巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

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教会の伝統回復を切望する若者たちーー26歳の父親の心の叫び【ジェンダー・フェミニズム問題とカトリック教会】

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私は26歳であり、三人の幼い子どもの父親です。もうすぐローマで開催予定の教会会議(議題「若者、信仰、職業に関する見分け」)に際し、どうか拙見を述べさせてください。

 

(「9時課」に関する)近年の教会の精力的福音伝道へのフォーカスはすばらしいと思います。その一方、ーー教理、個人的良心の至高性、牧会的順応に関するーーいわゆる「パラダイム転換」という考え方が、ローマ教会の幾人かの重鎮および広範囲に渡る教会指導者層から打ち出されています。

 

私と妻は、この進展に不穏な思いを抱いており、こういった動きは若者たちへの福音伝道に破滅的な影響を及ぼすのではないかと憂いています。

 

私たち若者は、真理に飢え渇いており、健全な教えの明瞭性を切望しています。世俗的次元では、こういった求めは、流星の如きジョーダン・ピーターソンの人気によっても裏付けられると思います。私たちは真理を切望しています。--たといそれがどんなに単刀直入で、受容が難しいものであったとしても、そしてそれがどんなに群れの牧者たちにとって教示の困難な内容であったとしても、私たちは真理を求めています。

 

私たちの文化は、現在、人間本性に関する基本的教義に関し、混乱し、かき乱されています。本当に幼い頃から、私たちは、ジェンダーに関するベーシックな科学的真理を歪曲するようなプロパガンダの数々に翻弄されてきました。

 

そこでは徳や騎士道精神は「有毒なマスキュリニティー」として酷写され、家族の価値が貶められ、性行為の本質やその実ーー特に未だ母胎にいる胎児ーーの、主にある神聖さが汚されています。

 

中絶や、同性愛、性別違和感、結婚の永続性、避妊の諸結果(倫理的、人類学的、妊娠中絶薬)に関する教会の、明瞭にして権威ある指針を、私たち若者は今、緊急に必要としています。

 

私の世代の人々は、こういった問題に関する真理に関し、教会内でほとんど教えらしき教えを受けてきていません。その代りに、連邦予算、国境政策、ネット中立性、銃規制、環境問題などが、司教たちの会議や教区でしばし議題に上がり、力説されています。

 

そして近年ますます、牧会的繊細さという隠れ蓑の下に、現代文化に対する融和政策が取られているのを私たちは目の当たりにしています。さらに、教会のトップである何人かは、「架け橋を築く」という名の元に、意図的に、同性愛やトランスジェンダー主義に関する教会の教えをぼかそうとしています。

 

しかし私たちの問いは未回答のまま残されています。また、典礼の中における美や、聖餐に対する崇敬に満ちた受容に関する問題提起も、嘲られています。ミサ出席者の減少に教会関係者たちは当惑していますが、それにもかかわらず、教会の伝統回復を求めている若者たちは「あなたは厳格すぎる」とたしなめられているのです。

 

ジェンダー問題に関する明瞭な教えからの一連のシフトは、忠実なカトリック信者の若者たちを混乱させています。特に、新しい福音伝道に重荷を持ち、ますます強まる世俗文化の潮流に抗し、子育てに励んでいる私の友人たちは皆、戸惑いを覚えています。

 

カトリックに改宗・帰正した私の友人たちは、Humanae Vitae, Familiaris Consortio, Veritatis Splendor等の教書*の教えが非常に有益であり、これらの教書は教会及び教会の智慧を、この世やその他の諸信仰から区別する良い導き手であると言っています。それなのに現在、教会の最高トップの内の何人かは、「そういった教えは非現実的な理想に過ぎず、それゆえ、『良心』が真理の決定者となるべきだ」と言っており、友人たちはなぜ?と動揺しています。

 

若いカトリック教徒は、2000年余りに渡って先人たちを導き鼓舞してきた教会元来の美しさを求めています。私の世代の多くは、味も素っ気もなく、醜悪で、対抗神秘的モダン教会建築に囲まれ生育し、音楽はといえば、どちらかといえば世俗のブロードウェー劇場にマッチするような、陳腐な現代典礼音楽一色という感じです。

 

こういったベージュ・カトリック主義(ロバート・バロン司教が適切にもこのように描写しています)が私の世代の若者たちにもたらしている破壊的な影響はけっして過小評価できないと思います。魂の抜けた現代の卑俗な世界の中にあって、ここ60年間の「因習打破主義」により私たちの心は損なわれてきました。

 

最後になりますが、私たちの多くは、自分たちが、何千年にも及ぶ豊かな教義、伝統、美術、建築、そして音楽の正当な継承者であると感じています。

 

私たち若いカトリック信者たちの間で、「こういった豊かな遺産こそが、世の友人たちへの福音伝道、そして子どもたちへの信仰継承において決定的に重要な要素である」という認識がますます高まりつつあります。もしも教会が美しさと真理に関する諸伝統を打ち捨てるなら、教会は私たちを打ち捨てるでしょう。

 

私は苦々しさや侮辱なしにこういった所感をしたためており、神が奥義の内に私や友人たちに賜わってくださった祝福、愛、造形を未だ受け取っていない兄弟姉妹たちに対する愛の内にこの手紙を書いています。

 

カトリック教会内で起こっている最近のこういった動向に深く遺憾の念を抱きながらも、私は、志を同じくする皆さんと共に希望を持ち続けたいと思います。そしてその確信の元に、私たちは未来の教会を継承する次世代の子ども達を育てています。

 

私の切なる願いは、この嘆願メッセージが、次の教会会議に届けられることです。最後になりますが、福音伝道、真理の宣布、信仰の美しさと豊かさを促進するに当たり、私たちの模範として立ってくださっているすべての牧師・司教の方々に感謝申し上げます。

 

ー終わりー

 

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