巡礼者の小道(Pursuing Veritas)

聖書の真理を愛し、歌い、どこまでも探求の旅をつづけたい。

ピューリタンの祈り〔総集編〕

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目次

 

まぼろしの谷("The Valley of Vision")

 

いと高く、聖にして、

柔和で へりくだった方。

汝は私を、まぼろしの谷へと導かれました。

 

地の深い処に住んでいても

空高いところに 

汝をみいだすことのできる谷。

 

罪の山々にとじこめられ

ひたすら汝の栄光を仰ぎます。

 

主よ、この逆説を、学ばせてください。

 

下にくだる道は、上にのぼる道であることを

低くあることは、高みにあるということを

こわれ砕かれた心は、癒された心であることを

悔いた魂は、喜びあふれる魂であることを

罪を悔い改める魂は、勝利した魂であることを

なにも持たないことは、すべてを持つことであるということを。

 

十字架を忍ぶことは、王冠をつけることであり

与えることは、受けることであると。

 

そして、この谷は 

まぼろしの地であることを。

 

主よ。 

深い深い井戸の中にあっては

昼間でも 星々がみえます。

 

そうです。井戸が深ければ深いほど

星々は、なおいっそう光り輝きます。

 

わが暗闇のうちにあって、汝の光を見させ給え。

 

わが死のうちに、汝のいのちを

わが悲しみのなかに、汝の喜びを

わが罪のなかに、汝の恵みを

わが貧しさのなかに、汝の豊かさを

 

そして、わが谷のなかに 

汝の栄光を。

 

"The valley of vision", The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

祈りの中で("In Prayer")

 

おお主よ、

祈りの中で私は、遥か永久(とわ)の世界に向け出帆し、

その広大な海原にあって、わが魂は死の岸辺にはこびるあらゆる悪に勝利します。

 

その時ほど、「時」なるものが、

――それに付随する陽気な感興やむごい失望と共に――

いとも瑣末(さまつ)なものの如く

わが目に映ったことはありません。

  

祈りの中で、私は自分自身を無とみなします。

わが心は熱烈に汝を慕い求め、汝の内に生きようと激しい渇きのうちにあえいでいます。

新しいエルサレムへのわが歩みを速め、助けたもう御霊の疾風よ、祝福されし御霊よ。

 

祈りのうちに、下にある一切の物は姿を消してゆき、

今やわが心を占めるものは、魂の清めと、人々の救いの他、何もありません。

 

祈りの中で、世の思い煩い、恐れ、心配事は消えてなくなり、

それらは一陣の風のごとくまるで取るに足りないものとなります。

 

祈りの中で、汝がご自身の教会のためになしておられるわざを黙想する時、わが魂は活き活きとした思いに満たされ、内なる歓喜につつまれます。

 

ああ シオンに帰還しつつある罪びとたちの口を通し、

汝の偉大な御名が讃えられんことを私は願ってやみません。

祈りの中で、私は苦渋と欺瞞に満ちたこの世から引き上げられ、天にある喜びを味わいます。

  

ああ、永遠の世界に入りつつ、

私は全身全霊をもって、わが身を汝にささげたく、

そして永久(とこしえ)に汝のものとされたく思います。

 

祈りの中で、私はあらゆる憂いを汝の御手に委ねることができます。

そして、己の意志や関心から解放され、

自分にかかわる一切のことを汝の御心にお任せします。

 

祈りの中で、私は大いなる心の自由と、熱い希望をもって、

わが友、聖徒、罪びと、教会、来るべき御国のために、執り成すことができます。

息子が父に、愛する者がその最愛の者に嘆願するがごとく。

 

主よ、絶えず祈りつづけることができるよう私を助けてください。

 

"In Prayer", The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

汝のみこころのままに私をお用いください("God's cause")

 

主権者なる神、

私自身の関心ではなく、汝の抱いておられるご関心によって

わが心が占められますように。

 

私は大胆にこう祈ります。

「サタンの統治しているあらゆる場所に、汝の御国が打ち建てられますように!」と。

 

汝ご自身に栄光が帰せられる時、私は喜びおどります。

なぜなら、御名に栄誉をもたらすことこそが、私の唯一なる願いだからです。

汝が神であられるゆえに、私は汝を崇めます。

そして、他の人々がそのことを知り、感じ、その中に喜びを見い出すようになることを切望しています。

 

おお 願わくば全ての人が汝を愛し、崇めんことを!

そうすれば、この世の人々により、汝は全ての栄光をお受けになることができます!

麗しい御名のゆえに、汝の元に罪びとが引き寄せられますように。

 

理性の眼をもってしては、人の回心など、

夜の闇のごとく隠されたものであるに違いありません。

しかし汝は偉大な事を成し遂げられます。

大義は汝に属するものであり、

汝の栄光ゆえ、人は救われる必要があるのです。

 

主よ、汝のみこころのままに 私をお用いください。

そして、それが私にとってどんなにつらいものであっても、

汝の良いと思われるままに私を取り扱ってください。

おお、それが汝のご計画を促進させるものとなるのなら。

 

御国が来ますように。

この世界にあって、汝のすばらしい御心とご計画が前進していきますように!

おお イエスの元に多くの魂を導き入れてください。

そしてその栄光に輝く日を見させ、

多くの魂を勝ち取らせてください。

そして、その目的のためになら死をも厭わない信仰を与えてください。

 

地上に生かされている間、力の限りを尽くし、

汝のために立ち働くことができますように。

そして健やかな時にも、弱さを覚える時にも、

この働きのために

尊く時間を用いることができますよう助けてください。

 

一身上の事はもはや問題ではありません。

私が求めているのは、

汝のご計画、そして御国の完成、ただそれだけです。

おお主よ、この祈りを聞き入れたまえ!

 

"God's cause",The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

 

おお主よ、私は塵だらけの殻です("Man a Nothing")

 

おお主よ、

私は塵だらけの殻です。

しかし目に見えない理性的な魂という命を吹き込まれ

不可視の恵みの力により新しくされた存在です。

 

たしかに私は汝によって 永遠の昔から選び分かたれ、

キリストに与る者とされ、新生しました。

だからといって私は希少な価値を有するような者ではなく、

何をも持たず、まったく何者でもありません。

 

私は、自分の罪深い性質にひそむ邪悪さ、悲惨さ

そして被造物のおごりを 深く自覚しています。

そしてそれと同時に キリストにある充足性をも知っています。

 

しかし、

汝が私を導いてくださろうとしているのに、

私は自分自身を制御しようとし、

汝が至上権をもって治めてくださろうとしているのに、

私は自分自身を治めようとし、

汝が私を顧みてくださろうとしておられるのに、

私は自分自身で不足を補おうとしています。

 

また汝の備えに依り頼むべき時に、

私は自分で備えようとし、

汝の摂理に恭順すべき時に、

なおも自分の意思に従おうとし、

汝をよりよく学び、愛し、栄光を帰し、信頼すべき時に、

自分自身に仕えようとしています。

 

私は自分の都合に合わせるべく、汝の掟のあら探しをし、

勝手にそれに修正を加えています。

また私は、汝ではなく、人の賛同を求めており、

生来、偶像を拝むような人間です。

 

主よ、わが心が汝の元に戻ること――、

これが私の主たる願いです。

 

主よ、次のことを教えてください。

私自身が神になることはできず、

自分を幸せにすることはできないこと。

自分自身がキリストのようになって、

喜びを回復させることはできないこと。

自身が御霊のようになって、己を教え諭したり、

導いたり、治めたりすることはできないということを。

 

また、摂理的な苦難によって

恵みが私の内にこの事をなすという真理を

悟ることができますよう、助けてください。

 

なぜなら、私の名声が高まる時、

汝はそれらを取り除くことで私を低くしてくださり、

世の富がわが偶像となる時、

汝はそれらを吹き飛ばし、

世の楽しみが自分の心を占める時、

汝はそれを苦いものへと変えてくださるからです。

 

落ち着かない目、興味本位の耳、食に対する貪欲さ、

情欲に満ちた心を私から取り除いてください。

そして、そういった事はいずれも、

傷ついた良心を癒さず、

不安定な感情を支えず、

逸れゆく心をまっすぐに保つこともできないということを教えてください。

 

そうして後、

私を十字架の元に連れていき、

そこに置いてください。

 

"Man a Nothing", The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

無限と有限("The Infinite and the Finite")

 

汝は偉大な「有って有る者 I AM」であられます。

汝にとっては一日は千年のようであり、

千年は一年のようであります。

 

そのような存在者のことを想う時、

おお、わが思いが天に昇り、

その雄大さを前にわが心が崇敬の念で満たされますように。

 

偉大な神、

汝はこの世の堕落、諸帝国の移り変わりの最中にあって、

ただおひとり、少しも動揺されず、永遠に滅びることのない、

栄光に輝く神であられます。

 

人は死にますが、汝は永遠に生きておられます。

あらゆる被造物は、

いたんだ葦、

こわれた水ため、

しぼむ花、

枯れゆく草ですが、

汝は、とこしえの岩、そして生ける水をたたえた泉です。

 

私の心を虚栄から、不満足な思いから、

今の状況に対する不確かさや迷いから引き離し、

わが心を、キリストにある永遠の事がらに向けさせてください。

 

地上の人生は短く、予測できないもので満ちており、

それはただ有益なことのために使われるべく、

一時的に与えられているものである事を覚えさせてください。

 

時を生かして用いることができるよう、

私に清らかで強い意思を与えてください。

そして他者に愛を示すことのできる

あらゆる機会をとらえ、

常に目を覚ましていることができますよう

助けてください。

  

そうすれば、私は、

飢えた人に食べ物を与え、

裸でいる人には衣服を提供し、

無知でさまよっている人には教え、

罪に陥った人を義の道へと引き戻し、

自分に罪を犯した人を許し、

福音を宣べ伝え、

隣人愛をあらゆる人に示すことができます。

 

どうか私が、自分に寄り頼まず、

汝ご自身にすべてを委ね切り、

自我に死に、

十字架につけられ、

祈る人生を送ることができるよう 

助けてください。

アーメン。

 

"The Infinite and the Finite", The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

パラドックス("Paradoxes")

 

おお、永遠に変わることのない神、

汝の御霊により、私は次のことを悟りました。

 

それは、私という人はやればやるだけ、前にも増して失敗する人間であるということ、

物事を知れば知るだけ、余計に無知が増していくということ、

聖化が進めば進むほど、一層罪深くなっていくということ、

愛すれば愛するだけ、未だ愛の行き届いていない領域が増えていくということです。

なんというみじめな人間でしょう、私は!

 

おお主よ、私の心は荒れており、汝の前に立つことのできない状態にあります。

私は人間の前にうずくまる一羽の小鳥のようです。

そしてなんと汝の真理と道を疎んじる者でありましょう。

  

私は「もう十分、熱心に祈ったから」、「主はすでに私の魂を救ってくださったから」というような考えに甘んじ、祈りを怠っています。

 

数ある偽善者の中でも、どうか私が「福音主義的な偽善者」にだけはなることがありませんように。

 

なぜならこういった偽善者は、

「恵みが満ち溢れているから」と言いつつ、以前にもまして気軽に罪を犯し、

自分の情欲に向かっては「キリストの血潮がお前を清めてくださっている」と言い放ち、

「自分は救われているから地獄に落とされるようなことはありえない」と勝手な判断を下し、

福音的な説教、教会、クリスチャンを好む一方、本人はふしだらな生活を送っているからです。

 

私の心は底の抜けた桶(おけ)のようです。

私には霊的なことに対する理解も、主の日に対する切望感もありません。

いつも学んでいるのですが、いつになっても真理を知ることがなく、

福音という井戸の傍らに常時座りつつも、

決してそこから水を汲もうとはしていないのです。

 

私の良心には確信も痛恨もなく、そこには悔い改めというものが全くありません。

また意志に関しても、そこに決意や決断力がみられません。

心は穴だらけで愛情に欠けています。

そして記憶力のなさゆえに、学んだこともすぐに忘れ、こうして真理が失われていっています。

 

おお主よ、私に砕かれた心をください。

そうすれば、恵みの水を汲み入れることができるようになるでしょう。

 

"Paradoxes," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

みことばであるキリスト("Christ the Word")

 

わが御父よ、

絶えず変わりゆく被造世界の中にあって

キリストとその御言葉だけが揺るがされず、堅くとどまっています。

 

おお、あらゆる被造物を後にし

礎であるこの方の上に 石として休むことができるなら!

主の中にとどまり、この方によって支えられるなら!

 

なぜなら、わが内にあるあらゆる恵みは 

キリストを通して来ており、

このお方が、そのような恵みを意図し、得、

約束し、もたらされたからです。

 

聖なる愛に満ちた神の小羊の近くにあることは 

なんと幸いなことでしょう。

 

汝に対して罪を犯すとき、

私は汝のご意思、愛、いのちに刃向かっており、

そんなとき、私には 

寄りかかることのできる、どんな慰め手も被造物も存在しません。

 

私の罪は、この罪やあの罪といった特定の悪というよりはむしろ、

汝との間の たえまない別離、不一致、へだたりです。

そして汝に対する ふしだらな心の態度です。

 

しかし汝は私に、イエスという御子を贈ってくださいました。

このお方は、汝とわが魂との間の仲介者であり、

穴の中で、彼の下方にいる人々も、上にいる人々をも

しかと支えることのできるお方です。

 

なぜなら、この方だけが、

罪によって引き裂かれた深淵に橋を架けることができ、

神の義を満足させることがおできになるからです。

ああ、いつも私がこの仲介者なるお方を 信仰の対象として

しっかりととらえることができますように。

 

主の側からみれば 

私は、みことばによってこのお方と一つにされており、

一方、私の側からは、

信仰によって、このお方と一つにされています。

 

もし私がみことばに刃向かうなら、

これほどまでに近くにおられる、わが主に刃向かうことになります。

一方、私がみことばを受け入れるなら、

その時、私は、わが主ご自身を受け入れるのです。

 

おお、すべての人の心は汝の御手の中にあります。

みことばに倣い、御子のかたちに倣い、 

わが心を形作ってください。

そうすれば、みことばなるキリスト、そしてご自身のことばが

わが力、わが慰めとなるでしょう。

 

"Christ the Word," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

告白と願い求め("Confession and Petition")

 

聖なる主。

私はこれまで、

数えきれないほど罪を犯してきました。

 

私の内には、プライドと不信仰があり、

汝のみ言葉のうちに汝の心を見い出すことができず、

しかも、日常の生活の中で、汝を真摯に求めているとは言い難い状況にあります。

 

こういった数々の咎や欠点は、自分を責め立てる一覧表となって、私の前に置かれています。

しかし、主はほむべきかな。その全てをキリストが背負ってくださり、そのため、責め立てるものは私を倒すことができないのです。

 

私の内にある腐敗したものをこれからも制圧してくださり、 

こういったものの上に生きることができますよう、

私に恵みを与えてください。

  

肉の欲や心の中の妄想が私の魂を支配するままにさせず、

どうか自由と御力のうちに、私を治めてください。

 

これまでに捧げてきた多くの祈りが拒まれたことを感謝します。

ふさわしくない事を望んできたため、それらは与えられず、

自分の欲によって祈ってきたため、それらは拒まれ、

また、長い間、エジプトを慕ってきたため、その代わりに荒野が与えられてきました。

 

忍耐深い汝の御業を続けてくださり、

汝の目に正しくないと映る私の祈りに対し、

今度もどうか引き続き、「否」とお答えになってください。

そしてそれを受け入れることができますよう、私を整えてください。

 

あらゆる邪悪な願望、利己的な求め、汝のご支配に敵対するもの全てから、私を清めてください。

汝の知恵と愛を感謝します。

今、私に与えられているあらゆる鍛錬ゆえに、

そして、私の金を精錬し、金かすを取り除くべく、

時として私を火炉の中に入れてくださるゆえに。

 

罪意識を耐えることほど辛い試練はありません。

もし、私が、罪の問題をないがしろにしたまま安楽に生きるのか、

それとも、試練によってそれらが焼き払われる道か、

その内どちらか一つを選ばなければならないのだとしましたら、

おお主よ、どうか私に清い苦難をお与えください。

 

あらゆる悪習慣、

あらゆる罪への癒着、

自分のうちに潜む、汝の恵みの輝きを曇らせるような一切のもの、

そして汝のうちに喜ぶことを妨げる一切のものから、私をお救いください。

 

こうして私は、自分を義の道へと導いてくださる汝、

エシュルンの神をほめたたえるでしょう。

 

"Confession and Petition," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

試練のうちに見い出される恵み("Grace in Trials")

 

憐れみ深い父よ、

イエスのゆえに 私の声に耳を傾けてください。

汝とのもっとも親しい歩みの内にあっても 

依然として私は罪深いのです。

 

私がもっと以前に死んでいなかったのは 

汝のご慈愛ゆえです。

 

汝の恵みにより 

十字架の内にある信仰が与えられ、

それを通し 汝は私を、

ご自身との和解に導かれました。

 

そして、その偉大なる愛によって私を引き寄せ、

咎ある私を、キリストにあって

無実な者とみなしてくださいました。

 

あらゆる恵みを与えてくださる主よ、

汝を仰ぎ見ます。

どうか、これらの恵みを自分の内に保つべく、

私に力をお与えください。

  

なぜなら、わが信じるところを実践するのは 

困難だからです。

誘惑に負けることのないよう 私を強めてください。

 

若い時から 私の心は、底なしの罪の泉のようであり、

そこには堕落の川が流れ、

自分のあらゆる行動の内に流れ込んでいます。

  

私がこれまで信頼を寄せてきたあらゆる手段を

汝は無効にされました。

ですから今、汝の内にない限り、私は全く無力です。

 

汝だけが、悪に傾こうとするわが歩みを

差し止めることがおできになります。

私を支える汝の恵みなくしては 

私は倒れてしまいます。

 

サタンの放つ火矢は 瞬く間に 私を刺激し、

本来なら それらを消すべき盾は、

いとも簡単に私の手からすべり落ちてしまいます。

サタンの策略や攻撃に立ち向かうことができるよう 

私を強めてください。

 

自分の弱点をわきまえつつ、

汝の力に寄り頼み続けることができますように。

 

試練がくるたびに、それらを通し、

さらなる汝の平安、そして愛を知ることができますように。

汝の恵みが増し加わるべく 

私に聖霊が与えられています。

 

実に、この方が絶えず私のうちで働いてくださらない限り、

私は恵みを保つことができません。

 

御霊が、約束された汝の御助けに対するわが信頼を、

確かなものとしてくださり、

汝に寄り頼みつつ、へりくだった歩みをすることができますよう、

主イエスのゆえに、どうか私を助けてください。

アーメン。

 

"Grace in Trials," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

依然として私は罪を犯してしまいます。("Yet I sin")

 

永遠の御父、

汝は人のあらゆる思いを超え、善き方であられます。

 

しかし私は下劣で、あさましく、みじめで、盲目な者です。

口では告白しますが、心はそれをなかなか感じることができず、

わが道を改めることも遅々として進みません。

 

わが魂を汝の前に携え持っていきます。

どうかこれを砕き、傷つけ、曲げ戻し、あなたの型に作り直してください。

 

罪のゆがみと奇形の仮面をはぎ、それを私に示してください。

そうすれば、私はそれを憎み、忌み嫌い、そこから逃げるようになります。

 

わが能力や機能は、これまで汝に刃向かう反逆の武器として

使われてきました。

反逆する者として私は、自分に与えられている力を誤用し、

汝の御国に敵対する者たちに味方してきました。

 

ああ、こういった自分のひどい愚かさを

悲しみ嘆く恵みをお与えください。

 

罪びとの道は耐えがたく、悪人の道は悲惨であり、

汝から離れた歩みというのが、すべての善きものへの喪失に他ならないことを、私が知ることができますように。

 

私は汝の全きおきての聖さと美しさを知っており、

そのおきてに治められている心の幸いな状態をも知っています。

またおきてに忠実に歩む者に備わる

しずかな気高さをも見てきました。

 

にもかかわらず私は、日々、そのおきてを破り、

ないがしろにしているのです。

 

愛にあふれた御霊はわが内で働き、

御言葉による警告を私に与え、

おどろくべき摂理の中で私に語りかけ、ひそやかなる囁きにより

私に近づいてくださいます。

 

それなのに、私は、結局は自分を傷つけるに至る自己流のやり方や欲望の方を選び、

ひどく憤慨し、嘆き、御霊に打ち捨てられるようなことをしています。

 

こういったすべての罪を私は嘆き悲しみ、

そして涙のうちに赦しを乞い求めます。

わが内に働き、より深く、永続する悔い改めをお与えください。

敬虔な嘆きを余すところなく私に与えてください。

 

うち震え、畏れおののく嘆きを。

そして、それと同時に、なおいっそう信頼し愛する力強い嘆きを。

ああ、悔い改めの涙を通し、救いをもたらす十字架の光輝と栄光を

よりはっきり見ることができますように。

 

"Yet I Sin," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

深み("The Deeps")

 

主イエス。私に、

より深い悔い改め、

罪の恐ろしさを悟る心、

そして畏怖の念をお与えください。

 

罪に汚されることなく そこから逃れ、

わが心がただひたすらに汝のものとなるよう

堅く決意させてください。

 

私に、より深い信頼を与えてください。

そうすれば、私は自己を失うことで、

汝のうちに自分を見いだすようになるでしょう。

主よ、汝こそわが安息の地、そしてわが存在の泉です。

 

汝自身を救い主、主、王として知る

より深い知識を与えてください。

密室での祈りの中に、より深い力を、

汝のみことばの中にさらなる甘美さを、

そしてその真理を捉える、より確かな理解力を与えてください。

 

自分の言葉、思い、行動のうちに

より深い聖さをお与えくださり、

汝を離れたところで美徳を求めることのないよう助けてください。

 

偉大なる主、天的な農夫よ、

わが内を深く耕してください。

そうすれば、わが存在はならされた畑となり、

恵みの根は広く遠くまでもひろがっていき、

やがて、わが内で汝のみが見いだされるようになるでしょう。

ーー光り輝く夏の収穫のように汝の美しさが、

そして秋の豊作のように汝の豊かさが。

 

私には汝をおいて他に主人はおらず、

汝のみこころをおいて他に掟はなく、

汝ご自身をおいて他に喜びはなく、

汝のくださるものをおいて他に富はなく、

汝の祝福してくださるものをおいて他に良きものはなく、

汝の授けてくださるものをおいて他に平安はありません。

 

私は、汝が自分を造ってくださった通りの者であるにすぎません。

また私は、汝より受けているものを持しているにすぎません。

恵みが自分を飾ってくれているのであり、

それ以上の者ではけっしてありえません。

 

慕わしい主よ、私を深く探ってください。

そしてあふれるばかりの生ける水で

私を満たしてください。

 

"The Deeps," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

朝にささげる祈り("Morning dedication")

 

全能の神よ、

今日というこの日を迎えるにあたり、

私は自分自身のたましい、体、やるべき事、友人たちのことを

汝のご配慮にゆだねます。

 

私を見張り、守り、教え導き、聖め、祝福してください。

わが心を汝の道に傾けさせてください。

陶器師が粘土をこね、形造るように、 

どうか私を全きイエスのかたちに造り変えてください。

 

わが唇が美しく調律のとれたハープとなり、

そこから汝への賛美が響き渡りますように。

 

そして、汝の御霊によって生き、

この世を足元に踏みにじり、

偽りの虚栄に自らを同化させず、

心の一新によって根本から変えられ、

完全なる神の武具で身を固め、

けっして曇ることのない光として輝き、

あらゆる行ないの内に、聖さを表していくことができますように。

  

そして周りの人が

そのように生きる私を見ることができますように。

 

どんな悪も、

わが思い、言葉、手を汚すことがありませんように。

そして、しみやきずのない聖められたいのちと生き方をもって、

この世の泥道を歩んでいくことができますように。

 

この世との交渉が必要な時にも、

どうかわが心の思いが天にあり、

わが愛が炎のような輝きの内に空高く舞い上がり、

わが眼が目に見えないものの上に堅くうち据えられ、

わが目がこの世のむなしさ、もろさ、まやかし、虚栄に対し、

いつも開かれていますように。

 

ああ、わが主の来臨を待ち望み、

最後のラッパの音を聞き、

新しい天と地に駆け込み、

こうしてすべての事を

永遠の鏡の中で見ることができますように。

 

今日私の出会う人々との会話が、汝の知恵の内になされ、

互いに恵みをもたらすものとなるよう

取り計らってください。

 

お互いを建て上げる助けにならないような

無益な会話をすることが決してありませんように。

 

ひと言ひと言を、

この地上での私の最期の言葉であるかのように話し、

わが一つ一つの歩みを、

人生最期のものであるかのように

歩んでいくことができますように。

 

今日をもってわが生涯が終わるのでしたら、

どうか主よ、この日が私にとっての最高の日となりますように。

アーメン。

  

"Morning dedication," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

弟子の刷新("A Disciple's Renewal")

 

おお わが救い主、

私を助けてください。 

 

私はいつまで経っても学ぶことができず、

すぐに忘れてしまい、

登ろうにもその力のない弱い者です。

 

今はもう山頂にいるべき時ですが、

私はいまだに山のふもとにいます。

 

私は、自分の恵みなき心、

祈りに欠ける日々、

愛のなさ、

天的な競走にたいする怠惰、

汚れた良心、

無為に過ごしてしまった多くの時間、

用いようとしなかった数々の機会、、

こういったことを思い、心痛めています。

 

辺り一面、光が照らしだされているのに、

私は盲目です。

どうか私の目からおおいを取り除いてください。

そして不信仰という悪しき心を砕いてください。

 

ああ、汝のことを深く学び、

汝のことを黙想し、

汝を見つめつづけることが、他の何にもまして 

私の喜びとなりますように。

  

マリアのように汝の足もとに座り、

ヨハネのように汝の御胸に寄りかかり、

ペテロのように汝の愛を慕い求め、

パウロのようにすべてのものを

ちりあくたとみなすことができますように。

 

主よ、恵みが増し加わり、

その中でさらに前進していくことができるよう助けてください。

そうすれば、わが人格は、より堅実なものとなり、

より精力をもって物事に取り組むことができ、

 

生き方においても、高尚さが増し加わり、

こうして汝への献身にさらなる炎がともされ、

わが情熱の中に、よりいっそうの忠実さがみられるようになるでしょう。

 

この世において私になにがしかの地位があるとしても、

どうか、この世自体がわが地位となることがありませんように。

そして 創造主なる主の内にのみ見い出されるものを

被造物の中に求めようとすることが決してありませんように。

 

信仰により、たえず汝を求めさせてください。

ああ、王の王、主の主、わが内でお働きください。

そうすれば、私は勝利のうちを歩み、

わが使命を全うすることができるでしょう。

 

"A Disciple's Renewal," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

カルバリーの讃歌("Calvary’s Anthem")

 

天の御父よ、

歌いつつ十字架へ向かうよう

汝は私を導かれました。

 

そこにおいて、

私は、自分の抱えている、あらゆる問題・重荷をおろし、

それらが跡形もなく消え去るのを見、

 

山のようにそびえ立つわが咎・責めが、

平らにされ、平原にされ、

言語に絶するほどの醜悪さを持ち、海の砂粒よりも多い

わが罪が消されるのを見ます。

 

なぜなら、カルバリーの血潮には力があるからです。

その血は、無数の罪を打ち壊します。

汝は丘の脇にあるひとつの泉を与えてくださいました。

そこで私は清められ、白くされます。

 

一介の罪びととして、私はその水のほとりに行き、

水晶のような流れの中で、何にはばかれることなく、

浸水します。

 

十字架には、貧しき者や柔和な者のための

無償の赦しがあります。

そして、そこにはとこしえに続く豊かな祝福があります。

 

小羊の血潮は、無限の恵みをたたえし大いなる川であり、

その川の豊かさは、

たといどれだけ多くの渇き人が飲もうと、

決して減じることのないものです。

 

おお主よ、汝の血潮によって与えられし

この無償の赦しが、とこしえまでにありますように。

 

痛みに満ちたこの世の中にあって、

それは、地上の唯一の歌、

天における讃歌。

 

どんな場所においても賛美の対象であり、

その愛とすばらしさには限りがありません。

 

私の心には上の世界に対する渇望があります。

無数の群衆が大いなる歌を歌っている天の世界に。

 

なぜなら、わが魂は、

この世のちりを愛するようには決して造られていないからです。

この地にあって私の霊的な状態は、脆弱で、力のないものです。

 

しかしこれからもカルバリーの讃歌を歌いつつ

前進していきたいです。

 

汚れなき良心に満ちた清い心はユリの花よりも美しく、

清い心の持ち主だけが、昼となく夜となく賛美することができ、

私がカルバリーにとどまる時はじめて

そのような心が自分のものとなることを

絶えず覚えさせてください。

 

"Calvary’s Anthem," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

隠れ家("The Refuge")

 

おお主よ、

汝の御力は無限であり、その知恵には誤りがありません。

 

どうか周りの物事によって私が、妨げを受け、

落胆させられることのないよう、汝がご采配ください。

あらゆる争いと私との間に立ってください。

 

そうすれば、悪が私の上に降りかかることなく、

罪によってわが賜物や情熱が損なわれることもないでしょう。

 

どうか私が与えられた責務を忠実に果たし、

愚かな自己流のやり方に走ることがありませんように。

汝の祝福を受けないような業につくことのないよう、私を見張ってください。

 

そうすれば、御名を傷つけることなく、汝に仕えることができるでしょう。

 

ああ、御翼の陰にある、

汝の秘められた隠れ場に私を宿らせてください。

 

そこにいれば、私は、

昼に飛び来る矢、暗闇に歩き回る疫病、

舌の争い、人の悪意、 

愛なく、人を突き刺すような言葉、悪い人間関係の罠、

青年期のあらゆる危険、

中年期のさまざまな誘惑、

老年期の哀悼や悲嘆、そして死に対する恐れからも

堅く守られるでしょう。

 

支えも、助言も、慰めも、私は完全に汝に寄り頼んでいます。

汝の自由な御霊によって私を支えてください。

 

どうか自分の信仰が守られていることだけに満足するのではなく、

いつも前進し、汝が私にくださった働きのうちに、

絶えず邁進し続けることができるよう、助けてください。

 

そして信仰生活におけるあらゆる目的を成し遂げるべく、

汝の御霊によって、私の内なる人を強めてください。

 

キリストの内にある新しいわが名、

わが体、魂、賜物、性格、業、家族、友人、働き、

そして自分の現在、未来、そして終着点――

これらをすべて汝のうちにお委ねします。

 

全てを受け取ってください。

なぜなら、それらは皆、汝のものだからです。

そしておお主よ、

私自身、今よりとこしえまで、汝のものです。

アーメン。

 

"Refuge," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

日々の悔い改めと恵み("Continual Repentance")

 

おお 恵みの神よ、

汝は私の罪を贖ってくださいました。

そして花嫁の衣と

聖潔の宝石とで私を飾ってくださり、

ご自身の義をわが魂に帰してくださいました。

 

しかし、ああ、クリスチャンとしての私の歩みはどうでしょう?

私は未だにぼろの中にいます!

 

自分としては最高の祈りであっても、

それらは依然として罪に染まっており、

悔悛の涙の中にさえも、

多くの不純物が混じっています。

 

犯した誤ちの告白は、罪を軽減はさせず、

御霊を受けようとする私の動機にも、

利己的なものが多く混ざっています。

 

おお主よ、私は自分の悔い改め自体を

悔い改める必要があります。

私の涙は洗い清められなければなりません。

 

私には自分の罪を覆う衣がなく、

自分の義を織りなす機(はた)もありません。

 

私はいつも不潔な着物で立っており、

ただ汝の恵みによって、

新しい衣をいただいています。

なぜなら、汝はいつも

不敬虔な者を義となしてくださるからです。

 

いつも、いつも、私は遠くの国へとさまよい、

放蕩息子として家に戻ってき、

「お父さん、私を赦してください」と言います。

 

そして、そんな私に、汝はいつも最高の着物を持ってきてくださるのです。

どうか私に毎朝、その衣を着させてください!

そして毎晩、その衣を着て戻ってくることができますように。

 

日々の仕事の中でも、

結婚においても、

死の床につく時にも、

 

大きな白い御座の前に立つ時にも、

御国に入るその時にも、

どうか汝のその衣を着させてください。

 

そして、罪のおどろくべき罪深さ、

救いのおどろくべき義、

キリストのおどろくべき栄光、

聖潔のおどろくべき美しさ、

恵みのおどろくべき驚異を、

常に心に留める者となさせてください。

アーメン。

 

"Continual Repentance," The Puritan Prayers and Devotions(私訳)

 

おお神よ、わが心の座を汝がお占めください("Regeneration")

 

おお、いと高き天におられる神よ、

わが心の座を汝がお占めください。

それをことごとくご有しになり、治めてください。

 

逆らおうとするあらゆる我意を静めてくださり

わが卑しい情念をして

汝の聖なる戦いに刃向かわしめないでください。

 

汝の偉大な力をお顕しになり、

私をとこしえまでも汝のものとしてください。

 

汝は、わが全ての息をもって賛美されるにふさわしく

わが全ての魂をもって愛されるにふさわしく

人生におけるわが全ての行ないをもって

仕えられるにふさわしい方です

 

汝は、私を愛し、子として受け入れ、

買い取り、洗い清め、いたわり、

服を着せ、飾ってくださいました

――私が 全くそれに値せず、

卑しく、穢れ果てていた時に。

 

私は罪悪の中に死んでいました。

汝を見る目もなく

汝の御声を聞く耳も持たず

汝の喜びを味わう感覚もなく

汝を知る知性もありませんでした。

 

しかし、汝の御霊が私を生き返らせ、

新しく造られた者として、

私を新しい世界に導きいれてくださり、

霊的な理解力を与えてくださり、

汝のみ言葉を、光、導き、慰め、喜びとして、

私に開いてくださいました。

 

汝の臨在は、私にとって、

絶えることのない平安の詰まった宝のようです。

 

汝の憐れみから私を引き離すものは何もありません。

なぜなら汝は愛の絆によって、

私を引き寄せてくださったからです。

 

そして日毎に、絶えず私を赦してくださるからです。

 

おお、ですから、私が汝の愛に、希望に、

そして召しにふさわしく歩むことができるよう助けてください。

 

私を守ってください。

私は自分自身を守ることができないのです。

おお、全ての悪から私を守ってください。

 

そして、多くの人の好んでいる数々の罪を

打ち捨てさせてください。

 

ああどうか、汝の傍を歩き、汝の腕に寄りかかり、

汝と親しく交わらせてください。

 

そうすれば、私は地の塩となり、

全ての人にとって祝福となるでしょう。

 

"Regeneration," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

汝の恵みを切に求めて("Need of Grace")

 

おお、主よ。

私が汝の奉仕者としてまったくふさわしい者でないことを、汝はご存知です。

 

また、汝は、今の私の死んだようなあり様、

汝の栄光のために何一つできていない この無力さ、

そして、ぞっとするほど冷たい私の心の状態をご存知です。

 

私は弱く、無知で、役立たずの人間です。

そして私はこんな自分を忌み嫌っています。

 

私は、汝が私に望んでおられることが何かもよく分からずにいます。

 

汝に見捨てられているように感じ、

汝の臨在を感じることもほとんどないからです。

 

若い日の私の罪、そして私の性質の中にひそむ恐ろしい罪は目の前にあります。

 

そして私は、こういった罪のことを思わずにはいられず、自分の考えること為すことすべてに罪がつきまとって離れないように感じるほどです。

 

全てを変える恵みの雨をもって 

どうか再び私にのぞんでください。

 

福音をないがしろにしている、

この哀れな罪びとにのぞんでください。

 

私の魂が、聖められること、

汝に対して一途に献身していくこと、

 

そして日毎に、恵みの内に

より豊かに成長していくことを求めることができるよう助けてください。

 

おお主よ、こういった祝福を切に求めるあまり 

私は、気を失い、今にも沈みそうです。

 

喜ばしい解放の時がくるまで、 

今しばらく忍耐することができるよう助けてください。

 

汝ご自身が、私を引き寄せてくださらなければ、 

私は自分の魂を、汝の元に引き上げることができません。

 

愛しい友である汝を悲しませることのないよう

思いにおいても、行動においても、

慎み深く、目を覚まし、優しくあることができますように。

 

私は汝に信頼し、汝に寄り頼みます。

主よ、私は絶えず汝を必要としています。

 

おお、わが悩み、苦しみ全てが

私にへりくだりという大きな学課を学ばせるキリストの学校となり、

 

それにより、私が汝の奉仕をするに、よりふさわしい者へと変えられていきますように。 

アーメン。

 

 "Need of Grace," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

奉仕の働きの中で気落ちした時に("A Minister’s Strength")                  

変ることのないヤーウェなる神よ。

奉仕の働きの中で落胆する時、

そして自分自身についてさえ

疑心暗鬼に囚われてしまう時、

 

汝の永遠なる選びという岩の上に

私を堅く立ててください。

 

そうすれば、わが両手は下がることなく、

 自分に対しても、周りの人々に対しても

希望を持ち続けることができるでしょう。

 

汝はご自身の民の名を一人一人知っておられ、

定められた時に、力ある御召しをもって、

私たちを自然的な状態から、

恩寵に満ちた状態へと導いてくださいます。

 

これがわが救いの土台であり、わが願いの目的であり、

奉仕の働きをする動機です。

  

自分自身や、

自分の働きに対して高ぶった思いを抱くことのないよう

私を助けてください。

 

事実、私は罪と弱さだらけであり、

私の内には何ら善いものが宿っておらず、

最善を尽くした働きであってさえも、

罪から自由ではないのです。

 

私をちりに伏させ、

汝の前にあってどうか私に謙遜さをお与えください。

 

そして自己義という有害な雑草を

根元から抜き取ってくださり、

自分がまったく何者でもなく、

無に等しい存在であることを悟らせてください。

 

自分の罪人性(sinnership)に対し敏感であり続け、

より深い悔い改めと自己嫌悪に

私を沈淪させてください。

 

そして汝のご臨在という契約の箱の前で、

高慢というダゴン神を粉々に砕いてください。

 

おお主よ、うぬぼれや思い上がりのバベルを解体し、

それらを風にまき散らしてください。

そして反逆の心という、わが内にあるエリコの城壁を

なぎ倒してください。

 

その時、恵み、

そうです、汝の恵みがわが経験となり、涙の叫びとなるでしょう。

 

信仰が働かない時、私は翼を切られた鷲のように、貧しく、か弱い者です。

 

おおどうか、汝の御力と忠実さの上に私を安息させてくださり、

 

この世界にあって、

汝の働きをさらに進め、

そして人々の魂と肉体に対し最善を尽くす事こそ、

人生にあって真に価値あるものである事を私に悟らせてください。

 

これがわが奉仕の働きであり、わが人生であり、そしてわが生きる目的です。

 

おお主よ、途中でくじけ、弱り、あきらめてしまうことのないよう、私に恵みをお与えください。

 

"A Minister’s Strength," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

汝の臨在に入って("Meeting God")

 

偉大な神よ、

人のいる所でも、いない所でも、 

聖所の中であっても、家の中であっても、

私の人生が隅々まで

祈りで沁み渡るものとなりますように。

 

恵みと哀願の霊に満たされ、

私の捧げる祈りが、

贖いの血潮という芳香で満たされますように。

 

祈りの場から、

絶えることのない賛美という領域へ

舞い上がっていくことができるよう、どうか私を助け守ってください。

 

必要に迫られ、

汝の御約束によっていざなわれ、御霊に呼ばれ、私は汝の臨在に入ります。

 

そして汝の荘厳さ、偉大さ、栄光に畏れを感じつつも、

汝の愛に包まれ、私は敬虔なる畏れをもって汝を賛美します。

 

私は貧しく、罪にまみれ、

汝にお返しできるような何をも持ち合わせていない者です。

 

しかし私は信仰により

汝の御前でイエスの御名を呼びます。

 

そして主の義により私の罪悪が覆われるよう嘆願し

主イエスが汝の義を満たしてくださったことを喜びます。

 

主よ、大いなる罪が、

大いなる恵みに変えられたことを感謝します。

 

どんなに些細な罪であっても、それは無限の神に対してなされたものですから、

本来なら私は無限に刑罰を受けてしかるべきです。

 

にもかかわらず、汝は私に憐れみをかけてくださいました。

 

罪悪が最もはびこるところでは、キリストにある汝の憐れみもまた

最も深く惜しみなく注がれます。

  

主よ。汝の愛をさらに私に啓示してください。

そして汝の善を私の前に通らせてくださり、

砕かれしわが心に平和のことばをお語りください。

 

あらゆる思い、言葉、行動において、そして

 

心を清め、

世に打ち勝ち、

愛によって働き、

汝にすがり、よりいっそう十字架を見上げる信仰にあって、

 

キリストが私の内で至高の座をお占めくださるまで、

主よどうかお休みにならないでください。

 

 

"Meeting God," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

信仰とこの世("Faith and the World")

  

おお主よ

この世は、私たちを謀(たばか)るにとても巧みです。

 

それは魅力に富んだ装いで

私たちに近づき

金箔をかぶせた餌(え)をばらまきつつ、多くの人に愛嬌を振りまきます。

 

信仰により 

むなしき駄物をことごとく見分け、

魅惑的なわなから、逃れることができますように。

そう、すべてを克服する主の勝利の中で。

 

なすべき任務において 

私に、堅固さ、力、情熱、

汝のご用のために捧げる献身の思い、

御名の中にある勇気、

恵みから注ぎ出される愛、

そして、それらに伴うあらゆる相応しいものをお与えください。

 

信仰により、大いなる力の中で前進し、

すべての行ないにおいて 

愛をもって力強く応答していくことができますように。

 

しかし、わが愛する主よ、

私は、汝の臨在を失い、嘆くことがしばしあります。

そうです。汝のご微笑は、この地をパラダイスにし、その御声は、いとも甘美な音楽です。

  

そして汝の臨在は 

あらゆる恵みを力強いものにします。

 

それなのに、ああ、不信仰がしのび寄り、私は戸外に、主を締め出してしまうのです。

 

どうか、信仰により 

戸を開いて主をお招きすることができますように。

 

そうすれば、主は永遠に私と共にいてくださるでしょう。

 

汝の御言葉は、約束で満ちています。

それは、甘い香りの花々、

すがすがしい風味の果実のよう。

 私はそれを信仰によって摘みます。

 

どうか

汝のその豊かさの中で豊かにされ、

御力の中で強くされ、

その喜びの中で、幸いな者とされ、

その甘美さの中にとどまり、

そのたぐいなき価値を楽しみ、

そのマナにより、生きる力を得ることができますように。

 

主よ、私の信仰を強めてください!

 

 

-"Faith and the World," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

心の汚れをぬぐい去ってください("Heart Corruption")

 

おお神よ、

汝の御霊が私のうちで語ってくださらんことを。

 

そうすれば、

私は汝に語りかけることができます。

 

私の内には何ら善がありません。

イエスの善が私を支えてくださいますように。

 

私は汝の愛を受けるに値しない者です。

しかし汝のご慈愛にすがっています。

  

私の内は弱さ、足りなさ、罪で一杯です。

しかし汝は恵みに溢れておられます。

私は自分の罪を告白します。

よく犯してしまう罪、意図的に犯した罪を今、告白します。

 

私の肉と魂はことごとく汚れています。

この汚染されし源は、私の性質に深く根差しています。

 

汚らわしいイメージを据えた数々の部屋が、自分の心の中にあります。

 

そして私はその忌まわしい部屋の間をせわしなく行き来し、

 危険な想像にあてもなく身を任せ、

 堕落した自分の恥ずべき秘密をそこに見ています。

 

自分の内側がこのような状態であるということを、私は非常に恥じています。

 

私の内には青々とした若芽もなければ果実もなく、そこにあるのはただ、棘とあざみだけです。

 

私は風に吹き飛ばされてしまう枯れ葉のようです。

役にも立たず、冬の木のようにむなしく不毛な生活を送っています。

 

このような者は切り倒され、

焼かれても仕方のない存在なのかもしれません。

主よ、こんな私を憐れんでくださいますか?

 

汝は私のプライドに強烈な一撃を加えられました。

そうです、自己という偽りの神に。

  

そして私は身も心もバラバラになって、汝の前に横たわっています。

 

しかし汝は私に、

 ――別の主人であり主である御方――汝の御子イエスを賜わってくださいました。

 

ですから今、私の心は聖さに向かい、私の人生は、弓から射られる矢のごとく、

汝に対する全き従順を目ざし疾走しています。

 

私のなす全てにおいて、

罪を捨て、高慢を打ち砕くことができるよう、どうか助けてください。

 

世への愛、生活の驕り、

堕落した人間にとってなじみのある一切の事から私をお救いください。

 

そして日々、私の内でキリストのご性質が顕されていきますように。

 

不満を言うことなく

汝の御心をなしていくことができるよう恵みを与えてください。

 

そして、掘られ、正され、

形作られることを喜ぶだけでなく、

あまりにも長い間、はめ込まれていた、

この〈古い岩〉から分離されていくことにおいても、

それを喜ぶことのできる恵みを

与えてください。

 

ああ主よ、私を石切り場からはるか上の空へと引き上げてください。

 

そこでこそ、私は永遠に、

キリストの内に建て上げられることができますから。

 

"Heart Corruption," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

さあ、この旅を続けていこう!("Journeying on")

 

昼はこの雲の柱、夜はこの火の柱が民の前から離れなかった。(出13:22)

 

雲と火の主よ、

私は旅人です。

  

旅人特有の無頓着さをもって、

巡礼者の杖を手に取り

いざ、シオンに向かい進んでゆく。

  

わが眼は、やがて来られる主に向けられ、

心は余すところなく、 

汝の御手の中におさめられています。

 

わが心。

それを汝がお造りになり、

贖い

新しくし、

捕え、

治められました。

 

わが心を、敵対する仇から守り、

反逆的な情欲をことごとく打ち砕いてください。

 

油断のならない情念を制し

地上的な欲望を、ことごとく滅ぼしてください。

 

ああ、私の存在すべてが、汝の御触れにより

感動でうち震えます。

 

わが心、思い、肉体、力、霊、愛情、意思、願い、知性、悟性――

これら全てをもって 

汝を愛します。

 

汝は、すべての全きものを凌駕しておられる方です。

あらゆる知性は、汝より来たるものです。

 

わがとぼしき細流は、 

計り知れない汝の泉より、流れ来ています。

 

汝と比べるならば、

太陽も暗闇。

あらゆる美は、歪んだもの。

 

あらゆる知恵は、愚劣。

そして最高の善も、欠陥。

 

この鈍い心が捧げることのできるすべてに勝って 

汝は崇敬に値する方です。

 

わが愛をかき立ててください。

そうすれば、それは汝の元へと高く上がっていき、

わが旅路は、 

絶えることのない賛美となるでしょう。

 

 

"Journeying on," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

汝のはてしない静穏さを想う時("Resting on God")

 

おお神、いと高きところにおられ、栄光に輝く方。

汝のはてしない静穏さを想う時、

私の心は慰められます。

 

なぜなら、私は重荷を負ってうめき、

行き詰まりのうちに苦悩しているからです。

 

しかし汝はとこしえまで、

完全なる平安であられます。

 

汝のご計画のうちには恐れも、

満たされざる焦心もなく、

それは永遠なる丘陵のごとく

堅くそびえています。

 

汝の御力には限りがなく 

汝のすばらしさには終りがありません。

 

汝は混乱から秩序を引き出すことのできる方であり

私の敗北は、汝の勝利であります。

全能の神が治めておられるからです。

 

私は悩みと悲しみを抱く罪びととして

汝の前に進み出ます。

 

そしてあらゆる憂いを全て汝に委ね、

あらゆる罪に対しキリストの尊き血潮を呼び求めます。

 

私の心に深い霊性を再び起こしてください。

 

偉大な羊飼いの近くに住み、主の声を聞き、

その声音を知り、

その呼びかけに従っていくことができますように。

 

私を惑わしから守ってください。

そうすれば、私は真理の内に宿ることができます。

 

また私を危険から守ってください。

そうすれば、御霊の力のうちを歩むことができますから。

 

永遠の真理の中で、

今まで以上に熱い信仰をお与えください。

 

そして経験によって私の知っていることを

強く心に焼き付けてください。

 

福音を恥じるようなことが

決してありませんように。

 

私はそのために受けるかもしれない非難を

甘んじて受けようと思います。

 

そして福音を立証し、その本質においてイエスを見い出し、

その中に御霊の力を見たいです。

 

主よ、助けてください。

私はなまぬるく、冷たい時がしばしばあります。

 

不信仰によって確信はぐらつき、

罪のせいで汝を忘れてしまう時があります。

 

私の魂の中に生えている雑草を

根ごと切り落としてください。

汝のために生きている時だけが、

私が真に生きている時間であることを悟らせてください。

 

その他もろもろの事は些末なことにすぎないのです。

 

汝の臨在だけが私を聖く、敬虔にし、

また強く、幸せな者にしてくれます。

 

憐れみ深い神よ、どうか私のうちに住んでください。

 

 

"Resting on God," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

主イエスよ、私は盲目です。汝が私の光となってください。("Need of Jesus")

 

主イエスよ、

私は盲目です。汝が私の光となってください。

私は無知です。汝が私の知恵となってください。

 

私はかたくなです。汝が私の知性となってください。

 

汝の御霊の声をすばやく聞き取ることができるよう

私の耳を開いてください。

 

そして手招きしてくださっている汝の御手に

喜んでつき従っていくことができますように。

 

硬さが残ることのないよう、

私の良心をやわらかくしてください。

 

そしてどんなにささいな悪の接触に対しても、

敏感に反応することができるよう、

わが良心を整えてください。

 

サタンが近づく時、

汝の御傷に逃げ込むことができますように。

そこにおいて、私はあらゆる恐れから解放されます。

 

私の良き羊飼いとなってくださり、

汝の御言葉という緑の牧場に導き入れ,

いこいのみぎわに伏させてください。

  

私を平安で満たしてください。

 

そうすれば、この世のどんな強風も

私の魂の内にある 

静かな湖の表面をかき立てることはないでしょう。

 

汝の十字架は私の逃れ場として高く上げられ、

汝の血は私を清めるために流されました。

 

汝の死は、私に救いの保証を与えるためにもたされ、

汝の御名は、私を救うための地所となりました。

 

汝によって、

あらゆる天がわが心の中に注ぎ込まれました。

 

しかし、ああ、汝の大いなる愛を理解するに、

わが心はあまりにも狭量です。

 

私は疎外された者であり、誰からも見捨てられていました。

また私は奴隷であり、反逆する者でした。

 

しかし汝の十字架は私を近くに引き寄せ、

わが心をやわらかくし、

私を汝の御父の子とせしめ、

汝の家族として私を受け入れ、

汝と共に相続する者としてくださいました。

 

おお 汝が私を愛するごとく、

私も汝を愛することができますように。

 

わが主よ、私が汝にふさわしく歩んでいくことができますように。

 

そして天の初子の御姿を映し出す者へと

変えられていきますように。

 

いつも透き通った信仰の目をもって

汝の美しさを見つめ、

心の内に、

御霊の力を感じることができますように。

 

なぜなら、聖霊が力強く私の中で動いてくださらない限り、

いかなる炎も

わが内に燃え上がらないからです。

アーメン。

 

"Need of Jesus," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

聖潔を求める祈り("Purification")

 

主イエスよ、私は罪を犯してしまいます。ああ、私がそのことで嘆き悲しむことをやめるような事が決してありませんように。

 

そしてそのような自分自身に慣れ切ってしまったり、あるいは「霊的に高い位置に自分はすでに到達した」などと間違っても思うことがありませんように。

 

おお、どうか自分の内に潜む嫉妬心を殺し、私の舌に命じ、自我を踏みにじってください。聖く、親切で、やさしく、そして、清らかで平和な者とさせてくださり、自己実現のためではなく、ただ汝のためだけに生きる者とさせてください。

 

そして汝のみことば、行ない、精神に倣い、汝の似姿に造りかえられ、汝のために身も心も完全に聖別され、そして汝の栄光のためだけにひたすら生を生きる者とさせてください。

 

不潔で汚らわしいもの、みこころでない人々との交際、悪しき情欲の支配、罪の蜜およびその恐ろしい峡谷から私を救い出してください。

 

こうして自我を忌み嫌い、深く砕かれ、心の真の動機を探りつつ、私は汝の元にまいります。そして自身を汝の元に投げ出し、汝に信頼をおき、汝を呼び求めます。どうか私をお救いください。

 

おお永遠の総体であられる神。

すべてのものは影にすぎず、汝こそが実体であり、すべてのものは流砂にすぎず、汝こそが山峰であり、すべてのものが変転していく中にあって、ただ汝だけが不変の錨であり、すべてのものが無知である中にあって、汝だけが知恵なるお方であることを知ることができるよう、私を助けてください。

 

もしもわが人生が、灼熱のるつぼでなければならないのでしたら、そのようになりますように。しかしその中にあって、私は炉口に座り、決して失われることのない鉱石を見るでしょう。

 

もしも私が故意に、悲痛に、あるいは苦悶の内に罪を犯したなら、どうか恵みによってわが嘆きを取り去ってくださり、私に歌の調べを与えてください。

 

おお、荒布の代わりに美の装束でわが身を覆ってくださり、悲しみの吐息の代わりに、わが口を賛美で満たしてください。そしてキリスト者として、私を常夏の人とさせてください。

 

 

"Purification," A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

あらゆる苦悩を喜びで和らげてくださる主を讃えます("Puritan gratitude")

 

偉大なるみいつの神、

私が享受しているあらゆる祝福、

望んでいるすべてのものの創始者であられる主よ。

 

汝は、私に次のことを教えてくださいました。

悪による現在の経験も、昔犯した数々の罪の記憶も、友からの戒めも、

御霊の力の働きにより

汝がご恩寵を顕し、罪の中にいる死人を蘇生させてくださらない限り、罪びとの心を動かし得ないということを。

 

魂の内にある繊細で清い愛のほとばしりは、

肉体的な健康よりも優り、

そしてしばしば、わが肉体的健康がもっとも低いところにある時、

霊的な慰めはむしろ至高の高嶺にあることを

汝は私に示してくださいました。

 

汝は恵みの手段として、私に歌を与えてくださいました。

御使いたちと聖徒たちによって全きものとされ

汝の御座と小羊の御前で歌われている

あの讃美の調べに加わるにふさわしい者へと私を整えてください。

 

あらゆる苦悩を喜びで和らげてくださる汝を讃えます。

 

苦悩があまりに大きいと、私は押しつぶされてしまいますが、

喜びがあまりに大きいと、私はすぐに高慢になってしまいます。

ですから賢明にも汝は、

私にその両方の味を味わわせてくださいます。

 

荒野でぶどうの房をくださり、

満たしを渇望させるような

天的な葡萄酒の滴りをくださる汝を愛します。

 

汝を離れるなら、私はまたたく間に死に絶え、

汝を奪われるなら、私はまたたく間に飢え、

汝から遠ざかるなら、私は渇き、力を失ってしまいます。

 

主よ、私が必要としているのはただ汝のみです。

「わたしは決してあなたを離れず、また、あなたを捨てない」(ヘブル13:5)。

 

どうか私が絶えずこの御約束を握っていることができますよう助けてください。

アーメン。

 

"Puritan gratitude," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

おお、十全性に満ち満ちた神("O God, All-Sufficient")

 

おお、十全性に満ち満ちた神。

汝はご自身の力強い御言葉により、

万物を創造され、保っておられます。

 

やみは汝の隠れ家であり、

汝は風の翼に乗って飛びかけられます。

 

あらゆる国々は汝の前では無に等しく、

一世代興っては、また次の世代へと移り変わり、

こうして私たちは瞬く間にちりに帰ります。

 

現在私たちが見ている天はやがて、

それを覆っている雲のごとく消え去り、

現在私たちの踏み歩いているこの地もやがて、

朝のはかない幻のように溶けてしまいます。

 

しかし主よ、汝はとこしえからとこしえまで

不変にして不滅のお方であられます!

万物を統治され、永遠に祝福されたお方、

おお汝は無限に偉大であり、栄光に輝いておられます。

そして私たちは汝の子孫であり、汝の愛護を受けております。

 

汝の御手が私たちを創造し、形作られました。

そして汝は、両親の愛、母親の優しさに勝り、

私たちをいたわり、見守っていてくださいます。

  

汝はいのちの内に私たちの魂を捉え、

私たちの足が動かされないように守っていてくださいます。

 

汝の御力は私たちの命と敬虔さに必要な

すべてのものを与えてくださいます。

 

どうか私たちが絶えず汝をほめ讃え、

いかにして汝が私たちの咎を赦し、病を癒し、

破滅の道から私たちのいのちを贖い出し、

ご慈愛と憐れみにより私たちを飾り、

あらゆる善きもので私たちの口を満たし、

鷲のように新しい力を得させてくださったかを

忘れることがありませんように。

 

ああどうか聖書が

私たちの生活のあらゆる領域を統治し、

私たちのなすべきすべての責務の遂行を統制しますように。

 

そうすれば、私たちはすべての事において、

汝の教理を尊く飾ることができます。

アーメン。

 

"O GOD, All-Sufficient," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

辱め("Humiliation")

 

主権者なる主よ、

暗闇、無神論的な思い、不信仰の黒雲がわが身に忍び寄るとき、

そこに汝の愛の御目的をみさせてください。

 

おおそれは、御霊が遠ざけられることにより、私が今までに増し汝を褒めたたえる者とされ、

過去の成功を秘かに誇る私の自信を汝が懲らしめ砕くことにより、

隠れたところにあるわが不信の傷が癒されるためです。

 

主よ、汝の前でへりくだることができますよう、

どうか私を助けてください。

 

ーーそうです、〈人からの称賛〉という虚栄が、

人間の思いにまとわりつく卑しき自惚れであり、

私と汝の間に立ちふさがる障壁であるということを自ら認めることにより、そして、

 

ーーわが心は何よりも陰険であり、

思いも、口も、人生もいかに汝を欠いたものであるかということを認めることにより、

 

ーー罪もサタンも、

私が自分の罪を知り、へりくだらされ、

 そこから汝によって力をいただくようになるべく、

汝によって許容された権勢であることを認めることにより、

 

ーーそして、不信心こそが私を汝から遮断し、

汝の威光、力、憐れみ、愛を感じさせなくする原因であることを認めることにより、

 

この者が汝の御前でへりくだることができますように。

そうした後、私を丸ごと所有してください。

 

汝だけがまことに貴く、善き御方です。

 

罪の凶悪性が、犯された罪の性質の内にあるというよりもむしろ、

その罪が他でもない主の〈御人格〉そのものに対してなされたという、その深刻さの内に在るということを、私が片時も忘れることがありませんように。

 

おお主よ、迫りくるさまざまな悪におびえる時、どうか私を慰めてください。

 

ーー自分自身の内にあっては、私という人間は有罪判決を受け、死にゆく虫けらに過ぎないけれども、

キリストの内にあって、私は神と和解し、生かされ、聖められた者であることを示してくださることにより、

 

ーー私自身は、か弱く、何一つ善を成し得ない者であるけれども、

主の内にあって、すべての事を成すことができるということを示してくださることにより、そして、

 

ーー今現在、キリストの内にあって私が持っているものは一部であるけれども、

まもなく天でそれを完全に持つことができるようになるということを示してくださることにより、

 

主よ、どうかこの者を慰めてください。アーメン。

 

 

"Humiliation," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)

 

地と天("Earth and Heaven")

 

おお主よ、

かろうじて生き延びることができるほどの

小さな桶水にうごめく魚のように

私はこの地で生きています。

 

しかし天にあって、私は海洋で心ゆくまで泳ぐことでしょう。

 

ここではわずかな空気でしか息づくことができません。

しかしかの地にあって、

私は、甘く新鮮なそよ風を身にいっぱい受けるでしょう。

 

この地では、一条の光がわが暗闇を照らし、

淡い光線が、私を凍えから守ってくれます。

しかしかの地にあって、

私は永遠に光とぬくもりの中に生き続けるでしょう。

 

私の生来の願望は腐り歪んでおり、

それらが打ち砕かれるのは汝の恵みによるものです。

霊的に渇望する心を、汝はわが心に植えてくださいました。

そして汝はそれらに水を注ぎ、育ててくださいます。

 

天上にある領域に対する飢えと渇きの心を

わが内に呼び覚ましてください。

 

ここで得られるのはこの世です。

しかしかの地にあって

私はキリストの内にある汝を得ることができます。

 

ここでは、絶え間ない願いと祈りの生活ですが、

かの地にあっては、

もはや懐疑に苦しむことなく確信に満ち、

拒絶されることなくすべてを求めることができます。

 

この地には、恩恵以上に、

卑しい慰め、鬱陶しい重荷があります。

 

しかしかの地には、

悲しみの混じらない全き喜び、

苦悶の混じらないなぐさめ、

移り変わりや裏切りのない愛、

倦怠のない安息があります。

 

おお主よ、天が愛で満ちていることを教えてください。

そこでは汝の美しさへのたえまない凝視が、

われらの魂を、たえまなき歓喜の内におきます。

 

主よ、天が平和で満ち溢れていることを教えてください。

そこでは誤謬、高慢、反逆、情欲が

もう二度と頭を上げることがありません。

 

おお、天が喜びで満ち溢れていることを教えてください。

そこには信じること、

断食すること、

祈ること、

嘆き悲しむこと、

卑しめられること、

警戒すること、

恐れること、

切望すること

――これらすべての終着点があります。

 

そして主よ、

私をはやくそこに導き入れてください。

 

"Earth and Heaven," The Valley of Vision: A Collection of Puritan Prayers & Devotions(私訳)