのご紹介【聖公会とフェミニズム問題】

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トーマス・クランマー(1489-1556)彼はかつて一度、教権側の重圧に屈し、自説を取り消し、取り消し状に署名したことがありました。しかし処刑場に引いていかれたその日、彼は公に、その取り消しを取り消し、火あぶりの時には、声の続く限り、「おお卑しむべきこの右手よ!」と叫びつつ、取り消し状に署名した手が燃え切ってしまうまで手を火に突っ込んでいた、と教会史家ケアンズは記しています。(E・ケアンズ『基督教全史』p445)

 

目次

 

聖公会の信仰と職制を擁護する会(出典

 

趣意書

 

世界各国には憲法があります。憲法は国民と政府との契約によって定められた市民法です。したがって、憲法は定められた手続きによって改正することができます。その最終的な決定は採決という方法で行なわれます。

しかし、「聖公会法憲法規」には「綱憲」を改正または改変するための手続や方法に関する条文がありません。そのことは「綱憲」というものが教会の「根本的な原理・原則」であり、人間の知恵の産物ではなく、「神の啓示」に基づくものであることを意味しているのです。「綱憲」は、人間社会の約束事のように、採決によって決めたり変えたり破棄したりすることができません。

ところが、日本聖公会第51総会において、女性を司祭や主教に按手することの容認が可決された時の手続は、「綱憲」にはまったく触れず、「法規」の条文から「男子」の一語を削除することの可否だけを問うものでした。女性の司祭や主教の按手を容認するためには、「綱憲」第4条の解釈の変更が避けられないはずです。そして採決の結果は極くわずかな票差でした。

2000年もの長い間受け継がれてきた職制の変更にあたっては、聖公会の特色の一つである「多様性における一致」を尊重し、分裂を避け、賛成と反対の両者が聖公会の内に共存できるようにするために作られた「ガイドライン (施策指標)」の付帯決議も行なわれました。しかし、信徒には、その存在すらほとんど知らされていないのが現状のようです。

日本聖公会の全聖職と全信徒の中に、女性が聖職になることに心から賛成する者と反対する者とがどれ程の割合で存在するのか、その真実はまったくわかりません。


私たちは女性聖職を容認する決議を、「綱憲」の本意から考えて、聖公会信仰の根幹を揺るがす重大な取り決めとみなしております。主教(エピスコポ)、司祭 (プレスブテロ)、執事 (デアコノ) は、クレメンス1世の「第1 (コリントス) 書簡」やイグナティオスの「スミルナ書簡」によれば、主イエスご自身によって選び出された使徒たちから、その任務を継承する者たちへと、選び出されていった成人男性 (アネール) の職位なのです。

 

したがって、三聖職位の名称の原語 (正しいギリシア語はエピスコポス、プレスビュテロス、ディアコノス) の性はいずれも男性(単数、主格)です。聖職とは聖なる職位であって、生活費を稼ぐための職業ではないことは、今更申すまでもありません。

聖公会信仰の根幹は「綱憲」を正しく理解し、守り、継承することにあります。当会は、1992年に「聖公会の信仰と職制を考える会」として発足し、1998年に「聖公会の信仰と職制を擁護する会」と名称変更し今日に至っています。

「綱憲」を正しく理解し、遵奉し継紹することが聖公会の信仰の根幹と信じ、祈りの中で学びを深め、時々の風潮に流されることなく、聖書が教える時と所を超越した普遍的真理の探求につとめております。

この趣旨に賛同される方々、興味をもたれている方々のご参加をお待ちしています。

 

AAMJ事務局 (The Association for the Apostolic Ministry in Japan)

〒407-0301 山梨県北杜市高根町清里3545

info-faec@e-mail.jp

 

有益な冊子集

 

1号 『なぜ女性司祭按手を容認できないのか ー20の問いと答えー』(1992.12.25)
2号 『司祭職とは何か』(1993.8.3)
3号 『日本聖公会はいづこへ 女性司祭、主教問題を巡って』(1993.8)
4号 『偽りの福音』(1994.1.31)
5号 『聖公会の聖職』(1994.9.15)
6号 『啓示の発展?』(1994.10.18)
7号 『人の理性とは』(1995.3.9)
8号 『司祭の働き』(1997.1.15)
9号 『特殊性の躓き』(1997.6.30)

 

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